パート3
零蒔はなんとかこの世の事実から立ち直り、自分には強さが足りないと気づいたため、長老に土下座までして少しの間魔法や武術などを教育してもらって一週間ほど経ったある日、長老が零蒔にあることをきりだした
「なぁ、レイジよ。お主の魔法の才能は神によるものではない。それは自分自身の力だその地球というところでは魔法というものが存在しないと言ったな?だがもし、魔法が存在していたのであればお前は今と全く同じものが身についているだろう。そのことにお主も気づいておるだろう?」
零蒔は呆然とするしかできなかった。ラビアに飛ばされる前、つまりラクフィに力を与えてもらった時、零蒔は創造魔法のことに一番疑問に思っていた。ラクフィは手違いということで俺に特典をつけてあげたと言っていたが、その特典が勇者よりも完全に優れていたことに疑問を抱えた。そしてそれが、元から存在していたものが地球というなんらかの法則に基づいて使えないと言った形になっていたのであれば、ラクフィは召喚者の秘めた力を解放するためであって、力を与えたのではなく、力を解放してあげたと仮定していたのである。
「まぁ、だいたいのことは予想ていうか仮定していたからな」
「ふむ、ではどうだ?シッカに行ってみてはどうだ?あそこならもっと学ぶことができるぞ?ワシら旅をしなくなった者達が常に揺れ動く情報を古いのしか持っていないのでな」
最もだと感じた。それに零蒔自身、近頃旅に出ようかと思っていたのだ。
「俺自身、そろそろこの世界を見て回りたいと思っていてね。旅でもしようかと思っていてね」
「そうかそうか、いつ頃ここを出るのだ?最後の夜くらい全員で晩餐をやりたいと思っているのでな」
「明後日あたりかな?朝くらいにはここを出たいから」
「随分と急だな?果てはこっそり出て行くつもりだったのか?」
「違うよ。ほんとは今日いうつもりだったんだけどね」
長老と零蒔はこのままレナウラが零蒔を呼びに来るまで話し込んでいた。ラントはどうだったとかこれからどう進むのかとか聞きたいことや話したいことをそれぞれ話した。
次の日の夜、零蒔と一緒に過ごせる最後の夜となり、ラント中のエルフがある集会所に集まっていた。晩餐の会場となった集会所は月に一回ある定例会議や不定期に行われるラントの祭りや客人をもてなすために用意される場所として使われていた。
「ラントのみんな、この約1ヶ月の間大変お世話になった。ラントの常識がわからないから最初の方は教えもらったり怒られたりしていたけどここでの生活がだいぶ楽しいものだと気づいた!今日でお別れになると思うがいずれまた会えることを俺は切に願う。今までありがとう」
ラントでの短い日々を思い出しながら喋っていると涙ぐんでしまった零蒔は涙を必死にこらえていた。
そして、それは零蒔だけではなかった。
肉屋のダインはともかくレナウラに長老など零蒔と深く関わってきたエルフは堪えるどころか涙を垂れ流していた。
宴会に参加したエルフはラントに住むエルフ全員が参加していた。用意されていたご飯は開始から1時間もすればなくなっていて、各自の家から持ってきた酒やジュースといった飲み物で思い出話を各々していた。
それぞれが泣いたり笑ったりしている中2つの影をその会場からこそこそと抜け出していた。
零蒔とレナウラであった。レナウラは零蒔を外に呼び出す形で誘い出した。
「んで、話ってのはなんだ?まさか、行かないでくれとかはやめろよ、レナ?」
「レイジを行かせないとかは言わないよ、でももう少し一緒にいていたいと思ってるの。ううん、これからもずっと一緒にいたい!レイジと離れ離れになることが私の中では駄目だっていっているの」
レナウラはこの1ヶ月の間ラントに住むエルフ達とも仲良くやっていたし、長老とは修行で手伝ってもらっていたけれど、一番深く関わってきたのは朝昼晩の食事も修行も一緒に過ごし、一番長く一緒に過ごしてきていた。互いのこともだいぶ理解できるようになっていた。
そして、レナウラは零蒔のことを大体は理解していた。小春や琴音に限らず地球で過ごしてきた中で大切にしてきたものも教えてくれた。
それを理解した上でレナウラはこの1ヶ月の間で零蒔に積極的に女のメスとしてアピールをし続けてきた。密かに零蒔に想いを寄せていたのだ。それは周りからも見て取れていただろう。
「わ、私ね!は、は、初めてあった時からね一目惚れしていたの!レイジには大切に想っている人が2人いることくらいわかっている。だけど、それを理解したとしても受け入れられることはできなかった。だからそこにあなたが大切に想う人に入れてくれない?」
レナウラなりの最後の告白であった。この晩餐でお別れになるのが辛かったのだ。レナウラ自身もっと長くいるだろうと思っていたからだ。
それが明日旅立ちという急な話になったから今言わなくてはとなってしまった。
「レナ、、、ありがとう。でもいいのか?俺には2人いるんだぞ?」
「うん、それでも構わないよ」
「嬉しいよ俺を想ってくれたなんて。しかし、レナはどうするんだ?」
「どうするって?」
「俺は明日から旅に出るがレナはどうするのか気になってな」
「そんなの決まってるじゃん!零蒔についていく!それ以外に私が告白した意味がないもの」
レナウラの気持ちは零蒔にとって嬉しかった。彼自身、この1ヶ月の間で可愛いと想ったり付き合ってみたいと思っていたりしていたが春や琴音がいるからその雑念をかき消していた。
そして、彼女らのいない生活、干渉してこない生活に慣れ、干渉されることが嫌になってきていた。
「わかった。レナの料理は美味しいし、これからの旅で勇者達に会うことはないからな。旅で1人は心寂しいからね」
これって浮気になるのか?もしそうだったらなんて言い訳しようかって思うだろうが、俺にはすでに2人公式彼女がいる時点で浮気プラスα二股は完成しているのだろう?つまり、俺には浮気という文字なんて効果がないのだ!ふはははぁぁ!、、、、はい、だめですよね。わかってました。ごめんなさい
あと数分もすれば旅立ちか、、長老や街のみんなもレナが一緒に行くっていった時とか知っていたよとか軽くいったしなエルフってエスパー?街のアイドルとかいってなかったっけ?いいのかな?
「レイジ!早く行こ!もうみんな門にいるよ」
レナウラが声をかけてくれたため1人問答から解放された零蒔は、すぐに用意した荷物を持って玄関に向かった。
門に着くと宴会に来ていたエルフが全員来ていた。なにこいつら暇なの⁈
「おお〜やっと来たか。遅いのぉ」
長老がいかにも長老っぽいことを言ったので吹いてしまった。実際長老なんだけどね
「はは!悪いな。家が名残惜しくてさ」
戯けるように言ったが実際玄関から出る時もっと住んでいたかったなと思ってしまった。
「旅に出てお主が見たものはお主が判断するのだ。なにが悪で善かをお主自身で見極めないといけない。お主が進む道だからお主が決めろ」
長老は旅時に用意していたであろう言葉を並べた。
「それと矛盾するが物事の本質を見失いようにしてくれ。お主は大切な弟子なのだからな」
その言葉を最後に長老は門から立ち去ってしまった。その後も「レナウラを死なせたりしたら呪ってやるからな」「絶対生きてここに戻って来て」などなどたくさんの言葉をもらった後何度も「ありがとうございました」と言った後レナウラと共にラントから出て行った




