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俺?ダンジョン!?  作者: 東歌
ダンジョンマスター編
124/132

第三関門・モノエル



 「後何個あると思う? この扉」



 「普通に考えるなら残り二つじゃろ。 四天の数的にの」



 「じゃああとはギルドマスターとアランさんだね!!」



 アランの助言もあり、モンスターたちと遊ぶ階層は忙しいエルマの代わりの階層だと判断したようだ。 まあその通りなんだが。



 「それじゃあ」



 「進もっか(進むのじゃ)」



 そんな会話をしている主人公たちの前には3つ目の引き扉があった。 ちなみにだが、第二関門と第三関門を繋ぐ通路に関しては特に言うことは無かった。



 「よいしょっ………と?」



 主人公がドアを開けるが、少しだけ開けたまま停止した。



 「ん? どうしたのじゃ?……お、おぉ」



 「入らないの?……あぁ」



 2人も疑問に思い、隙間から中を覗くと、主人公が停止した意味を察することとなった。



 「フハハハハハ!!!! よくぞここまで来たな侵入者よ!!!! どう? こんな感じでいいと思う? え? ツクル君だってわかってるんだからおかしいって? ん~そうだよね~ どうしよっかな~~~」



 部屋の中にはモンスターたちと話している厨二病患者が居た。



 「やっぱりふっふっふ!!がいいかな~? いやでもな~ ん? 何? 噛むなよ!! なんだって……………/// 死にてぇ///」



 扉を開けた主人公に気付いたのは周りのモンスターたちの方が先だった。 周りのモンスターに気付かされた厨二病患者ことモノエルことギルマスは、顔を赤らめた後、その場に蹲った。



 「い、良いと思うますよ!?」



 「しょ、しょうだよ!!」



 「か、格好いいんじゃないかにょ!?」



 「そう思わないなら言わないで……///」



 主人公たちからフォローと言う名の追い打ちをかけられ、亀のように丸くなったギルマスだった。



 ちょっとギルマスが復旧するまで主人公たちはモンスターの相手をしてもらおう。











 「よし!! 切り替え終わり!! ようこそここまで来たねツクル君たち!! この階層では私が相手となるよ!!」



 なんとか立ち直ったギルマスだったが即座に追撃が飛ぶ。



 「言わなかったね」



 「フハハハハハ ってな」



 「ふっふっふ もじゃな」



 グルゥ



 「………もう鍵あげるよ」



 その時、ギルマスの心が折れ……ってちょい待ち!? 鍵渡すのは辞めようか!? 第三関門の意味がね!?


 敵対者であるはずの主人公とモンスターたちに何とか止められ、鍵を渡すことだけは死守した面々だった。 ……主人公はもらった方が良かったのでは? まあいいか。



 「じゃあ始めようか……覚えてるか分からないけど、私は相手を傷つけることが出来ないんだよね……だから相手になるのはこの子たち。 ほら、挨拶して」



 グルゥ  ギャウッ  キョエッ



 一斉にお辞儀するモンスターたちかわゆす。 もちろん3体だけなんてことはなく、見える限りでは数十体は集まっている。



 「もちろんヒーラーである私から潰す手段もあるだろうから先に言っておくよ。 私から敵対者に攻撃を与えると、それに比例したダメージが跳ね返ってくる代わりに、戦闘時には敵対者から与えられたダメージも敵対者に跳ね返る」



 デメリットが大きい代わりにメリットも中々に大きい制限だった。 というか覚えてる? 四天の権能にはそれなりのデメリットがあるってやつ。 一応説明だけど、学園長カルテのポンコツはその権能のデメリットから来てるよ。



 「中々に恐ろしい能力じゃの」



 「アランさんのデメリットの暴走が可哀想に思えてくるぐらいにはメリットしかないですね、その能力」



 「回復特化だとしたら相手に対してこれほど怖い能力は無いよね!!」



 それを聞いた主人公たちは、額に冷や汗を浮かべながらモンスターたちと向かい合う。 ギルマスの回復能力次第だが、苦戦することになるのは間違いない。



 「さぁ、始めよう」



 ギルマスの呟きと同時にモンスターたちが3人へ襲い掛かってきた。



 「モンスター自体はむしろ弱い方……だが」



 「やっぱりネックになるのはギルマスの回復能力だねっ!!」



 「ダメージを与えた瞬間に時が戻るかの如く回復されるのお」



 ギルマスの回復次第では苦戦するといったものの、流石は1000年戦って来たヒーラー。 数十体の回復を瞬時に行うほどの腕だ。



 グガァッ!!  ガゥ?  ガゥゥ……



 とはいえ主人公たちにダメージが入るかと言うとそういうこともない。 物量で主人公に近付き、腕に嚙みついた虎っぽいモンスターは、物理的に歯が立たなくて、その場でしょぼーんとした顔を浮かべた。 かわいい。



 「ちょっ!? 頭ガジガジしないでぇぇぇ!?!?」



 「おろ? い、衣服を剝ぐでない!? ギルマスよ!! この変態モンスターをどうにかするんじゃ!!」



 「なぁなぁスライム君さ、物理完全耐性はズルくない? 聞いてる? ぽよっじゃないんだが」



 なんやかんや苦戦することもありながら、モンスターたちと和解した主人公たちだった。 …………ん? 攻略は?



 「いやな、確かにどっちも勝てる手段無かったよ? でもツクル君はなんとかできたよね? 和解は無いんじゃない和解は。 まあいいけどね、はい鍵」



 「これでいいんだ」



 これでいいのか? まあいいか。 よくわからんが第三関門を攻略した主人公たちだった。




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