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俺?ダンジョン!?  作者: 東歌
ダンジョンマスター編
115/132

勝利者インタビュー



 「ダンジョンバトルゥゥゥゥ!!!! 終了ォォォォ!!!!   勝者はぁぁぁぁ!!!! 混沌のダンジョンマスターァァァァ!!!!」



 うぉぉぉぉ!!!! という歓声は残念ながら画面の向こうなので聞こえてこない。 それでも司会の心には盛り上がってくれているだろうという実感があった。 主人公と獣人の試合がいくつかの謎を残しながらも、大接戦を“演じて”くれたからだろう。



 「中々に熱いバトルだったな!! 思わず俺っちも実況が止まっちまうことが何回あったかわかったもんじゃねぇぜ!! 画面の向こうのダンマスたちもそんな心躍るダンジョンバトルを繰り広げた2人に盛大な拍手を送ろうぜぇぇぇぇ!!!!」



 といいつつ実況は一人なわけで……手をパチパチと叩いた音はその場に虚しく響いただけだった。



 「おぉ…反応がないのは中々に虚しい……いつものしょっぱい反応でも無いと寂しい物だと俺っち驚愕してるぜ!! まあそんなことは置いといてだ!! 画面の向こうのダンマスたちも気になってることがいっぱいあるよな!? あれよ!! と、いうわけで~~~~実況席に混沌のダンジョンマスターを連れてくるとするぜぇぇぇぇ!!!!」



 そう言いながら司会は主人公のダンジョンの中に転移していった。











 「連れて来たぜイェェェェイ!!!!」



 「い、いえ~い?」



 数十秒後。 多少強引に連れて来たのか困惑気味な主人公を携えて、司会がカメラ?の前に戻ってきた。



 「……へい、挨拶!! 自己紹介!!」



 「あ、はい。 え~と、今回は勝たせていただきました。 混沌のダンジョンのダンジョンマスターをしているツクルと言います」



 「今回は謎が多いダンジョンバトルとなりましたので呼ばせていただきました。 よろしくお願いいたします」



 「え、よ、よろしくお願いします」



 瞬間の温度差に困惑しっぱなしの主人公を置き去りにして、司会は話を進めていった。






 「早速ですが、視聴者が気になっているであろう2つの質問の内の一つをさせていただきます。 ズバリ!! どのようにして火龍を躱してダンジョンコアを入手したのですか!?」



 最初からぶっこんで来たなこの司会。 企業?秘密的なあれは考慮してないんか。 ……まあ別にそんなものはないので、主人公も普通に答えるのだが。



 「あぁ~ あれはたまたま上手くいっただけなんですが、途中でリスポーンしてきた悪魔にアイテムを持たせたのって見てましたか?」



 「……あぁ。 あの時ですね。 一応視聴者のモニターにはそのシーンを流しておきます」



 「その時に聞いた話では、幻覚や透明な敵、不意打ちをされたという話だったので、それを対策する魔道具を持たせておいたんですよ。 そのついでに一応持たせたのがこれです」



 主人公は懐から鼠のおもちゃを取り出した。



 「なんの変哲もない玩具? ですよね?」



 「ええ。 ネジを事前に巻いていれば、地面に着くと共に走り出す玩具ですね。 ただ一つだけ付け加えるなら、これは俺のダンジョンです」



 「………んん? どういうことでしょうか?」



 頭が逝ってしまわれたかとでも言うような目で司会は主人公の方を見つめる。



 「俺以外に異界型のダンジョンを見たことが無いので同じことが他の人に出来るかは分かりませんが、俺がダンジョンを設置する時に限ってはその場所を【侵食】してから設置するんですよ」



 「……ちょっと待ってください。 ……ダンジョンマスターはダンジョン内であれば物体の移動は自由に行えますね」



 「分かったようですね。 その通りです。 俺はこの鼠の玩具が触れているものであれば自分のダンジョンに転移させることが可能です」



 「ズ、ズリィィィィィィ!!!!」



 真面目そうに話していた司会が思わず言葉が崩れるぐらいにはズルい手だったようだ。 ん? チート? ガチャは使ってないよ。






 「お、思わず本音が出てしまうほどには衝撃の事実でしたが、もう一つの謎も聞いて行きましょう。 獣人たちにダンジョンコアを奪われましたが、何故あそこから勝利することができたのでしょうか?」



 「そうですね……ってその理由は司会さんも知っていますよね?」



 「そりゃあ知ってはいますけど、私が言うわけにもいかないでしょう」



 司会は両者のダンジョンを確認したので、その時に知ってはいたが、まあ言ってみれば簡単な話ではある。



 「正直これを他のダンジョンマスターにやられても困るので、あまり言いたくはないんですけど、単純に俺のダンジョンが“5階層”だったってだけの話ですね。 階層ごとにリスポーン地点を設置することで、地下へと繋がる1階層の探索を疎かにさせただけです」



 「ものの見事に獣人さんたちは引っかかってくれましたね」



 「そうですね。 言っちゃなんですが、仮に対戦相手が悪魔であればもう少し対策を講じていたでしょうね」



 最後にそんな言葉を残して、主人公と司会の会話は終了した。 それと同時にモニターの画面をぶち破るほどに憤っていた獣人がいたとかいなかったとか。




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