22. クラス会の朝
ギャグ少なめです。ごめんなさい笑
「親睦会だとぉ!?」
「なんすかそのリアクション…………」
翌日。俺と早瀬さんの服が外出モードになっており、フミさんに対する今日は昼も夕もご飯いらない発言により、デートか?と不審になった菊井さんが俺たちに予定を聞いてきたので、素直にクラスの親睦会と言うと、このリアクションをとられた。
「クラス会か……………全員参加すんのか?」
「まぁ、一応」
「全員参加……………とりあえずはまぁ………よーしわかった!ギリセーフだ!」
「何がですか………」
「あぁ?遊びならまだしも食事までってお前完全に青春じゃねぇか!いいか?食事の場ってのは何気に人の本性が出やすい。出やすい分そういう男女の仲に発展する可能性が上がるんだよ。お前がクラスの誰かとカップル♡とかまじ吐き気しかしねーから。あの手この手で別れさせるね」
「ゲスだなほんと。もう目も当てられませんよ」
「だったらさ!世良くんのことが好きで嫉妬してるって考えたらいいんじゃない?ハハッ」
「菊井さんに?誰得ですかそれ!ハハッ」
「ハハッ、面白い遺言だなぁ………!」
シュンさんと2人で笑い合っていると、俺たち2人の前に指を鳴らしながら菊井さんがこちらを睨みつけている。
「いやいや、冗談ですって」
「問答無用だぁ………」
「ていうかさぁ………」
菊井さんに殴られる寸前で、先生が俺たちに向かって声をかける。
「その理論で言うならここでほぼ毎日一緒に食事してる世良くんと彩ちゃんなんか一番危険なんじゃないの?」
「え…………」
俺と早瀬さんが……………カップルに?
「ぬおぉぉぉぉおお!!考えてなかったー!」
「ふふふっ!」
膝から崩れ落ちる菊井さんを勝者の笑顔で上から見る。
「む、くっそぉお!」
「……………………私と世良くんはそういうのにはならないし、大丈夫だと思うけど」
「え…………」
「おぉ!」
本を読みながらそう言う。
俺と早瀬さんは、そういうのにはならない?大丈夫?
あれ?俺今振られた?
───チーン
「もう、どうでもいい………」
「おら!おら!…死ね!」
床に倒れた俺の顔面を菊井さんはこれでもかと踏みつける。
「振ら……れた…………」
「ハハハッ!負け犬は三度死ね!そして生き返り!」
「あぁ、菊井さん………!」
「勝者の靴舐めながらもっかい死ね!」
「一瞬でも思った優しいという感情に俺は今猛烈に謝罪がしたい」
「ちょっと!ソーにぃを蹴らないでよ!」
ツボミちゃんが菊井さんを睨みながら、俺の腕を引き、抱きしめる。
菊井さんとツボミちゃんの間に火花が散る。
「あぁ、ツボミちゃん…………俺の味方は君だけだ」
「えへへ……」
「ロリコンかよ。きっも」
「ソーにぃはキモくないです!それ以上侮辱しないでください仁美おばさん」
「おばっ…………!お前、昨日今日でキャラ変わりすぎだろ………」
「私からしたら十分おばさんです!私のお母さんとほとんど歳変わらないじゃないですか!」
「ぐっ……………クッソォ!ムカつく!世良め……強力な味方をつけやがった!」
なんと、ツボミちゃんvs菊井さんはツボミちゃんの勝利となった。
強し。この子供、強し。
「ありがとうツボミちゃん……」
「いえいえ!ソーにぃは私の大切な人ですから!」
うっ、いい子すぎてなんか泣きそう。
と、俺たちがやっている裏では──────
──────菊井が騒ぎ立て、世良が落ち込んでいるのを横目に見ながら宮博は本を読んでいる早瀬に近づく。
「いいの〜?あんなこと言って」
「…………………別に事実だし。問題ないと思いますけど…………?」
「ふーん。彩ちゃんはその気がないんだ?」
「…………………だって、男の人とそういう恋人とか、恋とか…………よくわからないし」
「恋愛小説は読まないの?」
「…………………読むし、理解も納得もできる。でも………いざ自分ってなるとよくわからない……」
「ふーん。でも世良くんの方はわからないじゃん?もしかしたら彩ちゃんのこと好きになるかもしれないよ?そしたらどうするの?」
「…………………それもないと思う………」
「えっ、どうして?」
「…………………だって………」
早瀬はツボミと仲良さそうに話す世良を見る。
「…………………ツボミちゃん…………私には敬語を使う………」
「ん?なんの話?」
「…………………私だけじゃない。他の人にも。リョータくんは置いといて、タメ口で話すのは世良くんか世良くんに関連するときだけ…………」
「ま、まぁ………だって世良くんに一番というか、特別に懐いてるからねぇ」
「…………………世良くんにだけ………心を開いてらからタメ口………敬語を使うっていうのは、心を開いてない証拠…………」
(あぁ!そういえば世良くん、最初の彩ちゃんの雰囲気のせいで緊張するって言って彩ちゃんには敬語使ってるのか………今はだいぶ絡みやすくなったけど、癖になっちゃったんだなぁ………)
「タメ口で話して欲しいならそう言えばいいじゃん」
「…………………せっかく同居してるんだし、友達くらいにはなりたいとは思ってる。でも…………世良くんが自分からタメ口を使ってくれるようにならないと…………本当に心を開いたとは言えない」
「えっ、友達ですらないの!?」
「…………………うん。だって…………世良くんは基本的に男女問わず呼び捨て。私のことはさん付けだし、敬語だし、連絡先もその他もろもろ何も知らない……………」
(それは彩ちゃんが分かりにくいからだと思うけど……………)
「…………………私、口下手だし、話すの他の人に比べたら楽しくない…………だから多分、私のこと完全に心を許してないんだと思う…………」
「じゃあどうするの?」
「…………………別に、そんなことでいちいち悩んだりはしない。バカらしいし」
「1人が楽しいってスタンスは貫くんだ…………」
早瀬が少なからず世良のことを気にかけながらも、世良の気持ちに気づかないことに鈍感だなぁと思いながらも面白そうだからいっかと思う宮博だった。
──────
と、そろそろいい時間になってきたので俺と早瀬さんは家を出る準備をし、玄関へ向かう。
「いってきまーす」
「…………………いってきます……」
俺たちが出ようとすると、俺の服をチョイチョイと後ろから引っ張られる。
「いっちゃうの?」
振り向くと、そこには若干目の潤った少女、ツボミちゃんがいた。
「うん。ごめんね?」
「今日は………遊べない?」
───ドッキューン!!
震えた声、泣きそうな目、上目遣いの表情。
可愛い。シンプルに可愛い。
お兄ちゃんに懐く甘えたがりの妹を持ったみたいだ。ロリコンではないがこれは素直に可愛い。
「夜には帰るから、寝る前の少しだけなら遊べると思うよ………」
そう言うと、ツボミちゃんは顔をパァァと明るくして、涙を拭く。
「そっか………本当は寂しいけど…………それなら私、我慢するね!」
「うん。ありがとう」
「ふふっ、いってらっしゃい!」
「うん!いってきます!」
ツボミちゃんの挙げた手と軽くポンッと握手すると、互いに手を振りながら出る。
──────2人が出た後のみんな。
「はぁ…………世良のどこがいいんだ?」
菊井は頭をかきながらいかにも呆れたという表情でツボミに近づく。
その言葉を聞いたツボミは横目で菊井を睨みながら言う。
「ソーにぃの魅力がわからないような人だからいつまでも…………(略)」
「おいこらガキ。略すな」
「とにかく!これ以上ソーにぃをいじめないでください!」
「ちっ………………ほんっとキャラ変わりすぎだぞ」
──────
そうして今は、早瀬さんの隣を歩く。
「く、くぅぅぅぅ……………早瀬さん見ました!?ツボミちゃんもう、めっっっちゃ可愛いですよね!」
「…………………ロリコン」
「だから違うって!」
早瀬さんは顔を歪ませる。
「…………………ぐぬぬ………悔しい!世良くんばっかりずるい!私には全然あんなことしてくれないのに!私も遊べないの?とか言われたい!」
早瀬さんは柄にもなくその場で体をバタバタさせる。
「く、や、し、いー!」
本人的には本当に悔しくてこういう行動をとっているのだろうけど、なんかこう、いつもクールな早瀬さんがドタバタするのがギャップで………
(こっちも超可愛い〜!)
なんか今日、朝から俺ついてる。菊井さんの邪魔もほとんどない。
あれ?俺もしかして今日死ぬ?なんかそんな気がしてきた。あれ?でも今なら死んでも悔いないかもしれない。
そうしているうちに、集合場所の付近まで来る。
「それじゃあ、そろそろ別行動とらないとですね」
「…………………そうだね」
「どっちが先に行きます?」
「…………………世良くん先に行っていいよ。私はギリギリに行くから……」
「え、いいんですか?」
「…………………私が先に行ってもあっちで喋る友達がいない。集合場所で1人だけ本読んでたらみんなも私も気まずい」
『じゃあたまたま会ったってことにして2人で一緒に行きませんか?』
喉まで出かかったが結局言うことは出来なかった。
断られたらはずいし。神よ、チキンな俺を笑ってくれ。
ってセリフが既にくさい。
「………わかりました。じゃあ、また後で!」
そうして俺は1人で集合場所へと向かった。
ツボミちゃん可愛いですね。ただ、あくまでも子供としての可愛さです。ロリコンには気をつけてください。
ブックマーク、高評価、ご感想、よろしくお願いします!




