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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第319話:魔宝玉クエスト・中間報告

 フイィィーンシュパパパッ。


「やあ、ユーラシアさん。チャーミングさに磨きがかかってきたね」

「おっ、ポロックさんも褒め方に磨きがかかってきたね!」


 クララ達にシイラの処理を任せ、あたしはギルドにやって来た。

 ポロックさんとの掛け合いを楽しみながらギルド内部へ。


 手持ちの高級魔宝玉が多くなってきたので、報告を兼ねて今ある分だけでも納品しちゃいたいのだ。

 あたしとうちの子達には魔宝玉を眺めて愛でる趣味がないから。

 あればあるで奇麗だけど邪魔だから。

 我ながら理由がドライだと思う。

 でも事実なんだよなあ。

 ラルフ君がいれば、海の王国で買ってきたフルコンブを渡したいしな。


「御主人!」


 先行させていたヴィルが飛びついてくる。

 よしよし、いい子だね。


「ラルフ君いた?」

「食堂にいるぬよ」


 やったぜ、ラッキー。

 先にフルコンブ渡しちゃお。

 ヴィルを連れて食堂へ。

 あ、いたいた。


「ラルフくーん、こんにちはー」

「師匠、こんにちは」

「さっき海の王国行ってきたんだ。ヨハンさんに頼まれてたフルコンブ五枚買ってきたよ」

「ありがとうございます。五〇〇ゴールドですね」

「いてくれてよかったよ。ラルフ君に会えないといつまで経っても渡せないもんねえ」


 ラルフ君が笑う。


「いや、雨が降ってきたので。午前中は自分もクエスト行ってたのですが、切り上げたんですよ。父もユーラシアさんが海藻を持ってくるかもしれないから、ギルドへ確認に行ってこいって」

「何だ、そーだったのか」


 ラルフ君パパ、随分楽しみにしてくれてたみたいだな?

 するとイシュトバーンさんも待ち構えているのかも。

 早めにイシュトバーンさん家にも行ってこよっと。

 転送先がどんな位置にあるか確認しときたいというのもある。

 レイノスへはうちの子達を連れていきづらいのだが、塀で囲われた敷地内なら大丈夫だろう。


 買い取り屋さんでアイテム換金後、依頼受付所おっぱいさんのところへ行く。


「サクラさん、こんにちはー」

「すごいお姉さん、こんにちはぬ!」

「ユーラシアさん、ヴィルちゃん、こんにちは」


 ヴィルのすごいお姉さん呼びは笑えるなあ。

 さて、今日のメインイベントだ。

 どさっと荷物を置く。


「例の魔宝玉クエストだけど、持ちきれなくなってきたんで、今あるのだけでもギルドで預かってもらえるかなあ?」

「はい、もちろん可能です。少々お待ちくださいね。……ベルさん、ちょっとよろしいですか?」


 武器・防具屋のベルさんは、見ただけでどんなアイテムかを見分けられる人だ。

 多分『道具屋の目』の固有能力持ち。

 商売に役立つ能力はいいなあ。

 『鑑定』もそうだけど、見抜く系の能力は便利だ。


 ハハッ、ベルさんビックリしてやがるぞ?


「これはまたすごいですね! ユーラシアさんの噂の魔宝玉クエストの戦利品ですか?」

「そうそう。噂になってるんだ? 戦利品ってのはいいねえ。勝利は我が手にあり!」

「大勝利じゃないですか。高級魔宝玉がこんなに揃ってるなんて見たことないですよ」


 でも人形系レア魔物を積極的に狩るハンターがこれまでにいなかっただけだと思う。

 人形系狩りの効率の良さはあたしが証明しているから、今後対人形系用の装備なりスキルなりが生まれてくるんじゃないかな。

 冒険者の新常識。


「すいません、フリスクさんと二重チェックしてよろしいですか?」

「お願いします」


 フリスクって誰だと思ったら買い取り屋さんだった。

 なるほど、買い取り屋さんも『道具屋の目』の固有能力持ちか。

 でなきゃギルドの買い取り屋なんて務まらないもんな。

 買い取り屋さんも驚いてら。


「いやー、こんなお宝の山を目にするのは初めてですよ。帝国の宝物庫でさえここまでではないでしょう」

「鳳凰双眸珠じゃないですか。これ世界に一個しか確認されてなかったはずですよねえ。冗談みたいだ」


 ベルさんとフリスクさんが呆れながら種類を確認していく様子を、いつの間にか一〇人以上の冒険者が遠巻きに見ている。


「すごいな。あれ全部魔宝玉なんだろう?」

「ただの魔宝玉じゃねえ。黄金皇珠以上のやつを持ってこいって依頼らしいぜ」

「あれが精霊使いユーラシアの仕事か……」


 三人で慎重に数を数え、おっぱいさんが宣言する。


「黄金皇珠五五個、羽仙泡珠二四個、鳳凰双眸珠五個、以上をドリフターズギルドが責任をもってお預かりいたします」

「お願いしまーす」

「お願いしますぬ!」


 ちなみに昨日赤の女王(仮称)を倒したことによって手に入れた邪鬼王斑珠と正体不明の珠は預けていない。

 イシュトバーンさんに見せてやろうと思っているからだ。

 おっぱいさんが尋ねてくる。


「これはもう、依頼者の元へ送ってしまってよろしいですか?」


 うーん?


「いや、まだ期限までかなりあるから、もう少し集めるよ。全部耳揃えていっぺんに送ってやるのがサプライズじゃない?」

「いや、これだけで宮殿が建ちそうな金額になりますが……」

「宮殿がもこもこ生えてきそうになるまで頑張るよ。あたしの威信にかけて」


 武器・防具屋さんと買い取り屋さんは苦笑するが、おっぱいさんが黒い笑いを見せる。

 もー明らかにもっとやれって目だし。

 誰だよ依頼者?

 面白そうだからあたしももっとやっちゃうけれども。


「じゃ、あたしは帰るね。さよならー」

「さようなら。より一層の活躍を期待しております」

「バイバイぬ!」


 おっぱいさんに期待されたぞ?

 転移の玉を起動し、ヴィルとともに帰宅する。


          ◇


「こんなとこでやすかね? 姐御」

「うん、何事も実験だ。失敗は成功のマザーなり! まあやってみよう」


 家の隅の倉庫として使用している部屋に大きな木箱を設置し、中に魔力を込めた『氷晶石』を置いてみた。

 つまり簡易的な冷蔵庫を作ってみたのだ。

 中にお肉と、明日まよねえずの作り方講習会で使用する予定のシイラの切り身、小魚を冷やしておく。


「ジスプレイスならコールドエアが漏れてもモーマンタイね」

「ユー様、それダンテっぽいです」


 ダンテが口パクパクしてるが、あんたが何も言わないからだぞ。


「オミソレしたね」

「アハハ、さて、イシュトバーンさんとこ行こうか」

「「「了解!」」」


 イシュトバーンさんもまたフルコンブを待ちかねてる気配を感じるので、届けにいく。

 今からだと夕御飯食べさせてくれるかもな。

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