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俺?ダンジョン!?  作者: 東歌
ダンジョンマスター編
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悪魔たちのダンジョン攻略②



 「お帰り~」



 「お? 遅かったな」



 「お前ら何をしている……」



 主人公にいくつかのアイテムを持たされたダンディ悪魔は獣人のダンジョンへと戻った。 1層の巨大植物はリスポーンしておらず、サクッと2層まで進んでいったダンディ悪魔だったが、2層でワームを火炙りにしている悪魔達を見てドン引きしていた。



 「……こいつら悪魔だ」



 「悪魔ですよ~?」



 「ぶふぉっ、圧倒的正論」



 ダンディ悪魔が思わず口からこぼしたその言葉は光景的には合っているが、同じ悪魔が言えたセリフではないだろう。



 「まっ、ようやくリーダーも戻ってきたことだし先に進むか。 ………先に進むか。 ………先に進むぞ? ………先に進むっつってんだろうが!? さっさと殺せや!!」



 「「「あぁ~~~」」」



 一人の悪魔が火炙りにされているワームを殺した瞬間、草原の中心が光り出し、次の階層へと進む魔法陣が出現した。 どうやら次の階層へと進む条件が全モンスターの討伐だったようだ。 ……というかダンディ悪魔ってリーダーだったの!? まあいいか。 次行こ次。











 「一つ質問いいか?」



 「なに~?」



 「もしかして全階層これか?」



 3層へと進んだ悪魔たちだったが、目の前にはどこかで見たことのある草原が映っていた。 幻覚か全モンスターの討伐かは分からないが、おそらく後者の方が可能性が高く、時間がかかることは間違いないだろう。



 「まさか~~そんなわけ~ 痛った。」



 そんなわけないとでも言うように顔の前で手を振りながら草原に足を踏み入れたメイド服の悪魔の頬を一つの斬撃が切り裂いた。



 「………クソ兎ゴラァ!! 誰の顔を傷付けてんだァ!? ぶち殺したらァァァァ!!!!」



 『ひぇっ』



 ひぇっ。 普段は優しい人…悪魔? 優しいのに悪魔???? ………普段は優しいやつを怒らせたら怖いと学んだ悪魔たちだった。






 「ちっ、クソ兎共がよォ。 梃子摺らせやがって。 ……テメェももう見たんだよクソがァ!! クソ虫如きが邪魔すんじゃねェ!!」



 一人ですべての兎とそのついでのように地面から現れた巨大なワームを拳一つで虐殺したメイド様は首をゴキゴキと鳴らしながら仲魔たちの下へ戻ってきた。 背後には魔法陣が浮かんでおり、どこか幻想的な雰囲気を漂わせる。 顔に返り血付いてるけど。



 「あ゛? なんで整列してんだテメェら…………ん゛ん゛!!  なんで皆さん整列してるんですか~~?」



 いや遅いて。



 「い、いえ!! なんでもございません!! つ、次の階層に行きましょうか!?」



 悪魔たちも2層の時のダンディ悪魔とは比べ物にならないほどにドン引きしていた。 思わず全員整列して、話し方も敬語になっている辺り余程怖かったのだろう。











 「完全に同じ構成のようだな。 DPの消費を抑えると同時に時間も稼げる……効率のいい方法ではあるが、ダンジョンバトルとしてそれはどうなんだ?」



 そこからのダンジョンのシステムは2層、3層と同じようにフロア内の全モンスターを討伐したら次の階層が現れるタイプだったようで、悪魔たちは4層、5層、6層と1階層ごとに攻略時間を早めながら攻略していった。


 そして7層に足を踏み入れたところで獣人のダンジョンの本質?が現れる。



 「どうせこの階層も見えない兎とでかいワームだろ? もう面倒なんだが」



 既に気を抜き始めている悪魔が居る中、7階層からは様子が違った。



 「ん? 草原じゃない?」



 「……闘技場ですかね~?」



 階層とも言えないようなだだっ広い円形の部屋の中心には数個の武器が置いてあった。



 「ようやく本番というわけだな」



 「むしろありがたい。 俺らには探索なんて似合わねぇからな」



 「否定できないですね」



 それでも草原の中の探索よりはしっかりとした戦闘の方が悪魔達にはむしろ有難かったらしく、全員が獰猛な笑みを浮かべていた。



 「それで? いつモンスターが現れるんだ?」



 全員が部屋の中に入ったが、モンスターが現れる様子はなかった。 ……と思った瞬間、一部の壁が崩れ、そこからモンスターがモゾモゾと溢れ出してきた。



 「おぉぉぉぉ!?!? キッモ!?」



 「うわぁ~ 虫みたいですね~」



 「言うなってバカ!! それにしか見えなくなってきた!!」



 と言うのも束の間、悪魔たちと大量のモンスターとの戦闘が開始した。






 「うわぁ~ 途切れないですね~ よっ ほっ ちょえぇ~ あぁちょぉ~」



 「気が抜けるような掛け声言うなって!! あっぶね!?」



 本領を発揮するかのように生身で3次元戦闘を繰り広げる一部の悪魔を見ながらも、他の悪魔達も楽しく戦闘をしているようだ。



 「すっげぇアクロバティックな戦闘してんな、あそこ」



 「こっちもなんかやる?」



 「じゃあ俺行きま~す!! 超!!紙一重回避ィィ!! あ、ちょっと掠った」



 「あ、私も一個あるよ。 マスターの奥さんが言うには本来は刀って武器でやるらしいんだけど。 【秘剣・燕返し】」



 「「「かっけぇぇぇぇぇ!!!!!!」」」



 生き生きと戦闘を繰り広げる悪魔達に、観客のダンジョンマスター達も楽しく観戦できたようだ。 まあ描写はしないが。




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