秘儀伝承
ーーネバからクエストを受注しました。引き受けますか?
→いいえ
「ちょっと、ちょっと待った、何で断る?」
「……私、裁縫のギルドで忙しいと言いますか…………」
ここは浜辺と海と大小様々な小島が浮かぶエリア。ネバが2号を弟子にすると言い出したが、2号は興味がない。
「……いやいやいや、秘儀が習得できるのだぞ?」
「……それ、本当に強いんですか?」
「ぐはっ」
ーーあ、しまった。ネバさんにヒドイ事言っちゃったような。
ネバは「嫌ならべつに…」と呟きながら、しゃがんで砂山を作り始めた。
「わかりました。受けますから」
「始めからそう言えば良い」
ネバは即座に立ち上がって、胸を張って偉そうなポーズを取る。
ーー裁縫の素材取りに来ただけなのに、変な人に会っちゃったなぁ。
「よし!修行を始めるぞ。まず、その刀を預かる」
「え?あ、……はい」
2号は装備していた刀、軽凪をネバに没収さらた。
「代わりに、そうだな……コレにしよう」
ネバは浜辺に落ちていた流木の小枝を拾い上げる。
「一度だけ手本を見せる」
ネバは片手に持った小枝を下段に構え、近くに生えていたヤシの木に向かって、斜めに振り上げた。
小枝はヤシの木まで届く長さがない。しかし、ヤシの木は斜めにスライドし、浜辺に横たわった。
「ほい………これができるまで他の装備は禁止だ」
ネバは2号へ小枝を手渡す。
「これならパンチの方が強いかも…………」
「体術も禁止!」
「えー」
ーーこんな小枝でどうやって、ヤシの木を切ったのだろう?
2号は小枝をよく見てみたが、特におかしい点はなかった。
「地図持ってるか?今、住んでる場所をマークしてやる」
「持ってます…………これです」
ネバは2号の地図にドワーフの街の場所をマークした。
「じゃあ刀も戻ったし、オレは帰ることにする。出来たら見せに来い」
「うーん、時間がかかるかも…………」
「あっさり出来てもらっても師匠として……それはそれでな……」
ネバは手を振って、どこかに行ってしまった。
「一回、やってみよう」
2号はネバのマネをするように小枝を下段に構え、ネバが切ったヤシの木に目掛けて、斜めに振り上げた。
ズシャァァァァァ………………。
ヤシの木の裏側の砂が舞い上がり、砂浜に線状の跡ができている。
「あれ?以外とできるかも…………」




