図書館への道のり2
「では、なな行きましょう」
「はい、お嬢様」
ななにお嬢様と呼ばられて、はっとなる。
「なな、お願いがあるの」
「はい、何でしょう?」
「私のことは、愛莉って読んで欲しい」
「はい…、え?え!?お、お嬢様を呼び捨てにするのは……ちょっと…。わ、私にはレベルが高すぎます!!」
「お願い!じゃないと目立つしお忍びじゃなくなるんだもん」
それに━━。
「━━それに、以前にも言ったように私たちは歳が近いのだから、敬語はいらないわよ」
「でも…」
「本当にお願い!!」
ふふ、ななが押しに弱いの知ってるから!
悪いけど、今日は利用させてもらうね。
ごめん!!心の中で謝る。
「うう…。じゃあ、せめて愛莉様で、お願いします……」
「ありがとう!なな!」
「では早速、愛莉様。これを」
と、ななはストローハットを私の頭の上にのせた。
「さすが!ありがとう。なな」
「じゃあ今度こそ行くぞ〜。図書館へ出発だ!」
私達はうきうきしながら、図書館へ目指した。
◇◇◇◇◇◇
私達は街を楽しみながら、ようやく図書館が見えた。図書館に入る門に向かう。
この図書館は神界の最大の図書館で本がたくさんある。そして、ジャンルも豊富だ。
前世はよくここの図書館にやって来ては、本を読んでいた。帰る時にはいつものように本を借りていたため、司書さんに「今日は〇〇の本が新しく入ったよ」など声を掛けられることもしばしばあった。
懐かしいな
また、お世話になります!!
心の中で挨拶をする。
昔の事を思い出していると、ななに「あの…」と声を掛けられた。
「あの…、愛莉様はなぜ先、あんなに目立っていたのに…誰にも声を掛けられなかったのです?たしかにあれは、お嬢さんの行動ではなかったけど、それでも腰まであるアメジストの髪の毛に白のワンピースは明らかにご令嬢の姿だ。ってなるはずなのに……!なのに、誰も声を掛けないじゃないですか!!どうしてなのです?」
「じゃあ、逆に聞くけど…なぜななは私に聞くの?」
ななは「だって…」と続けた。
「━━だって…、先通った街は、チェーロ家系の管理の所だし、それに腰まであるアメジストの髪は、愛莉様で有名ですから。ならば、次は街の人がわからなかった愛莉様に原因があるんじゃあないかと思ったんです!」
「すごいね。なな。合っているよ。」
「愛莉様はどうやってやったんです?どうして町の人が分からなかったんですか?」
「それは……」