表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/114

41話 みいなとクラスメイト


 「いってき」

 「い、いってきますわ」


 「はい、いってらっしゃい」


 今日は取り巻きさんに誘われた解放祝いに行くのだ。

 トリアと一緒に家を出ると同じタイミングで向かいの家から奏が出てくる。

 本当に運命で結ばれてるね。私達。


 「おはよ」


 ん? 奏?

 どうしたのかな?

 こっちをみて固まって。


 「見蕩れているのよ、ミーナのこと」


 そんな、まさか。

 思考が固まって動かなくなるなんて、毎日顔を合わせているのに。


 「綺麗だ、みぃ」

 「……!?」


 真面目な顔でいう奏に思わず私が固まってしまう。

 奏が私の手を掴んで引き寄せられる。近い、奏の顔が近い。


 「何やってるのよっ」

 「グハァ!」


 トリアが後ろから奏を叩いて止める。

 グハァ……グハァって初めて聞いた。


 「公衆の面前でミーナに何するのよ!」

 「はっ、僕は一体なにを」

 「何をじゃないわよっ!」


 公衆の面前といってもここは人通り少ないし、例え100万人見ていても奏となら……。


 「ミーナも流されない!」

 「はい」


 トリアに怒られてしまった。

 仕方ない、そろそろ行こう。


 「まったく……私の前でミーナに手を出すなんてあり得ないわ」


 本音出てますよ、トリアさん。

 嫉妬? 嫉妬したんだね!


 トリアは珍しいのか辺りをキョロキョロしていたけど、バス停に着く頃には落ち着きを取り戻していた。

 代わりに私がソワソワと落ち着きがなくなってくる。

 だって緊張するんだもん。学校とかならまだともかく、プライベートな訳だし。……こうなったら。


 「トリア。手、つなご」

 「も、もちろんよっ!」


 うん。人肌はやっぱり落ち着くなぁ。


 「みぃ、僕は──」

 「……むり」

 「む、無理……っ」


 だって恥ずかしいんだもん。さっきあんな間近で奏の真剣な顔みたら……あぁ、思い出したらまた顔が熱くなってきた。

 本望……本望だったんだけど、ドキドキして奏の顔が見れないっ。


 でも目に見えるように落ち込んだ奏に罪悪感が。

 ……空いている手をそっと奏の手に当てる。こ、これが今の私の精一杯っ。

 瞬間、私の手が奏に握られた。早かった。あと……力強かった。

 あれ? トリアの手が強くなっていく。


 「いたい、ふたりとも。いたい」

 「あ、あぁ。悪いわるい」

 「……ミーナが奏と手を握った時、凄い幸せそうだったから……つい」


 ヤンデレか。そっかー、ヤンデレかー。可愛いなー、トリアは。


 「そこの3人、乗るの? 乗らないの?」


 ふと見るとバスが止まっていて、運転手さんがこっちに顔を出していた。

 急いでバスに乗って一息つく。危なかったー、もう少しで遅れるところだった。運転手さんに感謝だね。


 「やほー、久しぶり……ていう訳もないね」


 声をかけてきたのは私の敵、根元(ねのもと) 瑞輝(みずき)。元男にして、おっぱいたゆんたゆんで奏を誘惑するやつだ。

 今も奏の目線が根元の胸元にチラチラといってる。


 「誰かしら?」


 そう言って首を傾げるトリア。そうだったね、根元とは面識がないんだった。


 「敵」

 「ほう、ミーナの敵ね。なら早めに始末しておこうかしら」

 「え? ちょっ、ちょっとまって!」


 数枚のカードを出現させるトリアに根元が待ったをかける。むぅ、いい所なのに。


 「トリアさん……でいいのかな? 初めまして、高江(たかえ)さんと相馬(そうま)くんの友達の根元です」

 「……そう。私はトリア、ミーナの親友よ!」


 ドンッ。っと後ろに効果音を付けながら胸を張るトリア。張り合ってるよ、超張り合ってるよ。

 トリアの勝った! っていう視線に根元は苦笑いしてる。


 「そ、そっか。ヨロシクね、トリアさん」

 「えぇ、よろしくお願いするわ。ところでミーナの敵なのよね?」

 「違うって、ほら高江さんも何とか言って」

 「……なんとか」

 「思ってるのと違うっ」


 ほらだって私の奏が取られかねないし……ねっ。ねっ。


 「で、根元も参加するのか?」

 「うん。というかぼく……私が企画したんだよ、皆があーだこーだ言うからじゃあこうすればいいじゃんって」


 そうだったんだ。根元が考えてくれたんだね。うん、根元はいいやつだ。


 「根元が企画したってことは如何わしい集まりじゃないよな」

 「失敬な! そんなのは私一人でやるねっ!」

 「いや、やるなよっ」


 むー、でもやっぱり根元は奏と仲がいいよね。

 そのまま恋仲に発展しないか心配だ。もしそうなったら……BL?TL? どっちだろ。


 「そういえばトリアさんはバス代もってるの? コネッキングしてないみたいだけど」


 根元がトリアに疑問を抱いたみたいで首を傾げる。……この前よりも仕草があざとくなってないかな?


 「行く時にお小遣いを貰ったから問題ないわっ」


 訂正。トリアの方が100倍可愛い。そんなに堂々とお小遣いなんていったらギャップ萌えだよ。トリア凄い美人なのに、銀髪の髪を靡かせてお小遣い貰った!! って。


 駅前まで着きバスを降りて数分、目的の喫茶店へとたどり着いた。

 喫茶店は貸し切りになっているみたいで扉に『貸切!』と大きく張り紙がある。


 「……ここであってんだよな」

 「あってると思うよ、中に皆集まってるし」


 集まってるというか……凄く目が合うというか。とりあえず私は奏の後ろに隠れる。

 私達が店の前に来ると中にいる人がみんな止まってこっちを見てくるのだ、はっきり言って怖い。ホラーだ。

 さっきまで心臓が鳴り止まなかったのに、今は逆に心臓が止まってるよ。


 そして私の行動をみたトリアが勢いよくドアを開けた。


 「何してるのよ! ミーナが怯えてるでしょ!」


 トリア強し。

 クラスの皆が集まっているというのに初めから喧嘩口調だ。

 おかげで皆は開いた口が塞がらない。というかトリアが誰かすら分からないと思う。


 「高江さん……来てくれてありがとう。さっきはごめんなさい、皆揃って緊張しちゃって。高江さんの席、用意してあるんだ」


 硬直から抜け出して始めに声を掛けてくれたのは、このパーティを誘ってくれた取り巻きさんだ。

 私は奏の後ろから顔だけだしてコクリと頷く。狙ってるわけじゃないよ、これが精一杯なんだよ。


 取り巻きさんの声で他のみんなも正気を取り戻し、何故かこっちに向かってくる。なに? やるの? トリアと奏が相手になるよ。

 そしてある程度近づいたと思うと一斉に頭を下げた。


 「ごめんなさい」

 「正直、すまんかった!」

 「悪かった」

 「今までごめん」

 「ごめんなぁ」


 他にも皆自分の言葉で謝罪を言ってくれる。

 ……それだけで充分だった。


 「うん。ゆるす」


 隣で奏がため息を付いてる。

 もういいんだ。皆が私の為にここまでしてくれて……それでも許せないなんて思わない、思えない。

 それにトリアや奏は甘いって言うかもしれないけど、いつまでも根に持ってたらダメだもんね。


 即答で応えた私になんて言ったらいいか分からないみたいだ。口を開けたまま固まる皆から奏とトリアを連れて離れる。せっかくだから用意してもらった席に座ることにしよう。


 「じゃ、ぱーてぃ……しよ?」


 ★猫まっしぐら


 効果

 全ての猫が前にしか移動できなくなる代わりに、1度に移動できるマスが二マスになる。


 紹介文

 狙いを定めて突き進む!

 進め猫ちゃん! 勝利のために!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ