表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒瀬部長は部下を溺愛したい  作者: 桐生桜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
27/32

CASE:27 だって、気付いてる?

「ん……やぁ、ほんとに、これ……バレちゃう……」

「……しーっ。声、我慢な」


 そう囁く慧の声が、信じられないくらい優しくて甘い。

 そのせいで莉央の理性なんて、どこかへ溶けて消えてしまう。

 そしてまた、深くて長いキス。


「んんっ! ぁ、慧さん……」

「……やばいな……莉央とのキス、クセになる……」

「っ………そんなこと言わないでください……」

「だって、気付いてる?」

「何がですか」

「さっきから俺の足に擦りつけてんの」

「えっ!?」

 

 なにが、だなんて聞けなかった。

 無意識とは言え、夢中になっていたのは事実だから。

 

「すみませんっ……!」

「いいから」

 

 離れようとする莉央を腕の中に閉じ込める。


「ほら、キスして……」

「ん、もう……っ、ん」


 離れたくない気持ちと、バレちゃいそうな緊張感で焦る気持ちがせめぎ合う。

 それでもやっぱりキスしていたい。

 しばらく夢中でお互いの唇を奪い合っていると……。


 ガチャッ、バタン!


「どうやら高木が出て行ったみたいだな」

「ですね」


 そっと押し入れをあけると、部屋は真っ暗で人の気配はなかった。


「おいで、莉央」

「ありがとうございます」


 ようやく胸いっぱいに空気が吸える。

 深呼吸をしてもやっぱりまだ莉央の頬は赤い。


「顔、まだ赤いな」

「慧さんのせいです」

「ごめん。抑えきれなくて……」


 慧は少しだけ眉を下げ、困ったように笑った。


「あの、私少し外歩いてきます」

「俺もちょうど同じこと考えてた」


 ホテルのサンダルに履き替え、静かに部屋を抜け出す。

 夜の海沿いの小道。

 風が気持ちよくて、肌寒いくらいなのに莉央の頬は、まだぽぉっと赤かった。


「……寒くない?」

「はい、大丈夫です……でも……」

「……ん?」

「思い出すたびに、恥ずかしいです……」


 莉央の言葉に、慧はふっと笑ってポケットから手を出す。


「じゃあ……手」


 その手が莉央の手を、やわらかく包み込む。

 繋がれた手がじんわりと温かくて、莉央のドキドキはまた再燃する。


「……これくらいなら平気だろ?」

「…………」


 慧の一挙手一投足に莉央は翻弄されっぱなし。

 当の本人は気付いていないよう。


(何されてもドキドキしちゃう……なんて言えないよ)


 ふわりと頬を撫でる風が心地よい。

 ふたりで夜風に吹かれながら歩くその道はなんてことない散歩道だけど。

 今まででいちばん、心が甘く溶けそうな時間だった。


To be continued

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ