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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第1506話:レダ

 ――――――――――二四二日目。


「雨かー、雨になってしまったか」


 控えめにしとしと。

 最近雨少なかったからな。

 まあ作物のためにはお湿りも必要。


 ただなー。

 雨降ってると行動が限定されちゃうのも確かなのだ。

 さあ、どうしよう?


「ユー様、どうされます?」

「ダンテ、これどこで雨降ってるのかな?」

「ノーマル人エリアから魔境まで、オールレインね」

「ドワーフが住んでるところは?」

「降ってないね。クラウディね」

「よし、お肉を調達しよう」


 アトムが喜ぶ。


「昼は海の王国でやすね?」

「雨降ってる日は女王も待ってるだろうからね。期待に応えてやらねば、美少女精霊使いユーラシアの名が廃るわ」


 これで昼と午後三時以降の予定は決まった。


「ドワーフのところにお肉を届けて、転移の玉を受け取ってくるでしょ? 昼は女王とお肉食べて、夜はガリアの王様とお肉ディナーだな」

「お肉デーですねえ」

「とっても素敵な響きだねえ」

「ミートはアリスのブックワールドね?」

「いや、魔王島行こう」

「魔王島でやすかい? いいでやすね」

「でしょ? キメラおいしかったもんねえ」


 一度キメラ狩りに行きたいとは思っていたのだ。

 今日は時間があるのでいい機会だと思う。

 うちの子達も皆、やる気になってるしな。

 じゃあヴィルにも連絡して、と。


          ◇


「御主人!」

「よーし、ヴィルいい子!」


 飛びついてきたヴィルをぎゅっとしてやる。

 魔王島唯一という船着き場にやって来た。

 小さく古いけどちゃんとした港なのだ。

 悪魔が港を作るなんてことはしないだろうし、必要もないだろ。

 かつてノーマル人が移住しようとしたことがあったんだろうな。

 魔王島にも歴史あり。


「それであんたは? 名前何だったかな?」

「レダぬよ?」


 レダっていうのか。

 名前は知らなかったけど魔王配下の子。

 白いロングヘアのすげー美幼女悪魔だ。


「おはようございます、ユーラシア様。魔王様の連絡係を務めております、レダと申します」

「あれ? またあんたは何というか、全然悪魔っぽくないね?」

「よく言われます」


 高位魔族は抜け目ないというか、隙あらば自分のメリットになるようことを運ぼうとするものだ。

 ヴィルだってぎゅっとしてもらいたいから飛びついてくるくらいだぞ?

 が、レダにはそういった毒やあざとさがない。

 言い換えれば良くも悪くも積極性を全く感じない。

 こんなんで悪魔としてやっていけるのかな?


 屈託なく笑うレダ。


「私は外見が天使に似ているということで、他の高位魔族からは一目置かれることが多いのです」

「なるほど?」

「人間とも問題なく付き合えますので……」


 見た目天使で性格が良ければ、人間も認めてくれるだろ。

 魔王配下になる前も、負力獲得には不自由しなかったに違いない。

 だからレダはあんまりあくせくしない子なんじゃないかな。

 姿形で得するケースもあるんだなあ。


「レダはわっちと同じくらいワープが上手ぬ」

「ヴィルと同等なら相当じゃん。何で魔王の配下なの?」


 ワープが使えて他の悪魔に一目置かれるなら、連絡係には適役だろう。

 でもワープの使える悪魔なら、魔王なんか相手にしないんじゃないの?

 レダが言う。


「私は天使達に襲われ危うかったところを、魔王様に救ってもらった恩があります。ですから私は死ぬまで魔王様にお仕えするのです」

「おおう、メッチャまともな子だ」


 悪魔も個性豊かだなあ。

 こんな純粋な子もいるとは。

 ムリに理屈付けするとすれば、レダは自分自身というものを何よりも高く評価している。

 だから自分を救ってくれたことに対する対価を、ずっと魔王に仕えることで支払おうとしているのだろう。

 

「ユーラシア様は、今日はいかなる用件で魔王島へお越しですか?」

「キメラを狩りに来たんだ。お肉食べたくなっちゃって」

「キメラは生息域が偏っていますから、知らずに探すとなかなか見つからなくて大変ですよ。後ほど御案内いたしますので、先に魔王様のお招きに応じていただけませんか?」

「あれ、魔王が呼んでるの? じゃ、魔王の用を片付けようか」


 何の用だろう?

 午前中は時間があるから、イベントを寄越してくれるのは嬉しいな。

 クララの『フライ』でびゅーん。


          ◇


「こんにちはー」

「こんにちはぬ!」

「よく来た! 友ユーラシアよ」


 魔王以下、配下の悪魔達が並ぶ。

 改めて見てもバラエティ豊かなメンツだ。

 それぞれにレダが配下になった時のようなドラマがあるんだろうか。


「ブラックデモンズドラゴンが出たとこ、その後どーかな?」

「うむ、世界樹のおかげで魔力濃度は確実に低くなってはいる。しかし安定しているわけではないのだ」

「まだ世界樹も成長途中だもんねえ」

「アースドラゴンが出現していてな」

「アースドラゴン?」


 あたしの分類で言うとノーマルドラゴンの一種だ。

 もちろんブラックデモンズドラゴンほどの脅威じゃないが、強度の魔法耐性持ちなのだという。

 なるほど、主要攻撃が闇魔法の悪魔にとっては難敵かもな。


「友ソールに連絡を取ろうと思ったのだが、手段がな……」

「ドーラにドリフターズギルドっていう『アトラスの冒険者』の溜まり場があるんだ。そこの受付で伝言頼むと伝えてくれるよ」

「ほう? 高位魔族が出入りして問題はないか?」

「全然大丈夫だよ。ヴィルや狼頭のガルムもふつーに出入りしてるくらい」

「御主人、わっちがレダとシンクロして飛んで、紹介してくるぬか?」

「ん? いや、いいよ。あたしが行ける日にしよう」


 レダみたいな子がギルドに出入りしたって全然問題ないわ。

 でもヴィルが勝手なことしてると思われるのはよろしくないから。

 何より面白そーなイベントをあっさり終わらせてはいけないと、あたしのエンタメ魂が叫ぶのだ。


「今日明日がちょっと忙しいんだ。明後日どうかな?」

「うむ、よろしく頼む」

「じゃあ明後日の朝にレダを迎えに来るよ」

「すまぬな、友ユーラシアよ」

「いいんだよ。あたしも面白いことは歓迎だからね」


 イベントで予定が埋まるのは嬉しい。

 何かの中毒なのかしらん?


「まず、アースドラゴンだなー。倒してこよう」

「友ユーラシアがいれば百人力だ! 行くぞ、者ども!」


 え? 全員で行くのかよ。

 まーブラックデモンズドラゴンほど危なくないだろうし、ピクニックみたいで楽しいかもな。

 現地へびゅーん。

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