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世渡りと人外と世界の管理人  作者: 雨傘葵
プロローグ
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プロローグ

これは     と言われるお話です。


『あるところに三人の神様がいました。

神様達は六つの世界を創り上げました。

白い神様は乾いた世界と魔術の世界を。

青い神様は海だらけな世界と魔法が無い世界を。

黒い神様は機械と魔女がいる世界と異なる世界を。

彼らは荒廃した世界に住んでいました。


創り上げた世界ではたまに亀裂が入って繋がってしまう時があります。

そんな時のために神様達は人間の中から管理人を2人づつ選び出し、世界の亀裂を修復させるよう命じました。



中略



『ああ、古き良き友よ、なぜそんな国に仕えている?

捨ててしまえばよいものを


ああ、親愛なる友よ

この国には家族がいるのだ。子供の頃からの友人がいる。

捨ててしまえば彼らがどんな目に遭うかわからない。

私だけ逃げる訳にはいかないんだ』


これは有名なオペラの一部です。これもまたサルデア地方の話から取られています。元は


『エアセーヌ、なぜ未だにそんな国に仕えている? 終わりなど見えているだろう。捨ててしまえばいいのに


キドゥーシュ、仕方がないだろう。家族が、友人が、いまだこの国にいるんだ。私が捨ててしまえば彼らがどんな目に遭うかわからない。とても逃げる訳にはいかないだろう?』


という文です。

このお話は友情と愛情と悲劇であることからオペラとして編纂されました。



中略



『ある時、人間達が神様達を襲い、殺してしまったのです。

神様達は別のものに生まれ変わるしかありませんでした。

しばらく経つと徐々に、徐々に世界が壊れていきました。

「このままでは世界が無くなってしまう!」

そう思った人間がいました。

彼はひとり壊れる原因を背負う生贄となってしまいました』

                  サルデア地方口頭伝承集Ⅱ より引用



私はこの話で気になることがあったのです。

「神様」というよりも「強すぎる人間」が造ったように思うのです。なぜなら、わざわざ亀裂が入ってしまう世界を創らずに完全な世界を創ることもできたはずです。



では、神様はどこから来たのか?



話の中で出てきた荒廃した世界とすると辻褄が合います。

例えば、暮らしている場所。別に他の世界でもいい訳ですし、なんなら新しい場所を作り出せばいいはずです。なのにずっと住み続けている。ならば、愛着を持っているからこそ離れがたく、結果住み続けていると考えられます。そしてその中では

「荒廃した世界では空は裂け、地面は割れ、地平線、水平線は白いモヤとなり、建物は廃墟と化し、人がいたであろう場所にはただ、灰の山が残るばかり」

と出ていることからも予想できます。



ならば、出てくる生贄となった人は誰か?



おそらく神様を殺した側の神様の友人であると考えられます。

第二章で紹介した戦争の話で「黒い神様と仲の良い人間」が悪魔に惑わされたという話がありました。その話と合わせると


「黒い神様と仲の良い人間」と「その共通の友人」は世界が壊れる原因を知っていた。

その人間がいた国は神様を利用しようとした。

それを見抜いた神様達と止めようとした国があった。

止めようとした国とその人間がいた国は戦争になった。

しかし、神様達は殺されてしまった。

神殺しの代償を払わされ、その人間のいた国は渋々同意させられていた人間以外が消滅

それでも足りず、代償を払う先が無くなった。

なので適任者とされた「黒い神様と仲のよかった人間」に払わせることにした。

そして彼は生贄となった。


ということが想像できます。



中略



サルデア地方の昔話は集めるとストーリー性が生まれ、聞いているだけでも楽しく、歌にもなり、考察されやすいなどということで広く伝わっているのではないかと私は考えます。


           「サルデア地方の昔話はなぜ広く伝わっているのか」より

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