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俺?ダンジョン!?  作者: 東歌
ダンジョンマスター編
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悪魔たちのダンジョン攻略③



 「そういえば次の階層っていつ行けるの?」



 「言われてみれば……これって途切れることあるのか?」



 獣人たちの視点から変わり、獣人のダンジョン7層を攻略している悪魔たち。 彼らは戦闘を楽しみながらも、壁から湧き出し、途切れることが無いモンスターたちに少し焦りを浮かべていた。



 「こういう時は壁の中にモンスターが湧き出る装置があるって相場が決まってるんですよ~ それじゃ~行っきま~す とうっ!!」



 「死ぬ気かあいつ!?」



 主人公の屋敷にあるダンジョンを使ったとこがあるのか、メイド悪魔が壁の中に突っ込んでいった。






 「………死んだか?」



 「………死にますよね」



 「………ご冥福をお祈りし」



 「獲ったど~~~!!!!」



 「「「生きてた」」」



 壁の中に突っ込んでいって直ぐにモンスターの湧きは止まったが、メイド悪魔が戻ってこないのでリスポーンしたかと思ったその時。 壁に新しい穴を開けながらメイド悪魔が飛び出してきた。


 その手には原型がわからないほどにボロボロになった魔道具が握られており、それがモンスターを召喚する装置だったということは辛うじて分かった。



 「ちなみに壁の中に次の階層に進む階段がありましたよ~」



 そういってメイド悪魔は笑顔で仲魔たちのもとに戻ろうとするが……



 「なんで後ずさるんですか~?」



 「いや、そりゃあ……ね?」



 「臭いわよ」



 『少しはオブラートに包んでやれ!!……あ』



 モンスターの群れに突っ込んでいったメイド悪魔は少しばかり臭かったようだ。 ちょっぴり涙目になったメイド悪魔に興奮したダンマスがいたとかいないとか。











 「やはり闘技場か」



 「あと2層ぐらいは同じ形式なんじゃないですか? マスターが言うには10階層が作れる限界だそうですから」



 8層に足を進めた悪魔たちだったが、7層と同様に闘技場のような広場があり、流石に面倒そうに顔を顰めた。



 「…また壁に突っ込むのは頼んだぞ」



 「……戻ってきた暁には全身で抱き着いてあげますよ~」



 『遠慮させていただきます』



 やはり悪魔でも臭いのはNGらしい。 それはそれは見事なハモリ具合だった



 「よし、それじゃあ始めるか。 数を減らすのは任せろ」



 「代わりに壁の中に入ってもらってもいいんですよ~?」



 「………。」



 「何か言えよ」



 あーだこーだ言いながらも、戦闘が始まった。




 ~悪魔奮闘中~




 「やっぱり臭いですね~~」



 「だから抱き着くなって!!」



 「はっはっは。 人のことを臭いなんて言うからそんな目に……馬鹿野郎こっちに近付くんじゃねぇぇぇぇ!!!!」



 「誰が野郎じゃ~~~」



 言葉とは裏腹に満面の笑みで追いかけている辺り、一周回って楽しみ始めてんなこのメイド。



そんなこんなでギャーギャー騒ぎながらも8層、9層と闘技場ステージを攻略していった。











 「10層……ここが最後であってくれよ」



 「もう流石に臭いのはいやですよ~?」



 匂いを気にしながら進んできたのは10層。 獣人たちとは違い、2層のワームからは誰も死ぬこともなく来た悪魔たちに最後の難関が襲い掛かってくることになる。



 「うげぇぇぇぇ最後もとうぎじょ……奇跡かこれ? マスターの3層と同じ形なんだが?」



 悪魔たちの前には中心にダンジョンコアを置いた闘技場があった。 奇しくもその階層は主人公の3階層と酷似しており、悪魔たちに一層の警戒を抱かせた。



 「罠がいっぱいあるのかな~?」



 「入ってみれば分かるでしょう」




 グルォォォォ!!!!!!!!




 『………Oh』



 一番前に居たダンディ悪魔が闘技場に足を踏み入れた瞬間。 上部から巨大な火龍が現れ、中心にあるダンジョンコアを守るようにして降り立った。 それと同時に悪魔たちの後ろに一応ついて来ていたリザードたちは9層へ繋がる階段へと逃げていった。



 「これは……流石に無理でしょう?」



 ダンディ悪魔も龍を前にして、絶望した表情で思わず懐から主人公から渡されたアイテムたちが零れ落ちる。



 「全方向から同時に行けば殺せなくてもコアを奪うことぐらいは出来るか?」



 「それじゃあ散れ!!ってね~~」



 気の抜けるような掛け声とともに死力を尽くす戦闘が始まった。






 「ははは……傷一つ付けることも出来なさそうだ」



 最初に攻撃が当たったのは悪魔たちの方。 全方位に散らばったことで火龍が混乱している内に、背後から1層の巨大植物を一撃に屠るほどの魔法を当てた。 そんな攻撃でも火龍には効いていないようではあるが。



 そうして一定の距離を取りつつ魔法戦を繰り広げていたが、火龍の方も黙ってはいなかった。



 「すまん。 避けきれな」



 「この狭い空間でブレスは駄目だr」



 「コアだけでもっ!! ぐぁっ!! がはっ……」



 これまでの疲れもあったからか、段々と火龍の攻撃が当たり始めた悪魔たちが全滅するのも時間の問題だった。



 そして………



 「……ここまで…のようですね」



 「ははは……流石の私ももう無理だね~」



 最後に残った二人…ダンディ悪魔とメイド悪魔は最後の力を振り絞ってダンジョンコアへと近づくが、一歩及ばず、火龍の爪撃によって切り裂かれた。



 「「すみません。 マスター」」



 ザンッッッ!!!!



 火龍の攻撃が当たる瞬間。 二人の耳には、ダンジョンバトルが終了したという司会の声が響いた気がした。











 「お、これで全員戻って来たな~ おかえり~」



 「す、すみませんでしたマスター!! ………え?」



 「ダンジョンコアを奪うことができ…ず………は?」



 リスポーンした二人の前に居た主人公の手には、何故かダンジョンコアが握られていた。



 「「なんで????」」



 唖然とした二人だったが、その理由を知る前に主人公は司会に連れられて転移していった。




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