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狂ってしまった歯車  作者: elly9521
一章 思い出した前世
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記憶2

 お母様、お父様、ユウタが部屋から出ていてから、私はずっとさっき思い出した記憶を考えていた。


(言わなくてよかったよね……。)


 この神界は、天国のようなものだ。人間界で全力で人生を終えた人たちはこの神界で自由に暮らせる。

 そして現在、神界を守ったり、管理するのが神一族であり、その神一族をサポートするのが、おもに私の家系──チェーロ家系とソラーロ家系の二つの家系で成り立っている。


 ソラーロ家系については、正直あまり知られていない。もし詳しい人がいるなら、教えてほしいくらいだ。


 それでも、不思議と“懐かしさ”だけは胸に残っている。

 なのに、思い出そうとすると胸が苦しくなる。


 誰かが、私の記憶の奥に“鍵”をかけたみたいに。

 名前を聞くたびに、心の奥がかすかに疼くのだ。


 それに、自分でも記憶のことについてはよく分かっていないし、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。そのことに引っかかりを覚える。



 ◇◇◇◇◇◇



 この神界にも、ルールがある。私たちは、それを“掟”と呼んでいる。

 その中の内容は絶対に守るとされていて、具体的には下のような感じだ。



【神界の掟】

一、人界にて正しく生を終えし者のみ、此処へ至るを許すこと。

一、神界に住まう者は、己の心に従い、自由なる生を謳歌すべし。

一、他者を傷つけ、秩序を乱すことを禁ず。

一、家族の縁は生死を越えて続くものとする。

一、神界の記憶は、すべての生を越えて継がれるものとする。

一、神界にて命を終えし者は、再び人界へ還ること。──輪廻の理、ここに在り。


 こんな風に書かれていたはず。覚えているのは、これくらいだけど。


 でも、覚えている通りであったら、やっぱりおかしい。

 ……私は、いつ記憶を思い出した?あの夢の中?それとも──


 頭の中に渦巻く“違和感”だけが、確かにそこに残っている。

 考えれば考えるほど、霧が深くなっていく。

 ……まるで、誰かが意図的に“思い出させまい”としているかのように。



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― 新着の感想 ―
設定が細かくて見てて飽きないです、面白い! 神界行ってみたい、
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