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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第372話:新人さん達の面倒をみるお仕事が増える?

 もう少しだけあたしの思うところを言っとくか。


「どーも『アトラスの冒険者』は営利事業じゃないみたいだけど。何か目的があって運営されてるんでしょ?」

「い、言えないことなの」

「警戒しなくてもいいとゆーのに。内緒ごとを聞き出そうとしてるわけじゃないから。バエちゃんが給料のボーナスのって騒いでるところから判断すると、完全なお役所仕事ってわけでもない。儲けることを推奨されていることはわかるわけよ」


 目が泳いでいるとゆーのに。


「まあ冒険者の数が多くなればアイテム買い取りも多くなるよ。魔宝玉なんかは販売すればかなり差益出るんでしょ? おゼゼの多く発生するクエストは依頼所に回せばいいじゃん。あっちは仲介料取ってるんでしょ?」

「そ、そうね。ユーちゃんはお金に強いわねえ」

「人生の基本だぞ?」


 『アトラスの冒険者』に対する追及はこのくらいで勘弁しとくか。

 どっちにしても新人さんの面倒をみる仕事は増えそう。

 何も知らん新人さんと早めに顔合わせできるのは楽しいかもしれないな。


「そろそろ帰るよ。スキルスクロールのラインナップ、すぐ増やしてくれてありがとうね。大分助かった人がいるよ」

「こっちこそありがとう。ノーコストの魔法、もういくつか売れたわ」

「まだ需要あると思うよ。でも販売したことをあんまり知られてないんだよ。ギルドで告知しないと」


 ゴシップ屋のダンが知らなかったくらいだしな。


「宣伝は重要ね」

「クララ、アトム起こして」


 アトムが『キュア』で正気に戻る。


「また来るよ」

「じゃあね。きっとよ」


 転移の玉を起動して帰宅する。


          ◇


「サイナスさん、こんばんはー」


 毎晩恒例のヴィル通信だ。


『今日はちょっと時間が早いね』

「明日の予定がまだ決まってないんだ。サイナスさんの話も参考にして決めようと思って」

『ハハッ、殊勝だね。あの服はどうなった?』


 青の民族長セレシアさんがイシュトバーンさんの注文で作った服か。

 露出が少ないのにえっちだという驚きを提供してくれました、はい。


「大好評だった。店出したらイシュトバーンさんも協力してくれるって。方針決まったら連絡くれって言ってたよ。これ、セレシアさんに伝えといてくれる?」

『わかった』


 セレシアさん喜ぶだろうなあ。

 自分の仕事が認められたってことだから。


「カラーズは何かあった?」

『黄の民フェイ族長代理から連絡があったぞ。明後日の午後、他色の民の輸送隊員候補が集まるから見てくれとのことだ。灰の民からアレクを出すことも伝えておいた』

「明後日の午後ね、了解。今の輸送隊との顔合わせもありだね?」

『おそらくな』


 ボチボチ隊員のレベリングも考えないとな。

 レベル三〇くらいあればいいと思う。


「とりあえず、明日は何もない感じ?」

『ああ』

「わかった、サイナスさん、おやすみなさい」

『まだ寝ないんだろう?』

「もう少し起きてるね」

『じゃあまた明日』

「うん。ヴィル、ありがとう。通常任務に戻ってね」

『はいだぬ!』


 さて、明日はどうしよう?

 うちの子達の意見を聞いてみるか。


「ということでーす。明日カラーズには用ないみたいだけど」

「シンプルに魔境、ギルドでセルでいいね」

「そーだな、魔宝玉クエストを進めることを考えよう。明日魔宝玉稼ぐとまた結構な数になるからギルドで預かってもらって、余分なアイテムは売っちゃおうか」

「「「了解!」」」


 思ったより簡単に明日の予定は決まった。


「じゃ、今日の復習だけど。魔境中央部の魔物も問題なく倒せることはわかったね。でもやっぱり効率が良くないから、ムリに倒しにいくのは止めよう。普通に遭ったら倒す、くらいかな」


 皆が頷く。


「効率であれば、やはり北辺西の人形系レア魔物の多いエリアは外せません」

「でもベヘモスのドロップは欲しいぜ」

「それなー。あたしも気になるわ。じゃ、明日はワイバーン帯を大回りして人形系レアのエリア行こうか」

「「「了解!」」」


 明日こそベヘモスに遭えるに違いない。


「ペペさんから買った魔法『大魔道士の祝福』について」


 回復効果率二〇〇%、ヒットポイント自動回復一〇%、マジックポイント自動回復五%、クリティカル無効、能力低下無効を味方全員に与える支援魔法とのことだが。


「回復効果率って何だろ?」

「回復魔法やポーション使った時のヒットポイント回復度合いですよ。二〇〇%ということは、例えば『ヒール』をかけられた場合、通常時よりも倍回復するということです」

「あれ、すごいな?」

「はい。ただし自動回復には適用されません」


 ヒットポイント自動回復一〇%が実質二〇%になったりはしないということか。

 いや、強敵相手の長期戦ではありがたい効果だ。


「既に能力低下を食ってるケースで、この魔法をプレイしたらどうなるね? 能力低下はキャンセルされるね?」

「魔法の効果からして、能力低下は解除されそうだねえ」


 検証したいが、能力低下なんか食らわないしな?

 あ、レッドドラゴン相手ならチャンスはあるか。

 『カースドウインド』食らったら『雑魚は往ね』をキャンセルしてこの魔法使ってみてもいい。


「『大魔道士の祝福』は使う機会がないと思いやすぜ」

「あたしも使わない気がするな。最後にバエちゃんとこ。どうやらシスター・テレサに警戒されて、こっちが活動しにくくなるということはなくなったようだね」


 とゆーか過大評価されてる気がする。


「結果として問題が解決されりゃいいんじゃねえですかね?」

「ウィンウィンね」

「そーかなー? 余計に忙しくなりそうだけど」


 クエストはほぼ無限に発生するらしい。

 提供されない心配はなくなったな。


「新人さん達の面倒をみるお仕事が増えるよ?」

「いいじゃないですか。ユー様、得意でしょう?」

「いい子だったらいいけど、ダンみたいなクソ生意気な子押しつけられたら嫌だもん」


 ヴィルも最初は生意気キャラかと思ってたけど、慣れてきたらただのメッチャ可愛くて素直ないい子だったわ。

 これは生意気キャラを押しつけられるフラグに違いない。


「戦争もあるし、これからあとは新人が入ってこないんじゃねえでやすか?」

「あり得るねえ」


 バエちゃんも上には戦争のことを伝えてるに違いないしな。

 新人を絞るかもしれない。


「ま、いいや。今日は以上だな。おやすみっ!」

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