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俺?ダンジョン!?  作者: 東歌
ダンジョンマスター編
123/132

第二関門・エルマ



 カルテを見送った3人はもらった鍵を使って次の関門へと繋がるドアを開けた。



 「今回は押す方だったね!!」



 「中から出やすいように外開きなんじゃろ」



 「なるほどな」



 ドアは無事に開けられたようで何よりだ。 そこから第二関門までは直線の通路で、第一関門からでも遠くに巨大な扉が見える。 通路には罠が仕掛けられているわけでは無かったが、一応警戒しながら進んだ3人だった。






 「一応確認なんだが……これは引き扉だよな」



 「多分ね!!」



 この主人公、扉がトラウマになっている。 とはいえ開けないわけにもいかないので、心配になりながらも、おそるおそる扉を引いていった。



 「ほっ、良かった。 開いたわ」



 「どこを慎重になっとるんじゃ」



 短時間に2度も開かなかったら慎重にもなる。 それはそれとして、第二関門の中は第一関門の数倍広く、あちこちに木々や植物が生えていた。 その様子はまるで森林の一部を切り抜き、そのまま持ってきたかのようだ。



 「誰もいないぃん!?」



 「おお、痛そう」



 おそらく冒険家が居ない代わりのステージだと主人公が予想した瞬間、真上から木の実の弾丸と共に一枚の紙が主人公のつむじに着弾した。



 「……痛くはないけど、大丈夫? 俺ハゲてない? ハゲてないよね?」



 「「………。」」



 「なんか言ってよ!? 怖くなるだろ!?」



 「「冗談冗談、大丈夫だよ!!(なのじゃ)」」



 痛みには無縁の主人公もハゲには警戒する模様。 そんな会話をしている主人公たちを木の隙間から見つめる目が1つ…2つ…3つ…4つ…5つ…6つ…7......いや数えんのめんどゲフンゲフン 木の隙間から数多くの目線が降り注いでいた。


もちろん主人公たちも降り注ぐ目線に気づいていたが、それを無視しながら着弾した紙を開いた。



 「なんて書いてあるんじゃ?」



 「……モンスターたちと遊んであげてくださいって」



 「ん? もう一回聞いてもいい? ちょっと聞こえなかったよね!!」



 「モンスターたちと遊んであげてくださいって」



 「「………は?」」



 攻略をしにきたはずのなにモンスターたちと遊べとはどういうことだろうかとニコルとミウは思っていたが、その後の話を聞いて多少は納得することとなった。



 「全モンスターが満足したら鍵を渡してくれるんだとよ。 まあ冒険者たちを突破させないという点では合理的なんだけどな……おそらく俺たちもこの紙が無かったら攻略法が分からなかっただろうから。 ……はぁ…それでも遊べはないだろ遊べは……」



 「「なるほど……」」



 仮に攻略法が分からずに立ち止まることとなった冒険者たちはどういう行動をとるかと考えると、モンスターを全滅させることが真っ先に挙げられるだろう。


 仮にそのまま全滅させてしまうと、リポップしたモンスターが敵対し、一生先に進めなくなるといったことが起きるので、関門としては難関な部類に入ることが予想できる。



 「ガチャでも引きながら遊ぶか~。 休憩時間とでも思えば楽な階層だろ?」



 「そうじゃな」



 「おぉ!! もっふもふだねリスさん!!」



 「「いや順応はっっっや」」



 主人公とニコルが張った気を解していく中、ミウは木から降りて来たリスと戯れていた。



 「俺たちも美羽を見習って遊ぶか」



 「そうじゃの」



 そんなミウに苦笑いしながら、主人公とニコルの二人も、小動物型のモンスターによって大きな毛玉と化しているミウの下へと歩いていった。





 ~もふもふもふもふ~



 猫じゃらしはモンスターたちにも効果抜群らしい。


 現場からは以上です。










 「んぉ? おっ、次の階層の鍵か? ありがとな」



 そうして遊ぶこと数時間。 遊んでも遊んでも湧き続けるモンスターたちに顔が引きつり始めたところで、ようやく鍵が渡された。 最後に鍵を渡してくれたピョン太君をわしゃわしゃと撫でつつ、主人公は毛玉の中に入って行った。 ちなみにピョン太君はミウが名付けた。



 「もごもごもご……んふ!! んふふふんふふん!!」



 「ん? んふふ?」



 とりあえず毛玉から出てもらっていいすか? 会話になってないっす。


 というわけで主人公にミウを引っ張り出させてと。



 「どしたの?」



 「ふぅっ。 鍵貰ったぞ」



 「おぉ!! ようやく次に進めるね!!」



 「そうだな。 んで、ニコルはどこだ??」



 ミウを引っ張り出したのはいいものの、もう一人のニコルの姿が見えない。 と思った瞬間



 「ぷげっ!?」



 木の上からニコルが降ってきた。



 「あ」



 「いたな」



 「お主ら少しは助けてくれてもいいんじゃないかの!? 我だけ爬虫類なのは酷いと思うのじゃ!! 我ももふもふしたかったのじゃ!!」



 見えないと思ったらもふもふ以外に連れ去らわれていたようだ。 とはいえ、もふもふしているだけでは鍵がもらえなかったので、尊い犠牲として無視させてもらおう。



 「それじゃあ進むか」



 「そうだね」



 「無視するでなぁぁぁぁい!!!!」



 このあとちょっとだけニコルももふもふしてから進んだ。




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