第四章「冒険者登録編」登場人物紹介
『怠惰傲慢だった貴族がやり直しで世界を救う(旧題:最強武王、12歳に戻る〜役立たずからギフト《超再生》で滅びの運命を変える)』
第四章「冒険者登録編」の登場人物まとめになります。
【アレス・アークハルト】
本作の主人公。十二歳。アークハルト男爵家の長男。
黒い髪と黒い瞳を持つ少年。《鑑定眼》を発動した時だけ、右の瞳が赤く変わる。滅びた未来では《武王》と呼ばれるまで戦い続けたが、家族も領地も世界も守れなかった。その後悔を抱え、今度こそ手の届く者を一人も失わないと決めている。
この章では、魂に刻まれたギフト《超再生》が他人の重傷や失われた手足まで再生できることをニーナへ打ち明けた。主従契約で口を封じるのではなく、彼女を信じて秘密を託す。また、負傷したベッツたちを治し、壊れた武具さえ《再生》させることで、傷物の武具を再生品として売る最初の商売を始める。
実戦経験、資金、情報、領都の外へ動ける立場を得るため、冒険者ギルドへ登録。知識と判断力の試験では、誰かの犠牲を最初から前提にせず、全員で生きて戻る方法を答えた。実戦試験では、元Bランク冒険者グラントを素手のまま三呼吸で制圧する。
年齢を理由にDランク登録を提案したギルド長バルガスに対しても、身分や腕力で要求を通そうとはしない。互いが責任を果たせる条件を交渉し、王国最年少の条件付きCランク冒険者となった。最後にはアークハルト家に代々伝わるマジックバッグと父の思いを受け取る。
【ニーナ】
本作のヒロインの一人。十五歳。アレスの専属メイド。
肩口で切りそろえた栗色の髪と、淡い琥珀色の瞳を持つ少女。誘拐事件の後も悪夢や恐怖はすぐには消えなかったが、休むだけではなく、まずはいつもの仕事から日常を取り戻すことを自分で選んだ。
アレスから《超再生》の秘密を託される。常識を超えた力に一度は恐れを抱きながらも、その力を守るために使おうとするアレス自身を信じると決めた。契約で縛られることなく、自分の意思で秘密を守り、これからもそばに置いてほしいと願う。
冒険者登録にも同行し、長剣が振り下ろされる光景へ恐怖を覚えながら、アレスが負けないと信じて最後まで試験を見届けた。彼の勝利を誇り、帰還後の食事や携帯食、体調管理の面から冒険を支える。守られるだけの少女から、アレスの決断を理解し、自分の意思で信じる者へと成長している。
【ガレス・アークハルト】
アークハルト男爵家の当主であり、アレスの父。
領民を第一に考え、魔の森の脅威から領地を守り続けてきた領主。アレスの成長を自分の不安で止めるつもりはないが、冒険者として活動する条件として、毎日必ず夕食までに帰ることを約束させる。行動を縛るより、家族全員で食卓を囲む日常を守ろうとする父親である。
アレスの同意書とダリオの推薦状をあらかじめ用意していたものの、登録初日にCランクまで上がるとは思っていなかった。驚きと困惑を隠せない一方、「父として、お前を誇らしく思う」と素直に称える。
若いころに使っていた、荷馬車一台分ほどの容量を持つ貴重なマジックバッグをアレスへ貸す。「必ず帰れ」と送り出し、何を学び、何を持ち帰ったのかを聞かせるよう求めた。袋と共に、領主と冒険者の先輩としての経験、そして父としての信頼を託す人物である。
【トーマ・リード】
アークハルト家の執事であり、オルドの後継者としてアレスの領主学を支える人物。
アレスに領内産業、税、収支計算、文書作成、商人との交渉などを教えている。一度説明したことをすべて覚え、書物の問題点や領地へ取り入れた場合の結果まで考えるアレスを、「順調という言葉では足りない」と高く評価する。
冒険者登録に同行。特別試験のことは事前に知らされていなかったが、ダリオの推薦状があり、アレス自身が必要と判断したことから止めなかった。実戦試験とバルガスとの交渉を目の当たりにし、以前は恐れていた「いつか仕える主」を、今では一生をかけて支えたいと思うようになる。
アレスが冒険者登録した夜には使用人たちへアレスの試験を熱弁した。真面目で優秀だが、アレスを語り始めると止まらない。父ガレスから「聞かれたことだけに答えろ」と釘を刺されても、感激を抑えきれないままである。
【ロイド】
三十四歳。両親から受け継いだ武器屋を営む商人。
《算術》を持ち、正しい数字を伝えられる実務家。主となったアレスの機嫌を取るためではなく、傷物の武具はそのままではくず鉄程度にしかならず、一か月分の食費にも届かないと正直に報告した。
アレスの《再生》で新品以上の強度と使いやすさを得た剣を目にすると、驚きに立ち尽くすだけではなく、値段、売り先、利益までをすぐに考え始める。使い古しを新品と偽らず、再生品として販売する。一本ごとに店の印を入れ、取引を帳面へ残し、不具合があれば買い戻す。一度の高値よりも信用を積み上げる売り方を提案した。
売上げを仕入れ、店の維持費、十人の食費と給金、被害者への返済、そして次の仕入れへ分ける仕組みを作る。両親から受け継いだ店を、人を守り、傷つけた相手へ償い続ける店として立て直すことを誓う。
【バルガス・ロウ】
五十歳前後。領都の冒険者ギルド支部でギルド長を務める大柄な男。
短く刈った灰色の髪と太い首を持ち、左耳の上からあごへかけて大きな傷が走っている。貴族の子息であるアレスを特別扱いせず、知識、判断力、実戦能力の三つを厳しく確かめた。Cランクには、自分の命だけでなく、下位冒険者や依頼人の命を守る判断が必要だと考えている。
アレスの実力を認めながらも、年齢と経験の少なさ、領民の尊敬を集めるガレスの子息であることを考え、当初はDランク登録を提案した。しかし、アレスが示した安全策と責任を受け入れ、条件付きのCランク登録を認める。強さだけでなく、交渉で信頼を築き、その後の行動に責任を持たせる人物である。
【グラント】
四十歳ほど。元Bランク冒険者。五年前に左膝を痛め、前線を退いている。
騎士団長ダリオと同じくらいの長身と、丸太のような両腕を持つ大男。現役時代は幅広の大剣を使い、引退後も一般のCランク冒険者では相手にならない実力を保っている。
特別試験の実戦相手として、刃を潰した長剣でアレスと対戦。遠慮を捨てて踏み込むが、自分が剣を振るった勢いを利用され、受け身さえ取れないまま地面へ投げられた。開始から三呼吸も経たずに完敗する。
年齢や身分を言い訳にせず、アレスの実力を素直に認めた。身体能力だけならBランクへ届くかどうかだが、技術と戦闘判断は、自分が現役だったころに出会ったAランク冒険者以上だと評価する。
【ミレイ】
三十歳前後に見える、茶髪の女性。領都の冒険者ギルドで受付主任を務めている。
アークハルト家の馬車で現れたアレスたちを前にしても必要以上に慌てず、十五歳以下の登録に必要な同意書や、特別試験の受験資格を正確に確認した。素手で戦うと記入した十二歳の少年へ戸惑いながらも、貴族の子息としてではなく、規則に従って一人の登録希望者として対応する。
試験と交渉が終わると、バルガスの決定に従い、アレスを条件付きのCランク冒険者として登録。その手で、王国最年少のCランク冒険者証を渡した。
【ダリオ・ローデン】
アークハルト家騎士団長。寡黙で、事実と責任を重んじる人物。
アレスの戦闘能力を正しく記した推薦状を作成。「現役騎士を二人同時に倒した」という事実を控えめに書けと言われても、一人と書けばうそになると譲らない。その結果、特別試験の受験資格を開くことになった。
魔の森の浅層にいる魔物の知識を確かめた際には、名や素材の暗記だけでなく、警戒すべき危険と異変の兆候まで理解しているアレスへ感心する。ガレスにあきれられながらも、評価すべきことを正面から評価する騎士である。
【オルド】
アークハルト家の執事長。高齢の老執事で、トーマを後継者として導いている。
礼儀作法、歴史、法、領主としての心得を教え、知識を領民のために使おうとするアレスの成長を誰よりも喜んでいる。父ガレスのマジックバッグについても、先代当主と初めて魔の森の奥へ入った時から使われてきた品だと知っている。
トーマが特別試験の様子を語った夜には、強さ以上に、異なる立場の相手と対話し、互いに納得できる条件へまとめた力を評価する。アレスがどれほど速く進んでも、帰ってこられる場所を変わらず守ることが、屋敷で働く者たちの務めだと語る。
【ベッツたち元盗賊団の七人】
ベッツ、ミラ、ドラン、ラグ、マーク、ノル、ハイムの七人。第三章でニーナの誘拐に関わり、アレスと主従契約を結んだ。
アレスによって、折られた骨や火傷などを一つ残らず治される。前日は死への恐怖から主と認めたが、敌だった自分たちの傷まで治し、働いて償う道を残した姿を見て、今度は自分たちの意思で膝をついた。
アレスから、忠誠を祈りや言葉ではなく、仕事の結果で示すよう求められる。石切り場の整備、傷物の武具の運搬、護衛のための訓練に取り組み、人を傷つけるために使った力を、人を守る力へ変え始める。
【エマ】
アークハルト家の侍女長であり、ニーナの叔母。年齢はこの章では明かされていない。
使用人だけでなくアレスにも厳しく、鑑定の儀式の日には、言葉だけでは信用せず、その後の行動で判断すると告げていた。一か月余り、欠かさず訓練と学びを続け、使用人や家族を大切にし、ニーナが自分の考えを言えるようになるまで向き合ったアレスを見届ける。
その結果、「今のアレス様を信じる」と自分の意思で認めた。冒険者として出かけるアレスのため、動きを妨げず、枝やとげで簡単には破れない衣服や雨除けのマントを用意する役目を担う。
【ハンナ】
アークハルト家の料理長。がっしりした身体と大きな手、太いまゆを持つ、頼れる料理人。
トーマの報告を聞き、試験を止めたくなるほど恐れながらもアレスを信じたニーナの成長を喜ぶ。アレスが冒険者として十分に動けるよう、携帯食と帰還後の食事をニーナと共に整えることを決める。
強くなるために食事を残さないアレスを、「作っただけの喜びがある」と評価。前章から続き、温かい食事で人の心と身体を支える人物である。
【エド】
アークハルト家の家付き治癒師。眼鏡をかけた、普段は物静かな人物。
冒険者として魔の森へ入るアレスのため、傷薬と解毒薬を用意することを申し出る。アレスがけがを隠す可能性まで見抜き、森から戻った日には必ず診察を受けさせると宣言。治療のことになれば、十二歳のアレスが相手でも一歩も引かない。
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https://ncode\.syosetu\.com/n7268mo/1/
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