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推しの悪役令嬢なので全力で守ろうと思います!  作者: 小鳥遊
推しのために生きていました
16/89

思い出したくなかった過去

注意です。

今日のお話は過激な表現が含まれているので、苦手な方はこのお話をスキップしてくださいm(_ _)m


「これは、わたしが夢で見たお話なのですが、わたしが見た夢は、身分の差がなく、みんなが自分のなりたいものになるために勉強する、そんな世界でした」


迷った末に話したのはわたしの前世の話だ。


「それは、とても興味深いな」


興味を持ってもらえてよかった。


「そこでは、わたしもみんなと同じ身分として、一緒に勉強したり、お話したり、遊んだり、たまにはふざけたり、そんなことが許されるところです。」


高校生での、わたしの唯一楽しかった生活のお話であり、大切な場所だった。


「夢の中には、授業を受ける場所があって、今の家庭教師というような感じではありませんでした。そこでは50分の授業に10分の休憩が入ります。そして、お昼を食べる時間は45分ほどです。休憩の時間は友達と、いつもお弁当を持ち寄って一緒に食べるのです。他愛のない話をして、笑ったり、怒ったりするのです。そんな素敵な場所が実現出来たら、とても楽しそうではありませんか。」


「ふむ、その場所の名前はなんていうんだ」


「学校と言うんです。同じ年代が、違う夢に向かって勉強をする場所なんです」


「良いところだな。………」


「どうかなさいましたか?」


先ほどから何かを言いたげな表情をしている。


「今までの言動のこと、本当にすまなかった」


「…え……。何故謝るんですか?わたしは何も気にしていません。さあ、早く寝ましょう。もう良い時間です」


「…令嬢…?」


「おやすみなさい、公爵様。良い夢を」


思わず部屋から出てきてしまった。


だって、分からない…。


わたしは、どうすれば良かったんだろう。


分からない。


わたしはどうするのが正解なの?


簡単に許せばいい?


それとも、絶対に許さないと、彼らを一生恨み続ければいい?


でも彼らは悪くない。


悪いのは、噂を広めたお父様なのだから。


吐きそうになるのを必死でこらえる。


誰を憎めば良いんだろう。


噂を広め、わたしに関心のないお父様?

わたしに鞭を打ち続けた先生達?

噂を信じてわたしを信じなかった公爵家の人達?


分からない。分からない…。


家ではわたしの気持ちを優先してもらえることなんてなかった。


わたしは今、どう感じているの?


ああ、まただ。この気持ち悪くなる感じ。吐くものはなにもないのに、ただただ吐きたくなる。


そんな思考が頭から離れず、気付けば朝になっていた。


最近、こんなことが多い気がする。


「令嬢…」


「え、あ。おはようございます。公爵様。熱は、下がりましたか?」


"ダメ、抑えて。この吐き気のする感情は、

笑顔の奥に閉じ込めてしまえ…"


いつもの笑顔。日常。全て意識する。


「あ、ああ。おかげ様で、もう熱もないし頭痛も目眩もしない。それより、どうして令嬢は今、そんなに辛そうだったんだ?」


「何、言って…、わたしは、いつも通りです。少しだけ、休めば…すぐ、に」


ードサッー


あ、れ…?


わたし今、どうなって…


公爵の顔が、近い気がする…。


ああ、眠たい。少しだけ、少しでいいから休憩させてほしい


◇◇◇


『お前はすごいな、アリア』

『そんなことありませんわ、お父様。』

『お、お父様…!ハンナ、ハンナもカーテシー出来るようになったよ…!』

『…………さあ、アリア。あっちで続きを教えてやろう。』


これは…昔の記憶だ……


2度と見たくなかったもの


ーバチン!ー


今度はなんなの…


『やり直し、どうしてこの程度のことも出来ないのかしら?』

『ごめんなさい、ごめんなさい…!ちゃんとするから、叩かないで…』


『もう一度』

ーバチン!ー

『もう一度』

ーバチン!ー

『もう一度』


どうして今…これが見えるのよ…。


っ…もうやめて…


『おい!もっと酒買ってこい!!!』


っ-ー!


ぁ、ぁぁ…いや、いや…!


『買ってこい!金しか稼げねぇんだから!』

ードカッ!ー

『母さんもお前を置いて逃げた!』

ードカッ!ー

『能なしのお前を置いて!』

ードカッ!ー

『お前が生まれなければ』

ードカッ!ー

『消えろ!消えろ消えろ!』


ああ、うるさいっ!!


わたしだって消えれるものなら消えたい…!


あなたのことなんかほっといて!1人でずっと死にたかったわよ…!


でも、あなたが父親だから…だから見捨てず最後まで面倒見たじゃない…!


あなたがお父様だから、黙って家庭教師の言う通りに何度も何度も何度も繰り返して、認めてもらえるように頑張ったじゃない…!


なのに…結果は死に、売女だの極悪令嬢だと言われた。


わたしが何かした?わたしが、わたしが…


なんだっていうの…


前世で死に、今世で父からは娘として見てもらえず、公爵家ではここにいるわたしを見てもらえなかった。


いよいよ、眠っているこの瞬間まで悪夢に侵されようとしている。


もう良いんじゃないか


充分頑張ったんじゃないか


もうわたしを、殺してくれてもいいんじゃないかと、願ってしまう。


もう生きたくない…


この世から、消えてしまいたい…


誰かわたしを、殺して…


「…う」


誰かの声がする…


でも、目なんて開けたくない。開けたらまた、現実に戻ってきてしまう。


「…嬢!」


誰なの?先から、わたしを呼ぶその声は…。


「令嬢!」

見てくださりありがとうございました!

次話も見てくれると嬉しいです!

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