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神社に向かって
「よいしょ、よいしょ」
階段を一段踏みしめる度に、声が出る。
ちょっと緊張しているのかも。
神社は山の中腹にあるので,石段を223段登る必要があるのである。
ちょー大変だ。
頑張って登ったところで、強面のおじさんが住んでいるだけだ。
いや、喋る亀もか。それは楽しみ。
「そういえばカメタキってこの階段を下ってきたの?」
「いやいや、私は川を下って参りましたぞ」
「なるほど。その方が楽そうね」
カメタキは案外重たい。
自分で歩いてくれないかしら。
でも階段は酷だよね。
「おやおや、さゆりさん。気配が黒くなっておりますぞ」
あらま、カメタキにはバレてしまうようだ。
なんとやっか……いや便利な能力だなぁ。
「もうすぐ頂上ですなぁ。して、さゆりさんはあの性格の悪そうな神主とどういったご関係で?」
あのおじさんは亀にも分かるほど性格の悪さは顔からにじみ出ているようだ。
私もお使いじゃなければ、来やしない。
「まあ、複雑なのさ、カメタキくん」
「おや、嬉しいですなぁ。”カメタキくん”ですか。距離が縮まった気がします」
「ふっふっふ。いいってことさ。カメタキくん」
そんなこんなで、神社に着いた。




