連想歌:乱立変数2:ヒーロー:東&瀬戸
66部で選択したkeyは、以降のストーリーにおいて、「流れ」に応じて顔が変化しますので、お楽しみに。
あと、ここでは66部で選択したkeyに応じて、物語を読み進めて下さい。ここでは、A-1とA-2という二つのお話がそれに該当します。
66部で選択したkeyに応じて読み進めて下さい。
連想歌:乱立変数2:ヒーロー:東&瀬戸
A-1 key : 東利也
瀬戸は、「ハッピーエンドはあり得ないんだって」と俺に告げた。
後に、「占い師の受け売りだけど」とも、付け加えて……
「ハッピーエンドって、お前……なにそれ? それに、なんで俺のことがそこで出てくるんだよ……ええっと、その占い師の竹山さんだっけか? その人との間で、何があったわけ?」
テーブル越しに俺を見る瀬戸の目は、至って真剣だ。いつものおちゃらけた様子もない。
でも、話の内容はぶっ飛んでる。それは、M4の連中の愚行が可愛く思えるくらいにな。
「べつに、何があったってことはないよ。ただ私は、竹山さんにヒーローの居場所を聞き出しただけ。
で、そんときにたまたまあんたの名前が出たのよ。そんときに、ハッピーエンドはあり得ないって教えてもらった」
ジュースをちゅーちゅー吸いながら答える瀬戸に、俺は今一度頭を抱えたくなったが、なんとか堪えた。そして、問い返した。
バカにしてんのか?ーーーと。
そんな俺を呆れ眼で見つめ、瀬戸は小さくため息をついた。「どうせそうくると思いましたよ」と呟くと、そっぽを向いてしまった。
……いや、俺は悪くないだろう。
「この世界は、六年後に滅びるんだってさ。このことは家の学長も知ってるっぽい。んで、私は学長のサポートとして、世界を救うヒーローさんの探索ってのを、バイトでやってるわけ。人目を忍んでね。
ちなみに、ただ働きなんよ、わたし。偉いでしょ?」
そっぽを向いたまま、瀬戸はいつもの調子で、話を続けた。けれど、顔は全然笑ってない。
いたって真剣なまなざしのまま、虚空を見つめていた。
「おまえ、さっきから何言ってんの? 世界が滅ぶとか、それを救うヒーローとかさ……
しかも、学長がなんだって? 頼むから、ちゃんと真面目に……」
「『ちゃんと真面目』になんて変な日本語、特待生として使って言い訳?
東君ってさ、そもそも、その特待生がなんであるかなんてこと、これまで本気で考えたことあった?
特待生が免除される学費の全額と、それを許す意味……分かってるでしょう? それに加えて、気位の高い人間の巣窟に孤児を入れることの難しさ。
それらすべてが、貴方への「投資」なの。まさか本気で、学園の体裁の為に入学させてもらってると思ってた?そんなわけ、ないよね?
あの人は、自らの判断で、貴方に投資したの。未来のヒーローに。世界の救い手と成り得るヒーローの原石に、そのための資格と力を引き渡す為に、あの人は……」
俺の言葉を途中で断ち切って、まくしたてるように瀬戸は言った。そして、視線を俺に戻し、さらに口を開く。
「今の東君見て、確信した。東君、本格的にコッチに足を突っ込んだんだね。こんな電波な話、本来なら鼻で笑われてオシマイが正道だもん。
だけど、東君……笑えてないよ? 逆に、コッチが心配しちゃうくらいに、マジ過ぎ」
上から目線の瀬戸ってのは、かなり珍しい。
けれど、そんな中にも、やっぱり瀬戸らしさってのは在る。
「知ってること、教えてくれないか? なんでもいいから、教えてくれ」
たぶん俺は、無理だろうと思いながらも、口にしてみた。らしくないけど、俺も下手に出てみたんだ。
そして、返ってきた結果は予想した通りのものだった。
「今話したことが、私の出来る限り。たぶん、これ以上はダメだと思う。竹山さんにも、「ほっとけ」って言われてたのに、私……ごめん、テキトウで。こんなんじゃ、よけいこんがらがるだけだよね……」
テーブルに突っ伏して、頭をゴンゴンとやりだす瀬戸。いつも何かと半端なやつだが、今回はことがことだ。俺がヒーローであるかどうかなんて、どうでもいい。それこそ、六年後に世界が滅ぶなんて言われても、ピンと来ない。けれど。
「ハッピーエンドはあり得ないって、どういうことだよ? なあ、それだけでも良いから教えてくれ!瀬戸、おまえ、何を聞いたんだよ、あの占い師のたまり場でさ!」
けれど、心にとげのように引っかかった「その結末」だけは、見過ごせなかった。あの館に居た連中はたぶん、「本物」だ。実際、俺があった占い師だって、占い師としては偽物だったけれど、魔術師としては「本物」だったーーーと、感じている。
だから、見過ごすことは出来なかった。瀬戸の言う結末は、どうしても「あいつ」のことを暗示しているように思えて、聞き流すことなんて、出来るはずもなかったのに……
けれど、変なところで頑固な瀬戸は、最後まで口を割らなかった。ただただ、「ごめん」を繰り返すばかりで、結局俺は、何も聞き出せずに、瀬戸と別れた。
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連想歌:乱立変数2:ヒーロー:東&瀬戸
A-2 key : 瀬戸神流
―――私は結局、「私の知る唯一」を東君に伝えないことにした。ハッピーエンドにならない物語なんて、在る分けがない。例え、竹山さんが本物の未来視の担い手だとしても、間違えることだってあるはず。
それに、仮にそんな未来がこの先に彼を待ち受けていたとしても……
「なんにも、知らない。でも、それで良いと思う。たぶん、何とかなるから。だって、東君はヒーローなんだからさ? でしょ?」
ジュースをちゅーちゅー吸いながら、私は頭を抱えたまま動かない東君に、言ってみた。そして、問い返えされた。
バカにしてんのか?ーーーと。
そんなふうに呆れ眼を顔に貼付けて、彼は小さくため息をついた。そして、「どうせそうくると思いましたよ」と呟くと、そっぽを向いてしまった。
……いや、私は悪くないでしょう?
「私基本テキトウだけど、大事なことはちゃんとするよ?東君はヒーローで、だから大丈夫なんだよ。
てか、そこは気張んなさいよ。男でしょ?」
そっぽむいたまま、彼はもう一度ため息。そして、疲れる〜っといって、再びテーブルに突っ伏してしまった。
「この世界は、六年後に滅びるんだってさ。このことは家の学長も知ってるっぽい。んで、私は学長のサポートとして、世界を救うヒーローさんの探索ってのを、バイトでやってるわけ。人目を忍んでね。
ちなみに、ただ働きなんよ、わたし。偉いでしょ?」
そっぽを向いたまま、彼は私の話を聞き続けている。けれど、顔は全然笑ってない。
いたって真剣なまなざしのまま、虚空を見つめていた。
「おまえ、さっきから何言ってんの? 世界が滅ぶとか、それを救うヒーローとかさ……
しかも、学長がなんだって? 頼むから、ちゃんと真面目に……」
よし、食いついた。シカトはさすがにキツいけど、ここからなら私のペースに持っていける!
「『ちゃんと真面目』になんて変な日本語、特待生として使って言い訳?
東君ってさ、そもそも、その特待生がなんであるかなんてこと、これまで本気で考えたことあった?
特待生が免除される学費の全額と、それを許す意味……分かってるでしょう? それに加えて、気位の高い人間の巣窟に孤児を入れることの難しさ。
それらすべてが、貴方への「投資」なの。まさか本気で、学園の体裁の為に入学させてもらってると思ってた?そんなわけ、ないよね?
あの人は、自らの判断で、貴方に投資したの。未来のヒーローに。世界の救い手と成り得るヒーローの原石に、そのための資格と力を引き渡す為に、あの人は……」
彼の言葉を途中で断ち切って、まくしたてるように私は言った。あまりにも突然私が喚きだした為か、危機意識の低い日本人代表の彼も思わず顔を上げ、私に視線を戻した。
そして、しばらくの逡巡後、口を開く。
「今のお前見て、確信した。お前、本格的にネジ飛んだな。そんな電波な話、罰ゲームでも言えないって。おまえ、笑えないよ?コッチが心配しちゃうくらいに、マジ過ぎ……」
上から目線の東君ってのは、かなり珍しい。
けれど、そんな中にも、やっぱり彼らしさってのは在る。
「なら、今この時に限っては、電波娘の電波発現は忘れて。んで、今抱え込んでることを解決したら、それを思い出して、信じて。あなたが今回のことを乗り越えたら、次から私、東君のことヒーロー2号って呼ぶから!」
たぶん私は、無理だろうと思いながらも、口にしてみた。らしくないけど、私も無理矢理テンションで上げてごり押ししてみたんだ。
そして、返ってきた結果は予想した通りのものだった。
「わけわかんねぇ……マジで、お前大丈夫か?」
彼は、ほんとに心配そうに、私に痛々しい視線を投げ掛ける。そして、ちょっと冷えてきたからかもなと、まるで私が夜風に当たるとネジが飛ぶようなーーーそんな電波な設定まで持ち出す始末。
……私もさすがに恥ずかしくなった。
テーブルに突っ伏して、頭をゴンゴンとやりだす。いつも何かと半端な私だけど、今回は酷すぎる気がした。
なんか、此処まで来ると、彼がヒーローであるかどうかなんて、どうでもいい。それこそ、六年後に世界が滅ぶなんて言われても、なんか嘘なんじゃないかと、自分でも考えてしまう。
「ねぇ、最後にさ、これだけは言わせてほしいんだけど……・」
けれど、心にとげのように引っかかった「あの結末」だけは、見過ごせなかった。あの館に居た人たちはたぶん、「本物」ばかりだ。実際、竹山さんだって、人となりはあれだったけれど、占い師としては「本物」だったーーーと、感じている。
だから、私はこのモヤモヤした気持ちのすべてを込めて、東君に伝えた。
「とにもかくにも頑張って」とーーー
彼は、ただただ、「なんなんだよ」を繰り返すばかり。
それからしばらくまたグダグダして、私たちは別れた。
これが、結局私の限界だったんだと思う。私は、私が彼に伝えたかったことの2割も伝えきれずに東君と別れてしまったけれど、それはそれだ。
だって、事がなんであろうと、結局は彼次第、なんだから……
当初マルチ予定だったものをめんどくてハッピーエンドのみして、とちゅうでさらにハッピーエンドだけじゃ無理だと気づき、マルチに戻る。
正直、心折れそうです。




