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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第359話:ユーラシアお姉さまのように

「エルマはぶっちゃけ激弱じゃん?」

「ユーちゃん、言い方」


 どう言い繕ったところで、今のままのエルマじゃ冒険者として使いものになんないわ。


「今まで職業としての冒険者になろうなんて考えたことある?」

「ありません」

「周りに勧められたことは?」

「もちろんないです」

「でしょ? 緑の民は冒険者に縁がないってことはあるけど、それ以上にあんたを見て、冒険者やるなんて思えないんだよ。素晴らしい固有能力を持ってるのはプラスの条件ではある。でも真面目に冒険者一本でやっていこうと思うとかなり厳しい、ってかムリだな」

「で、でもわたしもユーラシアお姉さまのように、立派な冒険者になりたいんです」


 あたしはお姉さまらしいぞ?

 妹分エルマをゲットした!


「あたしみたいに? なればいいじゃん」

「えっ?」

「あたしは兼業冒険者だぞ?」


 口パクパクしてるエルマにピンクマンが説明する。


「ユーラシアは冒険者だけ喜んでやってるわけじゃないんだ。カラーズとレイノスの交易を進めてる中心人物だし、二日前にレイノスで行われたフィッシュフライフェスを仕掛けたのも彼女だ」

「『アトラスの冒険者』はね。そりゃ冒険者として一生懸命やってる人も多いけど、あたしは面白いし便利だからやってるんだよ。だって、いろんなところへ行ける転送魔法陣が出るんだよ? すごく世界が広がるんだ。冒険者だけやってちゃもったいない」

「ユーちゃんは誰より実績を上げてる冒険者だけど、食べ物に対する探究心もすごいのよ? むしろ食がメインなの」


 あたしがすごい食いしん坊みたいだな。

 否定はしないけど。

 コクコク頷くエルマ。


「わたしが専業冒険者にどうやら向いてないらしいということは、皆さんのおっしゃりようでわかりました。ではわたしはどうすればよろしいのでしょう?」

「何をするかは自分で決めるといいよ。ちょっと可能性を大きくしてあげるから、一時間ほど付き合ってくれる?」

「は、はい、お姉さま。どこへでしょう?」

「わくわく魔物ランド」


 ピンクマンとバエちゃんに指示を出す。


「ピンクマンはもう、魔境行きの魔法陣出てるよね? エルマ連れて魔境のベースキャンプで待ってて」

「わかった」

「エルマに普通の装備は重くて向いてないわ。テストモンスター相手でも、ショートソードに振り回されてたじゃん」

「そうねえ」

「バエちゃんはエルマの初期装備用にパワーカード二枚用意しといてくれる? 今はもうギルドでカード扱ってるから、連絡して誰かに持ってこさせて。『スラッシュ』と『武神の守護』がいい」

「了解よ!」

「もう一人レベル上げしたい子がいるんだ。あたしはその子も連れていくね」


          ◇


 フイィィーンシュパパパッ。


「遅れてごめんね」

「ユーラシアさん、いらっしゃいませ」


 魔境ガイドのオニオンさんだ。

 既にうちの子達とピンクマン、エルマはスタンバイしている。

 あたしが連れてきたのはアレクだ。

 ピンクマンとは焼き肉親睦会の時に面識があるが、オニオンさんとエルマには紹介しておく。


「この子はあたしの弟分のアレクだよ。一三歳の灰の民ね。あれ、エルマは何歳なんだっけ?」

「わたしも一三歳です」

「緑の民って、一三歳で成人なの?」


 カラーズでも他色の民の事情は知らんもんな。

 あるいは『アトラスの冒険者』って、成人とは限らないのかな?


「いえ、成人年齢は一五歳なんですけど、将来の職を決める見習い期間というものがあるんです」

「見習いが一三歳からなのか」

「へー、合理的なシステムだねえ。ピンクマンどう思う?」

「うむ、カラーズ全体で採用してもいいかもしれんな」

「緑の民は賢いなー」


 やっぱり『アトラスの冒険者』は成人扱いの年齢で選ばれるみたいだな。

 目的を伝えておく。


「今日の魔境ツアーは、エルマとアレクのレベルを上げるのが主眼だよ。エルマは最初は厳しいけど、レベルさえ上がればどうにでもなる固有能力持ちだから。アレクはカラーズ輸送隊に相応しいレベルが欲しいから。エルマのレベルは二五、アレクのレベルは三〇を目標としまーす」


 ピンクマンが質問してくる。


「エルマのレベルが二五目標なのは何故だ?」

「レベル三〇越えると魔境行きの石板出ちゃうっぽいんだよ。経験があまりないのに魔境行き出ても困っちゃうでしょ。装備品も揃わないし」

「なるほど、考えているんだな」


 レベル二五であれば、ギルドに来る前に三つクエストがあったとして、それらをこなすとボーナス経験値でレベル二八。

 ちょうどいい感じではなかろうか?


「アレク、これ装備しといて」

「ん」


 経験値割増し効果のある『ポンコツトーイ』を渡す。

 あたし達の持ってたやつはエルにあげちゃったからな。

 イシュトバーンさんに一枚もらっといてよかったなあ。


「さあ、行こうか」

「行ってらっしゃいませ」


 精霊使いユーラシアと愉快な仲間達出撃。


          ◇


「ここが魔境か!」


 アレクが嬉しそうだ。

 エルマも興味深そうにしている。


「危ないからあんまり前に出過ぎないでね。あ、早速来たよ」


 オーガだ。

 ふむ、アレクもエルマも怖がる様子はないな。

 度胸があって大変よろしい。

 レッツファイッ!


 ダンテの実りある経験! あたしのハヤブサ斬り・改! 『あやかし鏡』の効果でもう一度ハヤブサ斬り・改! よし問題なし!


「オーガはこの辺に出る魔物としてはヒットポイント多いなー」

「ワイバーンに近いくらいのヒットポイントはあるとされているな」


 さて、オーガは踊る人形程度の経験値はある。

 いくら成長遅いといっても、エルマはレベル一なんだからいくつか上がるだろ。


「エルマ、何かスキル覚えた?」

「はい、『強撃』と『反撃の防御』というのを覚えました!」


 『強撃』はマジックポイントを少し使用して、通常より強い攻撃を放つバトルスキルだ。

 魔物でも使ってくるやつがいるから知っている。

 エルマは『マジックポイント自動回復二%』持ちなので、レベルがもう少し上がれば実質ノーコストで撃てることになる。

 使いでがあるね。


 『反撃の防御』は防御時自分に攻撃力アップのステートが付与され、以降数ターンの攻撃力にボーナスがつくというもの。

 ダンの『余裕の防御』と同じで、通常の防御に置き換わるタイプのスキルだ。

 防御しただけで攻撃力アップっていいスキルだなあ。

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