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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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1807/2453

第1807話:素敵で幸せで詩的

「ただいまー」

「おかえりなさい」

「ふー。今日は結構忙しかった気がする」


 午前中サラセニアの首都ウトゥリクの偵察で天使騒動。

 しかし反クーデター派と連絡を取ることができたのは収獲だ。

 場所はわかったので、何度か連絡は入れておかねばな。


「帝都はどうでした?」

「失敗したなー。フリードリヒさんに会ったんだけど、四季なりイチゴの話を聞き損なった」


 とゆーか今思い出した。

 まあ重要な話じゃないからいつでもいいけど。

 忘れてたってことは、今は『パウリーネ』の栽培と繁殖に励めってことだったかもしれないな。

 いい方向に解釈しよう。


「ランプレヒトさんは問題なさそうだな。フィフィの本も読んでくれてたから順調って言っていいよ。明後日マルーのばっちゃん連れてくんだ。どうせばっちゃんも暇してるから」

「固有能力のカンケイね?」

「そうそう。見てもらおうかと思って」


 リリーがランプレヒトさんのことをいつも不機嫌なイメージがあるって言ってたけど、暇でエネルギーを持て余してるだけなんじゃないかなと思う。

 あたしもわかるわ。

 やることないとつまらんもん。

 小さい子に教える道場という、やることを作ったったから今後は機嫌良くしてるんじゃないかな?


「姐御、新しい『地図の石板』はなかったでやしたぜ」

「了解。確認ありがとうね」


 ガリアの王宮から帰宅した時にクエスト完了のアナウンスがあった。

 『ガリア・セット』と『サラセニア・ウトゥリク市内』の両方のクエストが関係するが、おそらく『ガリア・セット』の方だと思ってた。

 『サラセニア・ウトゥリク市内』はもう一幕あると思うから。


 『ガリア・セット』は正規の石板クエストなので、終了すれば新しい『地図の石板』が来るはずだ。

 来ないってことはまだセットになってるクエストがあるのか、それとも正規クエストでない『サラセニア・ウトゥリク市内』の終了なのか?

 こういう悩ましいところがあるから、石板クエストは一個ずつが原則なのかもしれないな。

 自分の転移の玉で帰ったダンにはボーナス経験値入ってないんじゃないかと、あとで気付いたのもチラッと気になる。


「ボスはビジーかもしれないね。バット、ミーはランチを食べに行っただけね」

「いいじゃないかランチ。御飯を食べられることは幸せだ」

「今日の夕御飯はクレソンをメインにしたスープ出しますよ」

「昨日買ったすり鉢が活躍しますの巻か」


 クララが張り切ってたしな。

 うまそーな気配しかしない。


「明日の夜、バエちゃんとこ御飯食べに行こう。今からお肉置いてくるよ」

「行ってらっしゃい」


          ◇


 フイィィーンシュパパパッ。


「あら、ユーちゃんいらっしゃい」

「お土産お肉だよ。それと骨も」

「やったあ!」


 小躍りするバエちゃん。

 チュートリアルルームにやって来たのだ。


「明日御飯食べに来ていいかな?」

「それじゃカレーにするね」

「お肉たっぷりカレーだ!」

「響きが三Sねえ」

「何なの三Sって?」

「素敵で幸せで詩的」

「あれ、正義が入ってなかった」


 アハハと笑い合い、思いついた様にバエちゃんが言う。


「シスター・エンジェルも招待していいかしら?」

「もちろん。じゃあガルちゃん呼ぶのはやめとくよ」

「えっ? べつにいいのよ?」

「いや、ガルちゃんは帝国の最大実力者である、ドミティウス主席執政官閣下付きの悪魔なんだ。ガルちゃんの前で話したことは閣下に筒抜け」

「どういうこと?」


 まーこれだけじゃわからんだろうけど。


「閣下は『魔魅』っていう固有能力持ちなの」

「悪魔とフレンドリーに接触できる珍しい固有能力ね?」

「そうそう。閣下の側には常に悪魔がいるんだ。悪魔同士は大体仲悪いから、閣下付きになってるのは一人しかいないけど。前ここにも持ってきた籠に入ってる悪魔バアルは、ガルちゃんの前に閣下付きだった悪魔ね」

「ユーちゃんが悪い子って言ってた悪魔ね?」

「うん。悪魔が近くにいると、やっぱその考え方に影響されちゃったり誘導されちゃったりするんだよ」

「ユーちゃんみたいな人でなければそうでしょうねえ」


 どーゆー意味だ?

 あたしは他人の言うこと聞かないからか?

 聞かないことないわ。

 自分の考えを優先するだけだわ。


「バアルみたいな大胆なやつが側にいると、戦争起こそうとするから迷惑じゃん? ガルちゃんは御飯食べさせときゃ大体満足だから、危険が少ないんだよね」

「だからあえてガルちゃんを側にいさせて、閣下をコントロールする、ということなの?」

「閣下は切れ者なんでコントロールはできないな。でもヤバさは減るよ。エンジェルさん来るとどんな話が出るかわかんないじゃん? 伝わっちゃまずいことがあるかもしれないから一応遠ざけとくんだ」

「慎重なのねえ」


 慎重なんだよ。

 何故かわかってもらえないことが多いけど。

 ……もっとも今回ガルちゃんを遠ざけておくのは、赤眼エンジェルを警戒させて口数が少なくなるのが困るからだ。

 あたしは情報を引き出したい。


「バアルというのは、ユーちゃんがレベルリセットする原因になった悪魔なんでしょう?」

「うん。帝国がドーラに攻めてくる原因を作った悪魔でもある」

「その悪魔は今どうしてるの?」

「相変わらず籠の中だよ。いろんなこと知ってるから重宝してるんだ」

「危なくないの? 心配だわ」


 危険と考えちゃうのもムリはないな。

 むしろヤバいと思う方が普通かも。


「バアルは悪い子だけど、ウソは吐かないんだ。もうさほど悪いことはしないって誓わせたから、解放してやってもいいくらいなの。ただバアルはあたし預かりで皆さんに許されてるところがあるから、今は様子を見てるんだ」

「大丈夫なのね?」

「うん。悪魔だから危険ってことはない。それから今日初めて天使に会ったんだよ。会うなりヴィルにケンカ売ってきたぞ? 天使も一般のイメージほどいいもんじゃないな。あたしに言わせりゃ、天使も悪魔も欲望に忠実で似たようなもん」


 天使も構ってやると面白そうではあるけど、あたしは悪魔との付き合いが深くなっちゃってるからな。

 ヴィルが嫌がると可哀そうだし。

 ただヴィルは口で言ってるほど天使を嫌ってるわけではないような印象を受けた。

 あたしが一緒だったからか?


「明日楽しみにしてるよ」

「うん、じゃあね」


 転移の玉を起動して帰宅する。

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