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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第399話:エルマのポジション

「ただいまー」

「お帰りなさいませ」


 ベースキャンプに帰着、オニオンさんの声を聞くとホッとするね。

 あたしが魔境好きなのは、オニオンさんがいい人だってこともあると思う。


「何か新しい知見はありましたか?」

「ダイダラボッチはレアで雨紫陽花珠落とすとわかった」


 オニオンさんにドロップ品を見せる。


「おお、これも美しいですね」

「結局中央部の魔物は皆、高級魔宝玉をドロップすることがあるね。人形系レアに比べれば効率は悪いけど、ついでに倒すくらいならいいかな」


 オニオンさんが笑う。


「ハハハ、ついでですか。いや、危険を冒して最強魔物群を倒しまくる人はいませんし、魔宝玉クエストなんてもの、普通はありませんから」

「あたしは巡り合わせが良かった。日頃の心掛けがいいからだな」

「これで一旦、魔境中央部へのアタックは終了ですか?」

「そーなるかなー? 少なくとも積極的に魔境中央部行きたい理由はなくなったかも」


 中央部の最強魔物群が何をドロップしていくかはあらかたわかったしな。

 魔宝玉クエストのために高級魔宝玉の数を稼ぎたいなら、北辺でウィッカーマンやデカダンスを狩るのが遥かに効率がいいことも。

 魔宝玉クエストも佳境だ。

 真摯かつ精魂込めて各種経験値君達を餌食にしないと。


「オニオンさん。エルマがそろそろ魔境への『地図の石板』が出ると思うんだ。でもまだ戦争のことは話さないでおいてくれる?」

「了解です。やはり不安ですか?」

「レベルは高いけど、戦闘経験が豊富なわけじゃないじゃん? 戦力として見るのは危険かな。未成年だから親の干渉も大きいの。情報が漏れる可能性もある」

「となると、戦争が始まっても西域には出動させない?」

「うん。カラーズにも念のため一人くらい高レベル者が欲しいしね」


 頷くオニオンさん。

 とゆーか、ギルドに集まる情報をカラーズに報告する人員が欲しい。

 エルマなら打って付けだ。


「海の女王には帝国と戦争になることを話してあるんだ」

「ああ、魚の交易に関してですか?」

「戦時にも魚は食料として期待できるよ」

「ユーラシアさんは働きますねえ」


 ま、あたしくらいしか伝手がないしな。


「女王は戦争にも助力しようかって言ってくれたけど、そっちは断った」

「ふむ? どうしてです?」

「見返りに何を出すって問題があるじゃん? 例えばレイノスからの航行停止を要求されたら困っちゃう」

「ああ、なるほど」


 戦後のドーラの発展は移民と貿易が肝だ。

 ドーラ大陸に雪隠詰めになったらどないもならんしな。

 また『空の敵』が主力なら、魚人の助力は無意味ということもある。


「じゃ、あたし達帰るね。さようなら」

「さようなら、お気をつけて」


 転移の玉を起動し帰宅する。


          ◇


「サイナスさん、こんばんはー」


 夕御飯で腹を満たしたあと、寝る前のヴィル通信だ。


『うん、こんばんは』

「満腹ですごく眠い」

『ハハッ、じゃあ手早く行こうか。こっちは隊商が出発した。カラーズ輸送隊の人員が増えていて驚いたようだったけどね』

「訓練だから。本番では今の交易規模なら四、五人で十分だよねえ」

『ああ。しかし交易規模もすぐ大きくなると思うが』


 大きくなって欲しいな。

 戦後には白の畜産物と灰の農作物が交易品に加わる。

 緑の民が交易に参加すればさらにボリュームアップだ。

 掃討戦跡地に人が住み始めるなら、さらに拡大の余地が十分にある。

 実に楽しみだなあ。


『今日は今までより早い時間に出たぞ。一つレイノス寄りの自由開拓民集落で泊まるというのを試すようだ』

「へー。まああの辺の自由開拓民集落全部と仲良くしとくべきではあるよね」


 フェイさんの指示かな?

 色々考えてくれている。


「輸送隊が帰ってきたらレベル上げするよ。ピンクマンと、もう一人緑の民の子に手伝ってもらって」

『緑の民?』


 サイナスさんが不思議そうだ。

 緑の民は今のところ交易に参加していないから。


「たまたま『アトラスの冒険者』なんだ。この前アレクをレベリングした時一緒にいた子で、やっぱり一三歳」

『……何か考えがあるんだね?』

「その子すごい固有能力持ちなんだけど、最初はへっぽこで冒険者が務まりそーになかったから手を貸した」

『で?』

「その子ん家は有力者ってわけじゃないけど、『アトラスの冒険者』との繋がりから関係修復して、緑の民が交易に参加してもらえるきっかけになるかもしれないし」

『からの?』

「戦争始まると『アトラスの冒険者』は西域を守るんだ。でもその子は未成年ってこともあって、カラーズに置いとく。結果的にカラーズで最も高レベルの人員になるよ。もう最低限の武器防具は持ってるし。五日前に冒険者になったばかりだから、自分で考えて動くってのはムリだけど、指示があればある程度戦えると思う」

『ふむ?』


 戦争に関しては交易に参加してるしていないの事情は関係ないのだ。

 ただどーも緑の民への情報伝達が疎かになっている気がする。

 エルマを使えれば、状況を改善できるんじゃないか?


「当たり前だけどカラーズに回す戦力はないんだ。もしカラーズが襲われることになったら、輸送隊だけじゃなくて彼女も有効に使って自衛して」

『わかった。何て名前の子だ?』

「エルマ。エルマ・ハニッシュ。ちなみにその子はまだ戦争あることを知らない」

『了解だ。これフェイ族長代理には伝えといた方がいいか?』

「うん、よろしく」


 輸送隊は黄の民が主だから、もし防衛戦があればフェイさんが指揮を取るだろう。

 フェイさん自身レベル三〇以上あるし。


『明日には青のセレシア族長がレイノスへ着くはずだ』

「うん、覚えてる。顔出してくるよ」


 レイノス寄りで宿泊ということは、午前中早い時間にはイシュトバーンさんのところへ来そうだな。


『今日の報告は終わりか?』

「あっ、サイナスさん、大変だ!」

『どうした?』

「目が冴えてきちゃった!」

『落ち着け。数を数えなさい』


「透輝珠が一個透輝珠が二個透輝珠が三個、ダメだ。余計に目が冴えてくる」

『ウシの糞が一個ウマの糞が一個ヤギの糞が一個』

「眠くなってきたよ……」

『おやすみ』

「おやすみなさい。ヴィル、ありがとう。通常任務に戻ってね」

『はいだぬ!』


 明日はレイノスか。

 セレシアさんの服屋がうまくいくといいな。

 スタートダッシュが大切だが?

 ただ今の関心事は魔宝玉と戦争。

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