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「そもそも、スカルはなんの武器を使っているんだ?」
「私は短剣です。この方が逃げやすいので」
「短剣だとあまりダメージは与えられないだろ。スタミナには自信があるのか?」
「いや、ないです。でも、これ以外に使えそうな武器もなかったので」
二人は街の外にやってきていた。
話をしていた通り、稽古のためだ。
その上で、まずはスカルの武器を知ろうとしたフラン。
しかしここで問題がある。
フランは短剣という武器の強みも弱みもそこまで詳しくない。
なので、正直に言えば、何も教えられることなどなかった。
本人もそれはわかっていた。が、ここですぐに去ってしまうというのも酷いと思ったので、なんとかスカルの身になるようなことを考える。
「その武器にはこだわりがあるのか?まあ、俺はあんまりわからないが」
「こだわりはないです」
「そもそも、憧れのハンターとはなんなんだ?その人物が短剣を使っていたというわけでもなさそうだし、まあ、そもそも俺は武器の善し悪しなんてわからないところもあるが」
「助けてくれたんです。まだ小さかった私のことを。だから、私もハンターになりたいと思って」
「そうか。まあ、人の夢に口を出すことはない」
「何か言いたげですね?もしかして、『憧れた結果、スカベンジャーなんてやってたら意味ないだろ?』とかですか?それはそうかもしれないですけど、どう生きたって私の自由じゃないですか?」
「別にそこまでは言ってないだろ。それに、スカルの自由なのは間違いない」
フランは少しだけリバタリアンだった。
だからこそ、ヒラールのことを肯定するのである。
別に、みんな自由に生きていればいいと思っていた。
自分の身は自分で守らなければならないのだ。
そんなことを思っているとはいえ、自分の責任でハンターが殺されることになったら、それは嫌なのである。なので、スカルに対するアドバイスをどうすればいいのか、わからないのだった。
もはや、どうすることもできなくなってしまった。
なので、アドバイスは諦めて正直に話すことにした。
元々話していたことだが、もっとちゃんと話すことにした。
「すまない。やっぱり、俺には他の武器の扱い方が全くわからない。俺はピストルしか使ったことがないんだ。だから、短剣使いに対して、どんなアドバイスをすればいいのかわからない」
「そうなんですね。でも、私としてはこんな機会無駄にするわけにもいかないんですよ。どうにかして上達しないと」
「俺から教えられることなんて何一つないぞ?それでもいいのか?」
「じゃあ、ちょっと、遠くから見守っていてください。そうしたら、私も安心して狩りができるので」
「まあ、それならいいか」
というわけで、二人はモンスターを狩ることになった。
あくまでもそれをやるのはスカルがメインとなる。
ピストルは遠距離武器なので彼女のことを救おうとしたらいくらでも救える。だから、その提案に乗ることにしてフラン。
空は晴れていて、視界も良好だった。
空には飛んでいるドラゴンもいたが、さすがにドラゴンと戦えるほどの実力はスカルにはない。何かちょうどいい標的はいないかと探していると、そこに小さなブラッドザウルスという恐竜のようなモンスターがいた。
痩せこけた牛のような大きさをしたブラッドザウルス。
そんな彼を見て、フランは少し嫌な顔をした。
「アレぐらいならちょうどいいんじゃないか?まあ、ちょっと問題もあるが」
「問題?問題ってなんですか?」
「俺は大きなモンスターの方が得意なんだ。なぜなら、大きなモンスターなら簡単に弾を当てることができるからな。しかし、アレくらいの大きさのモンスターは少し苦手だ」
「それって、大丈夫なんですよね?助けてくれますよね?」
「まあ、おそらく。最悪肉弾戦でなんとかするよ」
「そっちも得意なんですね」
「得意ではないが、できないこともない。二人がかりならなんとでもなるだろ」
二人が話をしていると、ブラッドザウルスがどこかへ去ろうとした。
なので、フランはピストルをバンッと発泡する。
そうすると、それによってブラッドザウルスが二人に気付いた。
敵意を向けられていることに気付いて、臨戦態勢に入る。
フランはスカルの背後に回る。
そのフランの様子を気にしながらも、ブラッドザウルスと向き合うスカル。
二人は目の前のモンスターをどうにかして倒そうとしていた。
「いやあー!本当に久しぶりなんです!生きたモンスターと戦うのは!大丈夫ですかね!?」
「そんなに緊張していては大丈夫なものも大丈夫ではなくなるだろ。なんでもいいからとりあえずリラックスしろ」
「わかりました!師匠!困った時はよろしくお願いします!」
「まあ、回復くらいならできるはずだからな。思いっきりぶつかってくればいい。そうしたら、何か掴めるかもしれない」
フランは、自分が引き受けたことが思ったよりも面倒であることに気付いた。しかし、それでも、やらなければならないのでやることにした。
そういうものなのだから仕方がないと思って、それを引き受けた。




