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始まり
「アゼリア様、お誕生日おめでとうございます!」
「ありがとう」
「また一段とお美しさに磨きがかかっておりますね!」
「いい美容液を手に入れましたの。今度プレゼントのお礼としてお贈りいたしますわ」
上辺だけの会話。
貼り付けただけの笑顔。
どいつもこいつもご機嫌取りに忙しい。
どうせ見ているのは"フェリオール公爵"の顔色だろうに。
くだらない。
「(……息が詰まる)」
この場で緊張を緩めるわけにはいかない……が、こっそりと小さく息を吐く。
「……お嬢様、少し外の空気を吸いに行きませんか?」
「クロ……ありがとう。そうします」
少し休憩を、
「……アゼリア様。お誕生日おめでとうございます」
「ありがとう」
「そして、さようなら」
「! お嬢様!!」
「……え?」
祝福の言葉とともに近づいて来た男が何も持っていない手を差し出した瞬間理解する。
自分は今までこのために生きてきたのだと。
やっと…………やっとここから、始まるのだと。
普段エブリスタで書いている同名小説をこちらでも順次アップしています。
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