古い記憶
私はおばあちゃん子でした
2つ上の姉は
私を可愛がる祖母が嫌いで
祖母に反抗して
私をいじめてばかりいました
右手首から先がない祖父と
パチンコ大好きな父が
働いている姿は
全く記憶にありません
かと言って
父が家にいて一緒に遊んだ
という記憶もありません
でも
そういう家族が
私にもちゃんと居ました
ただ
物心ついた時には
母は一緒に住んでおらず
元々は居たのか
今だけ居ないのか
どんな顔をしているのか
覚えていませんでした
祖母とダスキンを配ったり
近くの大衆浴場に行って
おばあちゃんたちに混じって
演歌を歌ったり 踊りを踊ったり
お茶とみかんと野沢菜の漬物を食べたりして
ゆっくり流れる時間を過ごすのが楽しく
お風呂が好きで
歌うのが好きで
甘えん坊で
ほっぺが真っ赤な田舎の女の子でした
父は無口でほとんど家に居らず
白いセダンに乗っていて
セダンの後部座席に
大量のお菓子を乗せて
私たちにお土産だとくれたのを覚えています
大工をしている母方の祖父が
最低限の資金で建ててくれた小さな家の2階の1部屋は
トレーニングジムのように
当時流行ったぶら下がり健康器とかいった
筋トレ器具やらで埋め尽くされていました
もう1部屋は私たちの部屋で
もうあまり良く覚えていませんが
2段ベッドと机が押し込まれていた気がします
当時姉に
母の記憶があったのか知りませんが
母にも甘えられず
祖母にも怒られてばかりで
寂しかったのか
長い間おねしょに悩まされていました
私はおねしょはしませんでしたが
決まって同じような怖い夢を見るので
祖母の隣で
左手の親指をしゃぶらないと寝られませんでした
ある日
ご機嫌で帰宅した父が
姉と私に一匹ずつ
子犬をプレゼントしてくれました
可愛くて癒されました
餌は毎日ねこまんま
ボールにご飯と味噌汁を混ぜたあの匂い…
私たちが食べるものと同じでした




