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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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1702/2453

第1702話:ドーラの南の島だった

「御主人!」

「よーし、ヴィルいい子! どうだった?」

「島だぬ!」

「おおう、そー来たか」


 調査を命じていたヴィルが戻ったのでぎゅっとしてやる。

 『青い空と白い砂の島』という転送先だったので、島であることは疑ってなかったけれども。


「地理的にどの辺になるかな?」

「地図はあるぬか?」

「ちょっと待ってね」


 ナップザックから地図を取り出す。

 ヴィルの地理感覚はとても優れている。

 クララの言う通りドーラ近辺だったら、ヴィルなら場所がわかるんじゃないかな。


「この島だぬ!」

「ははーん?」


 ドーラ南部の半島のようになっている部分から、さらに南の沖にある島だ。

 なるほど、熱帯みたいな気候にも頷けるな。

 クララが言う。


「まともに魚人の支配領域の中にある島ですね。存在が知られているということは、ドーラからは見える?」

「反対側まで行けばドーラ大陸が見えるぬよ?」

「じゃあ誰も来たことがねえ島なのか?」

「今は誰も住んでいないと思うぬ。でも誰かがいた痕跡があるぬよ?」

「インタレスティング……フライングマジックね?」

「うん、ドーラ人が飛行魔法で来たのかもしれない。魚人が上陸したってことも考えられるな」


 謎が謎を呼ぶってほどではないが、ちょっと楽しい。

 少々のミステリーはエンタメの内だな。


「ヴィル、誰かがいた痕跡っていうのはどこにある?」

「島の反対の方だぬ!」

「よし、大きい島じゃなさそうだし、このまま海岸に沿って歩くよ。痕跡が見えたら教えてね」

「「「了解!」」」「了解だぬ!」


 さらに先へ進む。


          ◇


「皇帝陛下が亡くなって、待ち案件の一つが動き始めたわけだけど」


 うちの子達と話しながら岩の多い海岸を歩く。

 ハマサソリ多くなってきたな。

 ハマサソリばっかりで変化がないんで、違う話もしたくなるとゆーもの。


「残りは『ガリア・セット』の続きとアンヘルモーセンの出方と、異世界『アトラスの冒険者』本部所長エンジェルさんの関係ですか」

「うん。待ち案件がまだ多いな」

「『ガリア・セット』とアンヘルモーセンは一括りかもしれやせんぜ」

「なるほど? アトムやるな」


 もうあんまりこっちからガリアに行く機会もなさそうに思える。

 となるとガリアと天使国アンヘルモーセンの衝突が、『ガリア・セット』の一要素なのはあり得るな。

 ただガリアと帝国がテテュス内海において手を結んだことで、アンヘルモーセンの打てる手も少なくなっているんじゃないかな?

 となると怪しいのが……。


「ガリアの子分のサラセニアね?」

「どう考えても焦点になるのがサラセニアだねえ」

「姐御はどう怪しいと見てるんでやす?」

「ガリアと帝国が組んだ。よってサラセニアからアンヘルモーセンが撤退する。これならわかるよ? でもガリアの王様、天崇教宣教師の布教活動が活発になったという報告があるって言ってたんだよね」

「必ずしも天崇教とアンヘルモーセンの狙いが同じ、ということではないのかもしれませんが」


 クララの言う通りだ。

 しかしテテュス内海情勢に詳しいタルガ総督サエラックさんは、アンヘルモーセンと認定商人と天崇教は三位一体と言っていた。

 またバアルもアンヘルモーセンは天崇教の国と決めつけていた。

 天崇教とアンヘルモーセンの思惑が違うと考えるのは危険な気がする。

 となるとサラセニアに拘るアンヘルモーセンの狙いがわからん。


「ならば持久戦に切り替え、宗教でジワジワ影響力を増したいということでしょうかね」

「見えてる情報からふつーに判断するとそーゆー解釈になるね。ただ天崇教は主じゃなくて従ってこともあるのかなと」

「どういうことですか?」

「もっと面白くなっちゃう予感がするんだよ。例えばアンヘルモーセンが誰も知らない情報を掴んでてさ。それを根拠に何かを企んで事件を起こすけど、あたし達が颯爽と駆けつけて解決するみたいな」


 あえてフラグを立てに行ってるって?

 いいじゃないか。


「インスピレーションね?」

「インスピレーションだねえ」

「姐御のカンは当たるんでやしょう?」

「外れる気はしないな。しかも遠くない未来だと思う。でもいつになるかわかんないのは困るじゃん? こっちにだって都合があるんだから」

「あはは、都合通りにですか」

「ハプニング様アクシデント様トラブル様。どうか行儀よく順にお並びください。割り込みはダメですよ」

「割り込むと許さんぞの方が御主人らしいぬ!」


 大笑い。

 赤眼天使とエルのゴタゴタの方は、いつ動き出すかサッパリわからんしな?

 異世界の連中がムリヤリ何かしようとして、エルが反発するって展開になる気がする。

 となればエルのレベルがキーになるから、事件の勃発は遅くなった方がありがたいが。


「姐御、袋一杯でやす。これ以上は食べきれやせんぜ」

「うん、もういいや。あたしも倒すのやめる。たださー、段々ハマサソリ多くなってない? どうなってんだろ?」

「川があるんだぬよ?」

「川?」


 こんな小さな島に川?

 ヴィルの指す方へ向かってみると……。


「うじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃ」

「うじゃうじゃぬ!」


 川というか沢というか。海に流れ込んでる小さな流れがある。

 そして岸辺には大量のハマサソリ。

 クララがしたり顔で言う。


「どうやらハマサソリの産卵場になっているようですね」

「こういう場所が三ヶ所あるぬよ?」

「ふむふむ。ハマサソリが増えるには真水が必要なのか」


 魔物の生態も調べると面白いのかもしれないなあ。

 あたしは変人じゃないので、これっぽっちも興味ないけれども。


「ハマサソリがおいしくてたくさん欲しいとなったら、こういうとこ来りゃいいんだな」


 アトムとダンテが嫌そうな顔してるけど、ハマサソリ美味いかもしれないじゃん。

 食べてみるまで判断を下すのは保留しようよ。


「ところでドーラ本土にはハマサソリっていないんだ?」

「報告はないですね」

「ヴィル、この島にハマサソリ以外の魔物はいるかな?」

「見なかったぬ。でもいないとは限らんぬ」


 おっぱいさんがレベル一でもクリア可能と言っていた。

 となると他に魔物がいたとしても、強いやつはいないだろう。

 島ってことを考えてスライムか昆虫系、植物系くらいか。


「相手にしてらんないな。沢越えて向こう側まで飛ぶよ」

「「「了解!」」」「了解ぬ!」

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