表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

353/2453

第353話:情報交換は必要

「人形系レア魔物に唯一ダメージが通るのは、衝波系ないし防御力無視系って呼ばれる攻撃なんだ。それ以外の攻撃じゃ倒せないと思って」


 ふむふむと聞く塔の村の冒険者四人組。

 熱心じゃないか。

 さっきあたしに鼻っ柱折られてからちょっと怖いみたいな、女々しいこと言ってたけどな?

 ここの冒険者の中では初期に塔に入った古株だろうに、もっと堂々としてりゃいいと思う。


「村長デス爺が売ってるスキルスクロールの中に、『経穴砕き』ってやつがあるの知ってる?」

「ああ、敵一体の魔法防御をかなり下げるってやつだな?」

「ってだけ聞くと単体の強い魔物に魔法ダメージを通しやすくするためのスキルに思えるけど、『経穴砕き』には秘密があるんだ」

「「「「秘密?」」」」


 よし、食いついた。

 決して話を聞かないタイプではない。


「確実に一ダメージを与えるっていう特殊効果があるの」

「えっ? でも一ダメージを与えたところで……」

「待った、必ずダメージを与えるんだな?」

「そうそう。『経穴砕き』の有用性がわかってきたようだね。さらに言うと、踊る人形のヒットポイントはたったの一」

「つ、つまり『経穴砕き』を習得していれば踊る人形は倒せる?」


 こっくり、正解を導き出せました。

 これは誰かに教えてもらわなきゃわからないことなんじゃないか?

 『魔物図説一覧』と『魔法スキル大全』を読み込んでるうちの物知りクララ先生だって、『初心者の館』でヒントもらって初めて気付いたくらいだし。

 だから経験者の話を聞くことは重要なのだ。


「そうだったのか! いいこと聞いたよ。じゃあ早速……」

「ちょい待ち。君達のパーティーは誰が『経穴砕き』を覚えるつもりなん?」


 顔を見合わせる四人。


「誰って、前衛のどちらかに……」

「もっと考えなよ。四体の踊る人形が現れました。三体見逃すのかな? ヒットポイント二の人形系レア魔物が現れました。倒すの諦める?」

「「「「……」」」」


 考えてるね?

 考えることも重要。


「答えは『全員が覚える』だよ」

「えっ、後衛も含めて?」

「うん。後衛が前に出てきて殴っちゃいけない法はないじゃん。誰が『経穴砕き』で殴ったって一ダメージなんだぞ? 君達相当頑張って働いてるみたいだから、かなりおゼゼは持ってるんでしょ? 奮発して買いなよ。すぐ元取れるぞ」


 後ろから声をかけられる。


「ユーラシアじゃないか。来てたのか?」

「エル、ちょうどいいところに」


 精霊使いエルと撲殺系ヒーラーコケシ、武士っぽいアタッカーチャグ、謎のちょんまげのパーティーだ。

 叩きのめされ四人組がソワソワしてるけど、そーゆーところがダメだというのに。

 情報交換しろ。


「エルは彼らを知ってる?」

「ああ、話したことはなかったが、塔の村の最も勤勉なパーティーだ」


 おお、知られてるんじゃないか。

 照れんなよ。


「質問変わるけど、エルのパーティーも人形系レア魔物対策に『経穴砕き』使ってるでしょ? 誰が覚えてるかな?」

「全員に決まってる。効率を考えればそれ以外にない」

「ほら、わかるかな? 常識レベルだぞ?」


 コクコク頷く四人。

 エルが何? って顔してるので説明する。


「彼らのパーティーはこれまで踊る人形を倒せなかったみたいだからさ」

「ああ、なるほど」

「レアではあるけど、塔のダンジョンで踊る人形は言うほど遭遇しない魔物ではないじゃん? 序盤に踊る人形を倒せるか倒せないかで、レベルアップや儲けの効率が全然変わっちゃう」

「その通りだな。倒せないなら聞いてくれればよかったのに」

「知らないことは聞け。変なところで遠慮してると死を招くぞ?」


 再びコクコク頷く四人。

 まあエルは精霊使いのパーティーだから、話しかけづらいってことはあるけどな。


「ちなみにこの塔には踊る人形以外、どんな人形系レアがいるの?」

「ヒットポイント二のギャルルカンがいる。倒せたことはないが、ブロークンドールは確認してる。それ以上のにはまだ遭ったことがないな」


 ギャルルカンって知らない子だな。

 ま、あたし達は人形系には縁があるから、どっかで遭うだろ。


「だってよ。やる気出るでしょ?」

「ああ、ありがとう。もう一つ質問いいか? あんたらが使ってるパワーカードってのは、やっぱり優れた装備なのか?」


 思わずエルと顔を見合わせる。

 これは難しいんだよな。


「うーん、いいところも悪いところもあるよ。いいところしかないんだったら、もっと普及してるはずだって。エルの見解は?」

「使いやすいは使いやすい。ボクは普通の武器を使ったことないから、一方的な言い分になるだろうけど。重い武器防具を身に着けない分、アイテムや素材の採取には最も向いてる装備体系だと思う」

「普通の武器や防具と一緒に使うと、効果が干渉しちゃうことがあるんだそーな。だからパワーカードを使うならパワーカードだけ装備してないと意味がない。超すんごい剣を手に入れたとしても使えないってのは、明確なデメリットだねえ。パワーカードは容量の関係で、伝説級にスペシャルなカードなんて存在しないんだって」


 とはゆーものの、結構デタラメなカードはあるけど。

 あたしはパワーカード十分すごいと思ってる。


「例えば『ホワイトベーシック』っていう、よく使われる買値一五〇〇ゴールドのカードがある。これは装備すると魔法力を上げるだけじゃなくて、白魔法の『ヒール』と『キュア』が使えるんだ。『ヒール』と『キュア』のスキルスクロールを購入することを思えば、価格的にかなりお得だ」

「かなり融通が利くのは嬉しいポイントだねえ。この村パワーカードの職人いるでしょ? こんなカード作れないって相談すれば、可能なら作ってもらえるよ。割高にはなるけど。あたしも何枚か注文のカード使ってる」


 特徴は以上か。

 この塔ではたまにカード拾えることがあるって聞くけど、塔の村で冒険者やってる限り、それも有利な点だな。


「よく理解できたよ」

「後衛一人くらいパワーカード使いでもいいかもな」


 四人組がちょっと冒険者らしくなった気がする。


「ありがとうな。またよろしく」

「ナンパ?」

「「「「違う!」」」」

「あたしは軽い女じゃないのだ。おいしいご飯を腹一杯奢ってくれることを要求する」


 アハハ、じゃーねー。

 手を振りながら四人組が去ってゆく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ