表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無限想歌  作者: blue birds
PR
56/145

gold gate - 伊吹由香-世界を変える力1


栞&燈火が立てた「悲劇を回避するプラン」に、変数である、伊吹由香が入力されました。


2人はまだ、このことは知りません。

gold gate-目指すべき場所-存在確率0%の世界群



その時少女は、自身の携帯に11桁の番号を入力した。


彼女が入力した数列は携帯というデバイスを介して、彼女の友人とその少女を結びつけるのだがーーーそれは、当たり前の話である。



しかし、たった11桁にしか及ばないはずの、その数値は、

世界という巨視的な観点からすればーーーその存在確率の90%を削り取る程の、大きな変数でもあった。





ーーーー少女が、11桁の数字を入力する。

たったそれだけのことで、世界は劇的にその進行方向を変えた。




現世界の存在確率は、10%である。故に、残りは10%だ。

その10%を削り取ることが出来れば、世界は存在確率0%の世界群へと。



すなわち、「揺らぎの世界へ」と、到達する。







連想歌:伊吹由香ー選択1




『電波が届かない所に居られるか、電源が入っていないため、お繋ぎできません。

おかけになった電話番号はーーー』





 受話器越しに聞こえる、事務的で機械的な声。それは私が聞きたかった声ではない。



(電波は、届くはずだし、電池切れの可能性もあるけど、でも、やっぱり……)




 先ほど、利也と同じ修学旅行先の加奈子に電話をかけた時は、問題なく繋がった。そして、利也が大変なことになってることも、少なからず耳にした……全部、私のせいなんだろうけれど。



 でも、加奈子の話だと、今のところ利也は同じ宿に居るとのこと。ならば、電波の方は問題じゃないはず。場所によっては入りにくいこともあるだろうけれど、先ほどから時間をあけて何度か電話しているのだから、どれか一回くらい繋がっても良いはずーーーと、考えていたら。



『たしか、東君の携帯って壊れてるって話聞いてます。

なんだか、昨日キヨがへし折っちゃったらしいです。ほんとかどうかは分かりませんが、でも本当なら、そうなった理由は、何となく分かりますけど……ね』




 そんなふうに、言われてしまった。

 携帯壊されなきゃいけない正当な理由っていうのはかなり気になるけど、そこは、聞かなかった。

 おしゃべりの加奈子が言いよどむってことは、あんまり無いことだったから。





(どうしよう……どうしても、今日話したかったんだけどな……)






 携帯を握りしめながら、私は思う。なんとしても、彼と話したいと。

 利也は明日、ここに戻ってくるのだ。そしてそのとき、夢のお告げが本当ならーーー災厄が、隣に付添っているとのこと。




 

 

 ……所詮は、夢だ。

 


 銀髪の少女が語る、災厄の話も。

 そして、少女の夢とは違う、懐かしさと切なさでで満たされたーーー幸せな、夢の話も。

 


 二つの夢は、どちらも「不思議な夢」で片付けられるのかもしれなかったけれど、それで済ませては、いけない気がした。それで済ませては、きっと私はいつの日か後悔する気がしたのだ。




(……よし、彼なら)






 だから私は、キヨ君の携帯番号をプッシュした。

 少しやり過ぎかなと思うのだけれど、仕様がない。それに、加奈子の言うことを信じるなら、彼が利也の携帯を壊した張本人とのこと。


 だったら、その責を取って、取り次いでもらうくらいのことは、してもらっても良いはず。




(でも、ハードル高いな……私が利也とやっちゃったことも、広まってるみたいだし。

火に油なんてことにならなきゃ良いけど……)




 なんとなく気まずい想いを抱えながら、コール音が切れるのを待つ。

 途中、三度目のコール音で逃げ出したくなったけれど、なんとか堪えた。



 そして。




「はい、菅原です。どうしたんですか、伊吹先輩?」





 そして、電話は繋がった。向こうには、いつもの気さくなキヨ君が居てくれた。たったそれだけのことなのに、なんとなく安堵が零れ、彼のその優しさに、少しだけ感謝した。

 


「ごめんなさい、キヨ君。なんだか、私のせいでそっち大変なんでしょう?」





 まずは、差し障りの無い話。今回のことに対する謝罪と、一通りの社交辞令。

 これにキヨ君は、ごく普通の返答と対応をしてくれた。そして、キヨ君は、利也の携帯損壊の件を引き合いに出して、「これでおあいこで手を打ってください」と言ってくれた。



 心の中で私はもう一度、彼に感謝した。


 そして、私は。







「キヨ君、お願いがあるんだけど、利也に……」





 さて、これまで別個にストーリーが進んで来た2人は、ここで一度交わります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ