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あの時の会話も録音して立花に渡している…
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「あの2人の気持ち考えた事あんのかくそババァ!!!」
「くそババァかぁ……おばちゃん悲しいな………」
春香が彩芽に殴りかかろうとして東条に抑え込まれたあのシーン。
その前の東条との会話である『立花か東条にBETするか悩んでいる』と自身が発した内容…
それさえも録音して立花に渡している…
それを聞かせたのは、
上記の春香とトラブった後に下のフロアで立花と会って「あんま目立つような事すんなよな?」と注意された時。
私が『立花か東条にBETするか悩んでいる』と発言しているボイスレコーダーを聞かせた所で立花は動じるような男ではない。
立花も私がそうやって真意をすぐ言わないタイプの女だとわかっているから良くも悪くも適度な距離感で私の事を都合良く使ってくる。
「彩芽…お前どうせ俺にも東条にも最初から協力するつもりないだろ?」
「…!」
録音を立花に聞かせた時に言われた言葉だ。
「言い方を変えよう…。お前は、俺か東条のどちらか"熱烈ラブコールをしてくれた方"に流れるタイプ…いわゆる自分から選ぶような人間ではなく『ただ求められたい』人間だ。なのに有能な二重スパイをきどってるイタイ女だ…」
「……!!!」
…容赦ない言葉に彩芽は目を見開く。
「どれだけの付き合いだと思ってる?」
「……」
「お前はそうやって"上手く立ち回ってるつもり"かもしれねぇが、お前は心理戦においてそこまで有能じゃない」
「……」
「東条にも俺にも求められて安心したいんだよ…。俺みたいなヤバイ奴に求められるだけじゃ不安だよなそりゃ?」
「……!」
「東条の野郎はどうか知らねえがどうせ甘い奴なんだろ」
「……」
「……それでも"俺みたいなヤバイ奴"にさえ自分を選んでほしいために、東条との会話を録音したボイスレコーダーを渡して来たんだよな?……さすが彼氏にフラれて仕事人間になったメンヘラだな」
「……」
立花は壁にもたれる。
「本来デキる二重スパイはそんな安易な行動はしねえぞ?なぜならデキる二重スパイは相手してる2人に対して媚びる訳でも敵対する訳でもなく『対等な立場の第三勢力』として堂々と立ち向かうんだ」
「……」
「ただ安心しな……。彩芽………俺はお前を必要としている」
立花が笑みを浮かべ手を差し出す。
………彩芽は気分が悪くなりこの回想をヤメた。
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―――一方の春香は屋上へ戻ると、
「……!!!」
…すでに物資調達から戻ってきている神崎と立花。
その立花が、東条と一緒に元から屋上にあるベンチに隣同士で座りながら会話をしている。
神崎は本屋から取ってきた漫画を読みながら缶ビールを飲んでいる。
海田の姿は見えない。まだ一人で何かやらされているのだろう。
(東条さん…大丈夫なの…?)
春香が東条と立花の姿をチラッと見て胸中でそう言う
「東条さん…」
立花はタバコを吸いながら問いかける。
「フゥーッ…いい加減諦めたらどうよ?」
「……」
東条は立花を見る事もなく無反応。
「改めて話したかったんだよ…もう"兵糧戦"は諦めてほしいから現状を伝えるぞ?」
「……」




