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無限想歌  作者: blue birds
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61/145

連想歌:乱立変数2:ヒーロー:東&瀬戸

 66部で選択したkeyは、以降のストーリーにおいて、「流れ」に応じて顔が変化しますので、お楽しみに。



 あと、ここでは66部で選択したkeyに応じて、物語を読み進めて下さい。ここでは、A-1とA-2という二つのお話がそれに該当します。

66部で選択したkeyに応じて読み進めて下さい。




連想歌:乱立変数2:ヒーロー:東&瀬戸


A-1 key : 東利也





 瀬戸は、「ハッピーエンドはあり得ないんだって」と俺に告げた。

 後に、「占い師の受け売りだけど」とも、付け加えて……




「ハッピーエンドって、お前……なにそれ? それに、なんで俺のことがそこで出てくるんだよ……ええっと、その占い師の竹山さんだっけか? その人との間で、何があったわけ?」



 テーブル越しに俺を見る瀬戸の目は、至って真剣だ。いつものおちゃらけた様子もない。

 でも、話の内容はぶっ飛んでる。それは、M4の連中の愚行が可愛く思えるくらいにな。



「べつに、何があったってことはないよ。ただ私は、竹山さんにヒーローの居場所を聞き出しただけ。

で、そんときにたまたまあんたの名前が出たのよ。そんときに、ハッピーエンドはあり得ないって教えてもらった」



 ジュースをちゅーちゅー吸いながら答える瀬戸に、俺は今一度頭を抱えたくなったが、なんとか堪えた。そして、問い返した。

 バカにしてんのか?ーーーと。


 そんな俺を呆れ眼で見つめ、瀬戸は小さくため息をついた。「どうせそうくると思いましたよ」と呟くと、そっぽを向いてしまった。

 ……いや、俺は悪くないだろう。


「この世界は、六年後に滅びるんだってさ。このことは家の学長も知ってるっぽい。んで、私は学長のサポートとして、世界を救うヒーローさんの探索ってのを、バイトでやってるわけ。人目を忍んでね。

 ちなみに、ただ働きなんよ、わたし。偉いでしょ?」



 そっぽを向いたまま、瀬戸はいつもの調子で、話を続けた。けれど、顔は全然笑ってない。

 いたって真剣なまなざしのまま、虚空を見つめていた。



「おまえ、さっきから何言ってんの? 世界が滅ぶとか、それを救うヒーローとかさ……

しかも、学長がなんだって? 頼むから、ちゃんと真面目に……」



「『ちゃんと真面目』になんて変な日本語、特待生として使って言い訳?

 東君ってさ、そもそも、その特待生がなんであるかなんてこと、これまで本気で考えたことあった? 

 特待生が免除される学費の全額と、それを許す意味……分かってるでしょう? それに加えて、気位の高い人間の巣窟に孤児を入れることの難しさ。

 それらすべてが、貴方への「投資」なの。まさか本気で、学園の体裁の為に入学させてもらってると思ってた?そんなわけ、ないよね?

 あの人は、自らの判断で、貴方に投資したの。未来のヒーローに。世界の救い手と成り得るヒーローの原石に、そのための資格と力を引き渡す為に、あの人は……」




 俺の言葉を途中で断ち切って、まくしたてるように瀬戸は言った。そして、視線を俺に戻し、さらに口を開く。




「今の東君見て、確信した。東君、本格的にコッチに足を突っ込んだんだね。こんな電波な話、本来なら鼻で笑われてオシマイが正道だもん。

 だけど、東君……笑えてないよ? 逆に、コッチが心配しちゃうくらいに、マジ過ぎ」



 上から目線の瀬戸ってのは、かなり珍しい。

 けれど、そんな中にも、やっぱり瀬戸らしさってのは在る。


「知ってること、教えてくれないか? なんでもいいから、教えてくれ」




 たぶん俺は、無理だろうと思いながらも、口にしてみた。らしくないけど、俺も下手に出てみたんだ。

 そして、返ってきた結果は予想した通りのものだった。




「今話したことが、私の出来る限り。たぶん、これ以上はダメだと思う。竹山さんにも、「ほっとけ」って言われてたのに、私……ごめん、テキトウで。こんなんじゃ、よけいこんがらがるだけだよね……」


 

 

 テーブルに突っ伏して、頭をゴンゴンとやりだす瀬戸。いつも何かと半端なやつだが、今回はことがことだ。俺がヒーローであるかどうかなんて、どうでもいい。それこそ、六年後に世界が滅ぶなんて言われても、ピンと来ない。けれど。



「ハッピーエンドはあり得ないって、どういうことだよ? なあ、それだけでも良いから教えてくれ!瀬戸、おまえ、何を聞いたんだよ、あの占い師のたまり場でさ!」




 けれど、心にとげのように引っかかった「その結末」だけは、見過ごせなかった。あの館に居た連中はたぶん、「本物」だ。実際、俺があった占い師だって、占い師としては偽物だったけれど、魔術師としては「本物」だったーーーと、感じている。



 だから、見過ごすことは出来なかった。瀬戸の言う結末は、どうしても「あいつ」のことを暗示しているように思えて、聞き流すことなんて、出来るはずもなかったのに……









 けれど、変なところで頑固な瀬戸は、最後まで口を割らなかった。ただただ、「ごめん」を繰り返すばかりで、結局俺は、何も聞き出せずに、瀬戸と別れた。









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連想歌:乱立変数2:ヒーロー:東&瀬戸


A-2 key : 瀬戸神流



―――私は結局、「私の知る唯一」を東君に伝えないことにした。ハッピーエンドにならない物語なんて、在る分けがない。例え、竹山さんが本物の未来視の担い手だとしても、間違えることだってあるはず。

 それに、仮にそんな未来がこの先に彼を待ち受けていたとしても……



「なんにも、知らない。でも、それで良いと思う。たぶん、何とかなるから。だって、東君はヒーローなんだからさ? でしょ?」



 ジュースをちゅーちゅー吸いながら、私は頭を抱えたまま動かない東君に、言ってみた。そして、問い返えされた。

 バカにしてんのか?ーーーと。


 そんなふうに呆れ眼を顔に貼付けて、彼は小さくため息をついた。そして、「どうせそうくると思いましたよ」と呟くと、そっぽを向いてしまった。

 ……いや、私は悪くないでしょう?


「私基本テキトウだけど、大事なことはちゃんとするよ?東君はヒーローで、だから大丈夫なんだよ。

てか、そこは気張んなさいよ。男でしょ?」




 そっぽむいたまま、彼はもう一度ため息。そして、疲れる〜っといって、再びテーブルに突っ伏してしまった。




「この世界は、六年後に滅びるんだってさ。このことは家の学長も知ってるっぽい。んで、私は学長のサポートとして、世界を救うヒーローさんの探索ってのを、バイトでやってるわけ。人目を忍んでね。

 ちなみに、ただ働きなんよ、わたし。偉いでしょ?」



 そっぽを向いたまま、彼は私の話を聞き続けている。けれど、顔は全然笑ってない。

 いたって真剣なまなざしのまま、虚空を見つめていた。



「おまえ、さっきから何言ってんの? 世界が滅ぶとか、それを救うヒーローとかさ……

しかも、学長がなんだって? 頼むから、ちゃんと真面目に……」




 よし、食いついた。シカトはさすがにキツいけど、ここからなら私のペースに持っていける!



「『ちゃんと真面目』になんて変な日本語、特待生として使って言い訳?

 東君ってさ、そもそも、その特待生がなんであるかなんてこと、これまで本気で考えたことあった? 

 特待生が免除される学費の全額と、それを許す意味……分かってるでしょう? それに加えて、気位の高い人間の巣窟に孤児を入れることの難しさ。

 それらすべてが、貴方への「投資」なの。まさか本気で、学園の体裁の為に入学させてもらってると思ってた?そんなわけ、ないよね?

 あの人は、自らの判断で、貴方に投資したの。未来のヒーローに。世界の救い手と成り得るヒーローの原石に、そのための資格と力を引き渡す為に、あの人は……」




 彼の言葉を途中で断ち切って、まくしたてるように私は言った。あまりにも突然私が喚きだした為か、危機意識の低い日本人代表の彼も思わず顔を上げ、私に視線を戻した。


 そして、しばらくの逡巡後、口を開く。




「今のお前見て、確信した。お前、本格的にネジ飛んだな。そんな電波な話、罰ゲームでも言えないって。おまえ、笑えないよ?コッチが心配しちゃうくらいに、マジ過ぎ……」



 上から目線の東君ってのは、かなり珍しい。

 けれど、そんな中にも、やっぱり彼らしさってのは在る。


「なら、今この時に限っては、電波娘の電波発現は忘れて。んで、今抱え込んでることを解決したら、それを思い出して、信じて。あなたが今回のことを乗り越えたら、次から私、東君のことヒーロー2号って呼ぶから!」




 たぶん私は、無理だろうと思いながらも、口にしてみた。らしくないけど、私も無理矢理テンションで上げてごり押ししてみたんだ。

 そして、返ってきた結果は予想した通りのものだった。




「わけわかんねぇ……マジで、お前大丈夫か?」

 

 彼は、ほんとに心配そうに、私に痛々しい視線を投げ掛ける。そして、ちょっと冷えてきたからかもなと、まるで私が夜風に当たるとネジが飛ぶようなーーーそんな電波な設定まで持ち出す始末。



 ……私もさすがに恥ずかしくなった。

 テーブルに突っ伏して、頭をゴンゴンとやりだす。いつも何かと半端な私だけど、今回は酷すぎる気がした。

 なんか、此処まで来ると、彼がヒーローであるかどうかなんて、どうでもいい。それこそ、六年後に世界が滅ぶなんて言われても、なんか嘘なんじゃないかと、自分でも考えてしまう。



「ねぇ、最後にさ、これだけは言わせてほしいんだけど……・」




 けれど、心にとげのように引っかかった「あの結末」だけは、見過ごせなかった。あの館に居た人たちはたぶん、「本物」ばかりだ。実際、竹山さんだって、人となりはあれだったけれど、占い師としては「本物」だったーーーと、感じている。



 だから、私はこのモヤモヤした気持ちのすべてを込めて、東君に伝えた。


「とにもかくにも頑張って」とーーー




 彼は、ただただ、「なんなんだよ」を繰り返すばかり。

 それからしばらくまたグダグダして、私たちは別れた。




 これが、結局私の限界だったんだと思う。私は、私が彼に伝えたかったことの2割も伝えきれずに東君と別れてしまったけれど、それはそれだ。



 だって、事がなんであろうと、結局は彼次第、なんだから……




 当初マルチ予定だったものをめんどくてハッピーエンドのみして、とちゅうでさらにハッピーエンドだけじゃ無理だと気づき、マルチに戻る。



 正直、心折れそうです。

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