帰還
「それでは!! これにて勝利者インタビューを終わらせてもらうと同時に、今回のダンジョンバトルは終了となるぜ!! 勿論現在進行形で次の新規組が前準備をしてるから、次のダンジョンバトルを楽しみにしてくれよな!! ばいば~~い!!!! ………ほら混沌のも」
「ばいばーーい!!!!」
ダンジョンコアや階層などの他にも視聴者が疑問に思ったところの答え合わせをして、勝利者インタビューは終了となった。 それと同時にバトルの実況も終わり、ようやく普通に話せそうだ。
「……魔道具も切ってと。 ……よし。 ふぅ~、お疲れ様。 すまんな、慣れないようなことをやらせて」
「いえ、気にしないでくださいよ。 むしろ大丈夫でしたか? これ以降のダンジョンバトルが大変になりそうですけど」
「………俺がやるわけじゃないからOKで」
う~ん駄目そうだ。 主人公もえっ?とでも言いそうな顔をしている。
「えっ? もしかして隠した方が良かったですか?」
言ったわ。
「言わなかったら言わなかったで問題もあったから大丈夫だろ。 まあ後の事なんてこっちが気にすることでもないしな。 スタッフ~!! 俺こいつ送って来るから後頼んだわ~!!」
主人公と話しながらも、軽く周りの片づけをした司会はそう言うと、主人公に手を伸ばした。
「ん?」
「いや話の流れ的にもそうだけど、アランと一緒に転移したんだから分かるだろ!? なんで手を伸ばしてきたんだこいつみたいな反応するなよ!?」
「ははは、冗談に決まってるじゃないですか。 ありがとうございます」
「ほんとかな~?」
いや、確実に主人公の顔は本気だったぞ。 本気と書いてマジと読むぐらいには困惑していたぞ。
まあそんなことは置いといて、主人公を連れて司会は転移していった。
「ただいま~~」
もちろん司会が主人公の家を知っているわけもなく、神都の近くまで転移してもらってからはテレポートゲートを使って屋敷まで戻ってきた。
「おかえり~~」
「おかえりなさい」
「意外と楽な勝利じゃったの」
屋敷の中に入ると、全員が食堂に集まっていて、主人公のことを待っていたことがわかる。 机の上にはアランからパクったモニターがあり、後で返した方が良いのかな。などと思った主人公だった。
「正直バトルよりも最後のインタビューがしんどかったわ」
「珍しいのぉ。 元配信者じゃろお主」
長机にぐてっと倒れた主人公にそう言ったニコルだったが、自分で配信するのと呼ばれて話すのは結構違うものなのか……と思いきやそういうわけでもないらしい。
「日本での配信は画面の向こうから返答が来るけど、インタビューはそれがないからしんどかったんだよな~。 コメントが無い分どんな反応が刺さるのかも分からんかったからな~」
「ほぇ~色々あるんだね~」
「聞いてないですねこの反応」
「う~んそうだね~」
聞いてないなこの反応。 それで?ミウは主人公を無視して何をカチャカチャと弄ってるんだ?
「ちなみに、なんですかそれ?」
お、ノエルサンキュー。 気になってたんだよな。
「ん~これ~? 任〇堂Switch」
おぃぃぃぃぃぃぃ!?!?!?!?
「おい美羽ゥゥゥゥ!!!!」
そうだそうだ言ってやれ主人公!!
「俺にもやらせろぉぉぉぉ!!!!」
……違う。 そうじゃない。
とはいえもちろんそれを止める人もいないので、このあとみんなでめっちゃゲームした。 ちなみに任〇堂Switchはガチャから出て来たらしい。 Wi-Fi? ガチャパワーでなんとかしたってさ。
「というかお主忘れてないかの? どうするんじゃ原初のダンジョン」
「………はっ!! ゲームしてる場合じゃねぇじゃん!!」
遊びに遊んで、時間は夜。 そろそろ寝ようかなどと話している時にようやく気付いたようだ。 とはいえ原初のダンジョンの位置すら分かっていないので、どうしようもないっちゃないんだが。
「ダンジョンの位置ぐらいはアランさんに教えてもらえばよかったな」
「まあゆっくり探していけばよいのじゃ。 急かすようにゆうたが、別に急いではおらんじゃろ?」
「……それもそうだな。」
そもそも原初のダンジョンに行く意味もあまり無いんだが、まあこの主人公のことだし自分の正体?がバレている相手のことは見ておきたいのだろう。
「よし!!」
お? 主人公が何かやる気になったようd……
「明日から本気出す!! ってことでおやすみ~~~」
そんなことは無かった。
「うむ。 おやすみなのじゃ~」
……明日から本気出すって、出さないやつが言うセリフじゃないのか? まあいいか。
そんなこんなで無事にダンジョンバトルも終わらせた主人公は、原初のダンジョンマスターをどうにかするための英気を養うためにお休みした。 一晩英気を養った程度で明日から本気を出せるのかは永遠の謎である。