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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第368話:最強魔物群と戦う

 フイィィーンシュパパパッ。


「オニオンさん、こんにちはー」

「ユーラシアさん、いらっしゃいませ」


 この世の楽園、魔境にやって来た。


「魔境はいいねえ。あたしここの空気大好きだな」

「いいことです。じゃんじゃん稼いでいってください」

「おっ? オニオンさんはかなりあたしを理解してきたね?」


 アハハと笑い合う。


「午前中、ダンさんがいらしてましたよ。以前、ユーラシアさんがレベル上げしてた方達とのパーティーで」

「ダンが? 危なくなかった?」


 農場の面々と来たか。

 レベル的には問題ないだろうけど、魔境に連れてきて訓練するほど立ち回りも教え込んだとは。

 もう収穫も秋植えものの時期も過ぎてるとは言え、随分熱心なことだな。

 もし帝国との戦争で『オーランファーム』が焼かれたりすると、レイノスの食がいっぺんに足りなくなりそうだから、ダンも危機意識を持ってるんだろう。

 

「ぬるい戦いじゃダメだって仰ってましたね。オーガ帯ではワタクシがここから見ていた限りでは特に問題なく」


 結構おゼゼつぎ込んでるっぽいな?

 パワーカードやスキルもかなり揃えたんだろう。

 毎度ありがとうございます。

 ダンのパーティーじゃ人形系レア魔物は倒せないだろうけど、魔境で手に入る素材やアイテムは比較的高値で売れるからいいかも。


「あたしも頑張らないとなー」

「今日は中央部の最強魔物群に挑戦を?」

「うん、そのつもり。行ってくるよ」

「行ってらっしゃいませ」


 ユーラシア隊出撃。


          ◇


「姐御、今日は中央部ですかい?」

「試しに一当てしてみよう。何落としてくか楽しみだよ」


 ドロップ品もきっといいものだぞ?

 レアドロップをぜひ手に入れたいものだが、ワクワク。

 あれ、どーした。

 うちの子達が緊張してる気がするな?


「どういうストラテジーでバトルね?」

「ウィッカーマン戦に準じたカード編成でいこう。イビルドラゴンの時は『スナイプ』を『ドラゴンキラー』に、リッチーの時は『アンデッドバスター』に置き換えればいいんじゃないかな。ダンテが『豊穣祈念』、アトムが『コピー』、クララは念のため『ハイリカバー』唱えといてくれる?」

「「「了解!」」」


 人形系レア以外で中央部で確認している魔物は、最強のドラゴンであるイビルドラゴン。

 最強のアンデッドであるリッチー。

 最強の巨人であるダイダラボッチの三種類だ。

 でも……。


「ユー様、防御力を薄くして大丈夫でしょうか?」

「多分大丈夫だよ。まず目の前の魔物倒していこうか」


 だってパラキアスさんは一人でイビルドラゴン倒したとか言われてるんでしょ?

 うちはレベルカンスト者四人のパーティーだぞ?

 恐れることなどあるものか。

 魔物を倒しつつ真っ直ぐ中へ。


「そーいやベヘモスって遭ったことないねえ」

「素材落とすんでやしたっけ?」

「『ベヘモス香』をドロップするという話でしたか」

「ベリーレアね?」

「レアなのかなあ? あたし達結構魔境来てるのに遭えないとなると、かなりだね」

「強さから判断すると、おそらくワイバーン帯に生息しているものと思われますけど」


 オニオンさんに確認しとくとよさそうだな。

 『ベヘモス香』はゲットしたことがないから。

 見たことない素材はパワーカード交換の関係で一つは欲しいし。


「レッドドラゴンか」

「今更でやすね」


 まさに今更。

 雑魚は往ねなんですけれども。


「『逆鱗』っと。イビルドラゴンもドラゴンだから、きっと『逆鱗』取れるよね?」

「はい」


 魔境中央部の最強魔物群はレベルカンストらしいので『雑魚は往ね』は効かない。

 さらに中へ。


「……イビルドラゴンね」

「緊張する必要ないよ? リラックスしていこうぜ!」

「「「了解!」」」


 レッツファイッ!


 ダンテの豊穣祈念! あたしのハヤブサ斬り・零式! 一発クリティカル! 『あやかし鏡』の効果でもう一度ハヤブサ斬り・零式! 両方クリティカル! アトムのコピー! あたしの攻撃を繰り返す。ハヤブサ斬り・零式! 両方クリティカル! イビルドラゴンの喚声が響き、崩れ落ちる。


「ドロップは翡翠珠か。これ多分レアドロップじゃないよなー」

「姐御、『逆鱗』二枚生えてやすぜ!」

「おおう、イビルドラゴン偉い!」


 なるほど、結構な見返りがあるものだ。

 クララが聞いてくる。


「ユー様はイビルドラゴンの強さを見切ってたようですが」

「あんた達も大体わかるでしょ? ウィッカーマンより強い気がしないんだよね」

「インスピレーションね?」

「インスピレーションだねえ」


 イビルドラゴン、リッチー、ダイダラボッチの三種の中では、弱点を突けずヒットポイントも多い巨人のダイダラボッチが一番難しそうではある。

 でも多分一ターンで倒せるだろうしな?


「ドラゴン帯で戦ってマジックポイント回復したらまた戻ってこよう」

「「「了解!」」」


        ◇


「ただいまー」

「お帰りなさいませ」


 結局あれからドラゴン帯と中央部を行ったり来たりで魔物を倒し、いいくらいの時間になったのでベースキャンプに帰ってきた。


「オニオンさん、イビルドラゴンは『逆鱗』二枚のことがあるよ。翡翠珠落とすけど、おそらくこれレアじゃないな」

「そうでしたか!」

「リッチーは邪鬼王斑珠を落とすよ。多分レアドロップだな。固定ドロップなさそうだからあんまり効率は良くないと思う。ダイダラボッチは他の巨人と一緒で『巨人樫の幹』は得られる。でもレアはどうなんだろ? まだわかんない」

「いや、ユーラシアさんのもたらす知見は非常に貴重です。またよろしくお願いします」

「うん、頑張るよ」


 人形系レア魔物も倒したけど、中央部の最強魔物群のついでだったので、今日はいつもほど高級魔宝玉を稼げていない。

 そうだ、オニオンさんに聞いておかねば。


「ベヘモスってどこにいるのかな? 遭ったことないんだよね。あたしがこんなに遭いたがっているとゆーのに」

「アハハ、ワイバーン帯ですね。かなり数は少ないと思われます。北辺での目撃記録もありますが、北辺に訪れる冒険者がほとんどおりませんので、生息数がどうかはわかりません」

「やっぱりワイバーン帯か」


 確かにあたし達の魔境探索で、一番薄いのがワイバーン帯と北辺東だもんな。


「ありがとう、オニオンさん。今日は帰るよ」

「毎度御苦労様です。さようなら」


 転移の玉を起動して帰宅する。

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