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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第306話:魔境で息抜き

 イシュトバーンさんの乗る馬車が遠ざかっていく。

 まったく個性の強い、愉快なじっちゃんだった。

 でも今後しょっちゅう会いそう。

 そんな予感がする。


 まあ今日イシュトバーンさんとの顔合わせが無事に終わったのは、合格点と言っていいんじゃないかな。

 レイノスの空き店を貸してもらえることになったし、青の民の族長セレシアさんにいい報告ができる。


 ラルフ君パパにお礼を言っとこ。


「ヨハンさん、今日は良い場を設けてくれてありがとう!」

「いえいえ、こちらこそ。あんな充実した和やかな食事会になるとは、望外の喜びですよ。イシュトバーン殿はいつも、つまらなそうな顔をしていらっしゃるので」


 喜んでもらえてよかった。

 『和やか』って皮肉じゃないよね?


「あたしも帰ろーっと。ラルフ君、明日午前中の遅い時間になると思うけど、ヨハンさんに渡して欲しい試作品ができあがって来るんだよ。カラーズの産物でさ。ギルドにいてくれないかな?」

「わかりました」

「明日掘り出し物屋さんが来るって言ってたよ。ラルフ君は初めてじゃない?」

「掘り出し物屋ですか。では資金を用意してギルドで待ち構えます」

「おお、本気だね」

「前衛用の防具と、弓のいい出物があったら欲しいところです」


 パーティーメンバー用の装備品だな。

 うんうん、しっかり冒険者してるじゃないか。


「師匠は掘り出し物屋で欲しいものって何かあるんですか?」

「見たことないパワーカードとか、おいしそうな食材は欲しいかな」

「さすが師匠」


 さすがなこと言ったかな?

 尊敬されていると何でもさすがにされてしまう。


「じゃあ帰るよ。さよならー」


 転移の玉を起動して帰宅する。


『クエストを完了しました。ボーナス経験値が付与されます』


 これもまたクエストだったか。

 ドリフターズギルド・セットのクエストはいくつ目だったかな?

 もうどうでもいいけど。


          ◇


 フイィィーンシュパパパッ。


「いらっしゃいませ、ユーラシアさん」

「オニオンさん、こんにちはー」


 午後ちょっと時間が余ったので魔境へ来た。

 どーもこうやって息抜きのために魔境を利用しているのは、あたし達だけのようだが。


「今日は遅いですね?」

「人と会ってたんだ。元商人のイシュトバーンさん」

「ほう、大物ですね」


 やっぱ知ってると大物って認識なんだな。


「おもろい爺ちゃんだったよ。でもおっぱい触ってきたから、魔境に捨ててドラゴンのエサにするぞーって脅したら騒ぎになった」

「アハハ、女好きという噂を聞いたことありますが、本当でしたか。でもいい女しか相手にしないという話ですよ」


 いい女か。

 少し気分がいいなあ。


「いけない、時間ないんだった。魔宝玉狩り行ってくるね」

「行ってらっしゃいませ」


 ユーラシア隊出撃。

 ベースキャンプを出たところでアトムが確認してくる。


「今日は直で真ん中に向かうんでやすね?」

「うん。出会った魔物を倒しつつ、ウィッカーマン目標かな」


 時間がないからクララの飛行魔法で飛んでってもいいんだけど、魔宝玉だけじゃなくて素材も必要だから。

 最近パワーカードが人気でよく売れるようだから、アルアさんとこへ素材を供給しないといけない。

 あたし以外の誰かも、素材をパワーカード工房に届けてくれないかなあ?


 オーガ、ガーゴイル、クレイジーパペットを倒しつつドラゴン帯へ。

 ダンテのドロップ・レアドロップ確率が増える『豊穣祈念』大活躍だ。


「クレイジーパペットって、レアドロップがないみたいだねえ」

「透輝珠がレア枠だけど絶対落とすんじゃないでしょうか」

「ああ、なるほど」


 じゃあクレイジーパペット出た時に『豊穣祈念』はいらないのか?

 ひょっとしてスーパーレアがあったりすると嫌だしなあ。

 自動回復があるからマジックポイントをムダに消費するわけではない。

 今後も一応『豊穣祈念』は続行だな。


「グレーターデーモンね」

「珍しいな」


 ドラゴン帯でもほとんど見ない、中位の魔族だ。

 話のできる可愛い高位魔族とはえらい違い。

 まあ『豊穣祈念』で『雑魚は往ね』なんですけれども。


「ドロップは、魔宝玉の鳩血珠と素材の『悪魔の尻尾』ですね」

「両方初めてだよねえ。レアい?」

「鳩血珠はかなり珍しいです。レアリティ・価格とも黄金皇珠以下透輝珠以上でしょうか。『悪魔の尻尾』はごく低級な魔族からもドロップするはずですが、私達今まで魔族と戦っていませんから」


 あれ、思わぬところに落とし穴があるもんだ。

 転送先で会わない魔物だと、そいつがドロップするアイテムは手に入らないんだよな。


「レッサーデーモンもあんまり見ないねえ」

「ヴィルがいるから、デビルが寄らないのかもしれないね」

「ヴィルと繋がってる赤プレート持ってるからか。そーなのかな?」

「案外当たってるんじゃねえか?」


 出現率が低いことは低いんだろうけど、遭遇率とイコールとは限らないんだよな。

 あたし達人形系レアとは出現率以上に遭遇してる気がするし。


「ま、いいや。新しい素材を手に入れたとゆーことは一歩前進したね。どんどん行こうか」


 今日は二時間足らずの魔境探索だったが、この後ウィッカーマンやデカダンスと遭いまくり、羽仙泡珠四個黄金皇珠八個をゲットした。

 鳳凰双眸珠はドロップしていかなかった、残念。


「マンティコアね」

「よーし、凄草落とせっ!」


 『豊穣祈念』からの『雑魚は往ね』と。


「やたっ、凄草落とした!」

「結構な大株ですぜ」

「今日は帰りましょう。魔力が抜けない内に植えるのがいいかと」

「そーだね」


 カカシの話によると、抜いてしばらくすると魔力が抜けてヘタるということだった。

 当然味ばかりでなく、株の勢いにも大きく影響するだろう。


「この凄草もピンピンしてるねえ。前にドロップした時と一緒だわ。やっぱりマンティコアの性質なのかな?」

「どうでしょう?」


 クララの飛行魔法で急ぎべースキャンプに戻る。


「ただいまー」

「お帰りなさいませ」

「オニオンさん、凄草取れたんだ。マンティコアのドロップ。葉っぱ食べてみて」


 一枚ちぎって渡す。


「いただきます。……これは甘い!」

「でしょ? これ時間経ってシナシナになるとダメなんだって。今日は帰るね」

「ハハハッ。さようなら。またのお越しをお待ちしています」

「じゃねー」


 転移の玉を起動し帰宅する。

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