死
初の投稿作品となります。
まだまだ読みにくい部分があると思いますが感想などをお寄せいただければすごく嬉しいです!
慶長5年9月15日
「「おおぉぉぉぉおおおお」」
「「うおぉぉぉおお」」
美濃国の地に怒りと憎しみが混ざった怒号が響きわたっている。今行われている戦は石田三成と徳川家康による天下分け目の戦いである。その中で、俺は前方に位置する農兵の部隊を率いて陣取っていた。
俺は、徳川公に仕える賢虎と言う名の農民だ。農民なのになぜ戦いに出てるかということだが、いわゆる農兵と呼ばれるこの時代において一般的な兵だ。
農兵は捨て駒にされることの方が多い。だが、俺たちの部隊『白狐』は少数精鋭の遊撃農民部隊だ。
そして俺は、絶体絶命・起死回生不可能な状況にいる。周りは2.30ほとの徳川の兵士。
どう考えても逃げ出せ無い状況だな。
逃げ出せたとしても味方がすぐに駆けつけてくれるとは思わないし必ず瀕死の重傷をおうだろう。
俺なんかを囲むよりもっと名高い武将を狙えば良いのに…
ふと俺は気を緩ませた
ザクッーー
「があっっっぐぅ!!」
やべぇ。やられた…
横の腹から2本の剣が延びている。そこから綺麗な赤が吹き出していて、今まで流れたことのない汗がダバダバと湧いてくる。
「ううっ……ぐはっ…」
徳川の犬も俺にトドメを刺す必要もないと思ったのか馬にまたがりどっかにいきやがった。覚悟はしてたけど死ぬほどいたい。こんな痛みは絶対慣れねえや。
ん?
何だかボーッとする。ああそうか俺死ぬのか。いざとなったらなかなか怖いものだな。しかし、『白狐』のメンバーはどうなってしまったのか。これでも筆頭をしていたわけだから責任感だってある。
死んだら同じだがな。
農民なんて貧相な位だったけどなかなか楽しい人生だったような気がするな。これで悔いなく、子孫にも堂々と死ねる
あ、れ?…今頃なんで涙なんか出てくるんだ
「はは。やっぱ死にたくねぇや」
なーんて今頃言っても遅いか。
気が遠のいていくのがわかる。これが死ぬってことか。戦場ではいつも周りで仲間が逝くし俺はいつも殺す側だったから分からなかった。案外痛いのも最初だけ。
あとはあいつにさえ最後に会えればな……
後にこの戦いは、徳川軍の勝利により戦いが終結。
徳川家康が天下治め、天下統一の裏で英雄となった遊撃農民部隊『白狐』の子孫の幾人が徳川家の配慮により、皇族となった。
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「ん...あ、え?」
賢虎は重たい瞼をゆっくり開け周りを見る
「おい、なんなんだここは…?」