04
…次の日の朝
再び菓子パンや総菜パンのバイキング形式
立花がその前に座っている
…それぞれがパンを取っていく中、彩芽が取りに来た際には、再びボイスレコーダーを渡される。
そして東条が珍しくバイキングの場所へ歩いてくる。
あの朝食を食べない東条が…
…
結局立花を見る事もなく通過して東条は神崎のもとへ行く。
「…!」
立花はその東条の動きを追う
「神崎…」
「あ?」
…東条の呼びかけに寝転んでる神崎が不機嫌に返事する。
「昨日、下の階へ行った彩芽さんに聞いた。このモールにはホームセンターもあるのか?」
「あ?あるんじゃねえか?」
「あんたは何回も下に行ってるんじゃないのか?」
「行ってるけど覚えてねえし見てねえわ!」
…溜め息をつく東条。
「ホームセンターがあるのは彩芽さんから聞いたんだ。神崎…まだ数日間なら食品の希望の光は続くぞ」
「あ?」
「停電用に一般人でも購入できる"蓄電池"ってのがあってな、高いんだが…」
と語り出した途端に神崎の顔を見て口を止める。
「いや、細かく話すのはやめよう。要は冷蔵庫を延命させるための電池があるかもしれないんだ」
「なにっ!?じゃあ永遠に新鮮な食いもん食べれんのかっ!?」
と機嫌が悪かった神崎が立ち上がり喜ぶ。
一応改めて言っておくと身長190cmなので立ち上がると威圧感がすごい…
「永遠は無理だ。でも数日は冷蔵庫単位でいけるだろうな」
「よしっ!じゃあそうしろっ!俺は難しい事はわからんっ!」
「昨日の夜にそれに気付いてれば良かったんだがな。もうだいぶ食材はダメになってるだろう。でも常温でも持つ野菜ならまだ生きてるはずだ」
「なんでもいいからそうしようぜ!東条!たまには一緒に行くか!?」
と東条に肩を組む神崎。
…その神崎の肩に手を置き
「あんたはここの大将でしょ神崎さん…下手に動かないでください」
と立花が言う。
「おう、立花、それもそうだな」
「海田ひとりに行かせればいいでしょ…?」
…と言いながら東条を見る立花。
近くにいた海田の顔に怒りマークがつく。
「東条さん…海田に行かせるんであんたも屋上にいてくださいよ」
「……」
「あんたは"有能な人間"だからこそ、俺も失いたくないんでね…♪」
…挑発のように嫌味ったらしく立花は言っているが、東条はもう慣れたものだ。
「でも海田くんに蓄電池はどれかわからないだろ?」
と東条が言うと、
そこに彩芽が入って来る。
「東条さ~ん [はぁと] 私が行きますよ~[はぁと]」
「……」
さすがの立花もこの彩芽のキモイ演技を見てギャグ漫画で見るような大きな汗を後頭部に流す。
「彩芽さんが行くなら心強いな」
「なら俺行かなくても良いっすか?」
と海田が言うが立花がすぐ言う。
「いや、女ひとりに行かせられるか」
「…!」
「海田…お前も頼む」
立花のその指示を聞いて神崎も笑いながら「そうだ海田!女は守るもんだ!」と言う。
海田は相変わらず怒りマークが増える。
「まぁ…それなら……」
…と東条は言い……
「立花……キミと俺も彩芽さん達と一緒に下に行くか?」
「…!」
立花はそう言われ辺りを見回す。
…朝食を食べている春香と麗と美優。
そこに目を向ける。
「何が気になる立花?」
「……」
「俺はただキミを"頼れる存在"として誘ってるだけだぞ…?」
…と、
さきほど立花から挑発されたお返しのように褒める東条
「いや、俺とあんたはここにいようぜ…」
と立花が東条に言う。




