CASE:15 夢が良かったか?
目が覚めた時、そこには静かなぬくもりがあった。
「……ん……」
ふわふわの毛布に包まれて、隣には、うっすら寝息を立てている慧の姿。いつもはぴしっとしてる彼の寝顔は、少し無防備で……やっぱり、かっこいい。昨夜、何度も何度も囁かれた「好き」の言葉。キスをして、抱きしめられて……。
(……本当に、寝ただけなのに。ドキドキして寝た気がしない……)
それでも、慧の腕の中は安心で心がふわりとほどけたのか、自然と眠ってしまっていた。そんなことを思っていたら。
「……おはよう。百面相か?」
「わ、わっ! 起きてたんですか!」
「ああ」
「っ…………昨日のこと、夢じゃなかったんですね」
「夢が良かったか?」
「違います! 夢みたいに嬉しいってことで」
「ふっ……好きだよ、莉央」
「っ!!!!」
(不意打ち……!)
「……私も、好きです……」
言葉のあと、自然に顔が近づいて、そっと唇が触れる。寝起きのキスは、柔らかくて、甘くて、まるで幸せの象徴だった。
「はぁ……これから毎日こうやって起きられたらいいのに」
「……毎日は、さすがに恥ずかしい、です……」
「じゃあ、毎週末とか?」
「……考えておきます(小声)」
「そっか。じゃあ、その間にいっぱい『好き』って言わせるように頑張る」
「……ほ、ほどほどでお願いします……」
恥ずかしい……でも、顔がゆるんじゃう。慧の隣にいられる朝は、こんなにも幸せで心の奥がじんわり温かくなる。好きになってよかった。伝えられてよかった。そう思える始まりの朝だった。
To be continued




