火竜の巣窟 序話
ほんとに適当な文になってしまい申し訳ないです
零蒔は冒険者ギルドに着くと、静かに入り色んな所からの依頼が貼られている掲示板、通称ギルド盤とにらみ合いをしていた。
「ふむふむ、俺は成り行きでSSになったからほぼ全部依頼を受けられるけど、最初は様子見として軽いのにした方がいいのかな?」
ん?この火竜の巣窟を調べてほしいという依頼とかいいんじゃないか。行商人からの依頼で、この時期になるとシリカブと王都を繋ぐバルティアン火山に住み着いて襲ってくるのが怖いのでって、なんでそんな道通るんだよ!
え〜と、報酬は金貨5枚か、いいのか悪いのか分からん。
「あ、レイジ様ではないですか!」
零蒔が面白そうな依頼書を見ていると、ギルドの横に併設してある食堂からミルが大きな声を出して近づいてきた。
もちろん、ミルの声でギルドにいる冒険者達の目線が零蒔に集まった。
ちなみに零蒔は今、隠密行動をするかのように気配を薄くしていると思っていた。
(!?…なんで気づいた?絶対バレない程気配を薄くして入ってきたのに)
なんで、俺が気配を薄くしたって?俺はSSランクになったのは昨日だろ?で、その日に宴のようなものが行われた。その時にだな?強い新米が自分のファミリアに入ればどうなると思う?………そう!ファミリアの名声が高くなるのだ!そう考えると、もう分かるだろ?昨日、銀楼の龍団のアリアさんとクラッゾさんが来てくれるまでずっと勧誘されていたのだ。
だから、静かにギルドの依頼を受けようかなって思ったんだよ。
「や、やぁ!ミルじゃないか?そんなに大声だしてどうしたの?」
「名前覚えてくれていたんですね?」
ミルが一段と明るい笑顔で聞き返してきた。
そりゃあ覚えてるでしょ、昨日のことを忘れるって、鳩じゃないんだから。鳩は三歩歩いたら、か。
「まぁな、それよりどうしたんだ?」
「はい、それはですね!レイジ様がギルド盤の前にいたので、お声を掛けさせてもらいました!」
おぉ!それは凄い。なんで気づいた?俺の気配薄くなかったのかな?
でも、そしたらほかの人たちは気づいてるはずだよね...なんだこいつは?!
「それよりもレイジ様は依頼を決めました?」
「依頼か?それならこの火竜の巣窟を調べてきてほしいって依頼を受けたいんだけど…」
「..............」
ポン、ポン、チーン…
「あ、あぁ、あぁぁァァア?!レイジ様、正気ですか?いくら、SSランクになったからって昨日冒険者になったばかりのレイジ様が、火竜ぅぅ?!
死にますよ?」
(なんだ?そんなに驚くことか?てか、冒険者も驚くなよ!)
そもそものこの世界での強いって基準が未だに分からない。レートというものが存在はするがそれが一体どれほどのものなのかは実際にこの目で確かめないと分からないし。
「火竜って分かりますか?Sランクの人でもちゃんと準備して、しっかりと編成を組んで、作戦も整えた上で戦う様な魔物ですよ?ましてや、バルティアン火山は強い魔物の巣窟、その頂上までは近道をしても半日はかかるし、上に行けばいくほど階層内の温度は上昇し、最大で体感温度は100度を有に超えてると聞いてます!そんな所にわざわざ一人で挑むんですか?」
へぇ、そんなに強い奴がいるんだったら俺の魔法を試せる絶好の機会じゃないか!体感温度100ってやばくね?沸騰した水に全身浸かるみたいな感じじゃない?それ何とかポーションとか必要だよね?
「なら尚更やるべきだな。俺自身、自分の魔法をはっきり理解してないんだよね。ただ分かっていることは自分の能力が無限大だということ」
「レイジ様、勇者召喚で間違えて召喚されてしまった。その代償として女神様から能力を授かったとシリカ様から聞いてます。その能力がいくら無限大だとしても、これだけは許すことはできません!もし、行くならば銀楼の皆さんと一緒に行っていたd…「私が許す!」え?!」
零蒔とミルが軽い口論のようなものをしていると途中から割り込んできた声に2人は驚いた。
「シリカ様!何故ですか?危険な依頼に1人で挑むんですよ?」
割り込んできたのは、銀楼の龍団団長のアリアとクラッゾを引き連れたギルマスのシリカだった。
「だから尚更なのよ。これはレイジの名前を決めるきっかけになるから」
アリアは少し強めにミルに言い放った
「俺の名前?一体どういうことです?」
「レイジはもちろん、この場にいる全員にも聞いてほしい!」
シリカはギルド内にいる関係者全員に聞くように促した
「ここにいるレイジは昨日SSランク者となった。そこでもう一つ、君たちはもう知ってると思うが、テルミニア帝国が勇者召喚において誤召喚があったと知らせが来ていると思う。そして、彼はその召喚に巻き込まれた者であるとここで伝えておく」
えぇー、今それを言います?ていうか、何サラッとバラしちゃってるんですか!
「彼がその巻き込まれということを秘密にしておいてほしいのだ!この場にいる者に先日のガイトルにおいての消えた巻き込まれというニュースを誰かに聞かれても、レイジがその巻き込まれということを隠しておいて欲しい!そこで、君たちに戒禁をすると共に、彼の二つ名をこの依頼において決めさせてもらう!だから、これからは彼を呼ぶ時はその名で読んでもらう」
戒禁?そんなこと出来るのか、すげーな魔法って。
俺の呼び方決まんの?二つ名が早めに決まるのは嬉しいな。
「だから、レイジその依頼を受理しよう。だが、ミルが言っていたようにバルティアン火山はほんとに苛酷な場所だ。しっかりと準備してから行ってくれ」
シリカから依頼の許可を受けたあと、シリカはギルド内とその周辺にいたであろう人たちにある戒禁を言い渡した。
-八鍵零蒔に関するある特定の情報を漏らすことを禁じる。
-八鍵零蒔についての情報を聞かれた時、直接的な情報を渡さないこと。