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無限想歌  作者: blue birds
100/145

keyB-2,3共通:歪曲する因果Q:幸せの力:伊吹 由香

もうすぐでーーー分岐!

選択の先にある未来は、二つに一つ。


自分の傷を

癒されるか、受け入れるか。

ただそれだけのために、一年くらいこの話書いてるな。

TiPs〜

時とは、変化を記述する術である。

故に、「今この時を全て」として生きるものには、何の意味も持たない。



ーーーされど。

されど、人は時とともに歩む存在である。

故に、自身に問いかけ続けるーーー自身がどこから来て、どこへ行くのかと。






……私は、思う。

きっと、人の求める、その永久の命題に、答えは無いと。それでも、不完全であったとしても、答えを導くことはできるはずだ。


そう、少しだけ視点をずらし、自身に、こう、解いてみればいい。



「なぜ自身が、「その問いの解」を欲するのか」と。

ーーーその答えこそが、きっと、そのまま「問いの解」となるのだろうから。






keyB-2,3共通:歪曲する因果Q:幸せの力:伊吹 由香





 駆けてきた女の子の、首が跳ね上げられた。

 涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながら、それでも諦めること無く必死に、ここまでたどり着いた少女はーーーーここまでだった。






 女の子の頭が、地面に落下する。

 くるくると回転しながら、地の底へと。

 ゆっくりと、落下するーーーこれが、走馬灯なのだろうか。

 



 時間は無限に引き延ばされ、少女の首は永久の落下を続ける。

 いつまでたっても、少女は落下し続ける。

 永久に永久に、久遠の園にて。




『もういい……関係ない……どうなろうと、もう、どうでもいい!!!』





 響き渡るのは、怨嗟の涙。

 私を責め立てる、必死の声。

 でも、その声に重なるように、もう一つの声が聞こえた。

 ちいさく、『たすけて』と。こぼれる涙のように、『ねぇさま』とも。



 それは、私の心を揺り動かす。

 奥底にしまわれた、大切な何かを呼び起こすーーーそれはきっと、約束とよばれるもの。

 たぶん、とてもとても遠い過去に交わした、私たちの約束。

 たぶん、私が私でなかった頃の、そして、彼女が彼女でなかった頃の約束。



 昔話で語られるくらい遠い過去に交わした、あの日の約束。

 ……ううん。ちがう。本当は、違う。



 これは、とても遠い昔に「交わされるべきだった約束」だ。

 けれど、それが叶うことは無かった。


 私が、弱すぎたから。

 私が無知で無力で、そして。





『おまえを、ころす。

ころして、私も死のう。こんどこそ、本当の意味で、私は『死』ねる』




 でも、今は違う。

 あの世界でーーー忘却の定めの中、私は得た。向こうの人たちに迷惑をかけながら、必死に。

 得ることの叶わない世界で、必死に。なぜ、自分がそれに手を伸ばすかも分からなぬままに。



 ……今なら、分かる。それは、未来のためだ。

 いつか遠い未来で、約束を交わすため。そして、それを果たすために。




 時は過去から未来へと、現在いまを介して流れてゆく。

 逆行することは、許されない。



 それでも、私は確信する。

 あのとき。




 わたしはきっと、この未来があったからこそ。

 この未来に、輪廻の果てに巡り合えると信じられたからこそ!






「私は無力じゃない。もう、無力じゃ!」





 私は、思い出した。

 この世界の対岸で、忘却の世界で。私は、その世界の力を得たんだ。

 世界の力を。そう、忘却の力を!




『あアアあああアアアああああああアアアああああああdjafdjalkfa!!!!!!!!!!!!!!!』





 強大な大蛇が、私を丸呑みにしようと襲いかかる。

 強大な、恨みの固まりが、私へと襲いかかる。でも、あれはあの娘のものじゃない。

 あの娘がーーー小羽ちゃんが、500年という孤独に耐えかねて集めてしまった、他者のそれ。




 ならば。

 ならば、それを消し去ることができるなら。

 もし、それが叶うなら。私たちは!





「っつ!」





 私は、私のすべてを感覚に投入した。

 魂に刻まれた、あの傷へと手を伸ばすために。そして、私はーーーー












<あん!? かけらじゃねぇか!>





 私はーーーー傷へと手を伸ばしていた私は、誰かの声に引き戻された。

 意識が、外へと投射される。



 ……はたして、そこには。





「へーーー?」







 そこには、見知らぬ誰かがいた。

 そのだれかも、まともなヒトじゃない。

 青白く光る、ヒトーーーなの?

 そのヒトが、小羽ちゃんの黒い蛇を受け止めていたーーー片手で。



 

 そして、「くっそ、こっちは躯捨ててきたのに、サテライトかよ……」と、嘆いている。「ヤッテも本体じゃなきゃ意味ねぇしな……」とも。

 




-----------------


アカシックレコード


key factor


ヒーロー候補 伊吹由香:忘却の御手:破棄:精魂励起の収束を確認。

精神物質の浄化能獲得に失敗しました。以下、物語を続行します。

ふむ。


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