生き残りの邂逅
久々の更新‥…
そして短めです
今回は生き残りの人の視点です。
そいつは‥…突然私たちの前に現れた。
真っ黒な影のような存在。
最初はナインテイルと呼ばれるBランクの狐型の魔物かとも思ったが違う気がする。
そいつは生き物の持つ生気が一切感じられず
真っ黒な体色に赤く光る眼が不気味にこちらを見ている気がしたから‥…
「こんなところにBランクの魔物が現れるなんて‥…」
「俺たちなら大丈夫だろ!」
「‥…そうだな!何せナインテイルは幻術しか使えねぇーー」
私の前にいた男達は剣を構え喋りながら黒の魔物へと向かっていく。
やめた方がと伝えようとしたその瞬間
二人の男の首が撥ね飛ばされた。
血が噴水のように吹き上がり
頭を無くした体が、ぐらりと崩れ落ちた。
「いやぁぁあぁ?!」
遠巻きで見ていた女性が悲鳴をあげる。
「ーーぁあがっ?!」
声をあげた女性の喉に
魔物の尻尾が延び貫いた。
女性は持ち上げられ逃げようとした人へと叩きつけられる
「っ、皆逃げろ!!」
ギルドの職員さんが退避を叫び
私もその声で立ち上がり距離を取ろうとしたのだが
「えっ、な、なにこれ?!」
透明な壁が行く手を塞いでいた。
持っていた剣で叩いても、魔法を使ってもびくともしない。
魔物はどうやら私とは別の方を襲ってるようだが
ここに来るまでは時間の問題。
魔物のいる辺りでは悲鳴や怒号が響いている。
私は恐怖で崩れ落ちてしまう。
足が震え立ち上がる事が出来ない。
声がどんどん減っていき
辺りは静かになっていく
そしてしんと辺りが静まり返る。
「キュルルル‥…」
黒の魔物が私の目の前に現れる
あぁ、もうだめだ。
恐怖から眼を瞑った時すぐ近くで爆音が響いた。
「無事ですか?!」
恐る恐る眼を開けると、狼にまたがった幼女がこちらに手を伸ばしていた。