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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第361話:いいなあ『大器晩成』

 アレクが聞いてくる。


「何かユー姉が変なこと考えてる気がする」

「見通すねえ。まあ、好きな人からプレゼントもらえば嬉しいでしょ」


 納得しなよ。

 エルだってアレクのプレゼント喜んでたわ。

 多分。


「ヴィル、聞こえる?」


 赤プレートに話しかける。


『聞こえるぬ! 感度良好ぬ!』

「ギルドに行っててくれる? 今からアレクも行かせるから、ポロックさんに紹介しといて。あたしもあとから行く」

『わかったぬ!』


 オニオンさんが感心したように言う。


「悪魔を他人に会わせるような使い方をしているのは、ユーラシアさんだけでしょうねえ」

「本当にいい子なんだよ。あっちこっちに連絡取るのに働いてくれるし」


 悪魔を契約の縛りでムリヤリ使役してる魔道士なり呪術師なりはいるかもしれない。

 でもあたし達みたいな信頼関係はどこにもないかもしれないな。

 もっとヴィルをあちこちに紹介してやりたいもんだ。

 あたし自身の人脈を広げないと。


「『アトラスの冒険者』の転移の玉の有効範囲は四人までなんだ。あたしはうちの子達を家においてからギルド行くから、アレクはそこの転送魔法陣から先に行ってて」

「わかった」

「じゃあオニオンさん、さよなら!」

「さようなら」


 転移の玉を起動し一旦帰宅する。


「アレクをフルステータスパネルでチェックしてもらったら戻ってくるね。あんた達はゆっくりしてて」

「わかりました」


 何となくクララをぎゅーしてギルドへ。


 フイィィーンシュパパパッ。


「やあ、ユーラシアさん。今日もチャーミングだね」

「こんにちはー、ポロックさん」


 先行していたヴィルをよしよししてやる。


「彼はカラーズ灰の民のアレクだよ。あたしの弟分なんだ」

「ええ、ヴィルちゃんから紹介されましたよ」

「よしよし、ヴィル偉いね」

「偉いだぬ!」


 胸を張るヴィルは微笑ましいな。


「で、どうしたかな?」

「アレクはカラーズ~レイノス間交易の輸送隊員になるんだよ。あの道、この前中級冒険者くらいの盗賊五人組が出たんだ」

「ほう?」

「魔物が出ないとも限らないし、輸送隊員にもある程度のレベルが必要でさ。今レベル上げしてきたとこなの。フルステータスパネルで能力値を確認したくて」

「ああ、少々待ってください……」


 青っぽいパネルが起動し、アレクが掌を当てると文字が浮かんでくる。


「ほう、レベル三二……」

「やっぱり固有能力は『小魔法』か」

「レベルアップでノーコストの魔法を習得していく固有能力だね」

「変な魔法随分覚えたんだよ。アレク向き」

「変じゃないよ!」


 ハハッ、えらく気に入ってるのはわかるよ。

 よかったね。


「ありがとう、ポロックさん」

「いえいえ」


 ギルド内部へ足を進める。

 買い取り屋さんでアイテムを換金した後、武器・防具屋さんに話しかけた。


「こんにちはー。売り上げに貢献しに来ましたよ」

「ユーラシアさん、ありがとうございます。パワーカードですか?」

「うん、『光の幕』一枚ちょうだい」


 カードを受け取りアレクに渡す。


「無防備なのはよろしくないから、これはいつも持ってなよ。お守り代わりね」

「沈黙無効付きか。ありがとう、ユー姉」

「もっと尊敬していいんだよ?」

「これさえなければ」


 皆で笑い合う。

 沈黙さえ食らわなきゃ、アレクはいくらでもノーコストの攻撃魔法を使えるからまず安全だろ、とゆー理屈だ。

 一枚パワーカードを持っていれば、アレクなら起動させたり調べたりしてみるはず。

 そーすると数が欲しくなるから、塔の村コルム兄の店の売り上げに繋がるんじゃないかな。


「さて、帰ろうか」


 転移の玉を起動し帰宅する。


          ◇


 フイィィーンシュパパパッ。

 もう一度チュートリアルルームに来た。

 今度はアレクとヴィルを連れている。


「こんにちはー」

「あっ、お姉さま!」

「ユーちゃん、いらっしゃい。そちらは?」

「あたしの弟分のアレクだよ。彼女は『アトラスの冒険者』の最初の窓口を担当しているバエちゃん。仲良くしてて、時々御飯一緒に食べてるんだ」

「よろしくお願いします」

「こちらこそ」


 アレクとバエちゃんが握手する。


「明日の夜、お肉持ってくるから、一緒に御飯食べよ?」

「やったあ!」


 小躍りするバエちゃん。

 本当にお肉好きだな。


「用はそれだけだった?」

「さっき『五月雨連撃』のスクロールを買い忘れたんだ。ついでにエルマの戦いぶりの変化も見てく」

「ちょうど今からテストモンスターで試闘しようとしていたのよ」

「ナイスタイミングだったな。さすがあたし」

「わたし頑張ります!」

「余裕で勝てるから気負わずやってみなさい」


 バエちゃんから二枚のカードを受け取り、起動を確かめている。

 先ほどエルマには『次はギルドで会おう!』と別れた手前、若干恥ずかしいのだが。


「はい、『五月雨連撃』のスクロール三〇〇〇ゴールドです」

「ありがと」


 おゼゼを支払う。


「ところでお姉さま、そこの小さな子は?」

「紹介してなかったね。うちの悪魔、ヴィルだよ」

「悪魔?」

「とっても可愛くていい子なの!」

「いい子ぬよ?」


 ヴィルが喜びや満足感などの好感情を好む悪魔であることを説明する。


「エルマも可愛がってやってね」

「紹介ありがとうございます。ヴィルちゃんよろしくね」

「よろしくお願いしますぬ!」


 これでチュートリアルルームに来た目的の内、お肉連絡、『五月雨連撃』のスクロール購入、エルマにヴィルを紹介することは終了だ。

 残りの目的は二つ。

 エルマの試闘を見ることと……テストモンスターの準備が完了したようだ。


「出でよ! 邪悪なる存在、テストモンスターよ!」


 戦士の影が現れる。


「やあっ!」


 エルマの通常攻撃! テストモンスターが倒れる。


「あ、あれ?」


 エルマが困惑してるが、当然だぞ?


「さっきあんなに苦労したのに……」

「レベル上がってるからね。何倍かは強くなってるよ。それより通常攻撃するくらいなら『強撃』で。マジックポイント自動回復持ちなんだから」

「あっ、そうでした!」


 確認したらエルマは『薙ぎ払い』も『五月雨連撃』も使えるでやんの。

 いいなあ『大器晩成』は。


「じゃあ、エルマ。今後の健闘を祈る」

「はい、頑張ります!」


 エルマが転移の玉で帰っていく。


「これで何とかなるでしょ」

「ユーちゃん、ありがとう」

「じゃーねー」

「ユーちゃん、明日ね」


 転移の玉を起動し帰宅する。

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