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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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1251/2453

第1251話:魔王島に到着

 ――――――――――二一一日目。


 フイィィーンシュパパパッ。

 ギルドにやって来た。


「おはよう、チャーミングなユーラシアさん」

「おっはよー、ポロックさん」


 正直者のギルド総合受付ポロックさんがニコニコしながら話しかけてくる。


「聞いたよ。ソールさん達と魔王クエストだって?」

「そーなの。楽しみで楽しみで」

「ハハハ、ユーラシアさんは大物だね」


 大物って呼ばれるのは嬉しいけど、チャーミングって呼ばれた方がより嬉しい乙女心。


「魔王はどんな子かなあ? ソル君ってもう来てる?」

「来てますよ」

「行ってこよ」


 ギルド内部へ。

 お店ゾーンでヴィルが飛びついてくる。


「御主人!」

「よーし、ヴィルいい子!」


 あれ、ソル君達じゃなくてダンに遊んでもらってたのか。

 ま、ダンはいつも大概機嫌いいから、ヴィルにしてみればおいしい感情を吸えるんだろう。


「どうしたの? 朝早いのに」

「待ち合わせなんだぜ」

「えっ? そんな急に予定入れられても困る」

「何でちょっと恥ずかしそうなんだよ! あんたじゃねえよ」

「あたし以外のどこの可愛い子ちゃんと待ち合わせなの?」

「マッチョだ」

「マッチョかー」

「マッチョだぬ!」


 『マッチョ』の固有能力の持ち主ブローン君か。

 おそらくは白魔法使いミラくんとセットで話でもってことだろう。

 ニルエと待ち合わせならギルドなんかにいるわけないしなニヤニヤ。


「何ニヤニヤしてるんだよ?」

「おっと、オネスティフェイスが何かを語っちゃってたかな?」


 ま、ダンとニルエの関係は微妙だ。

 ゴリ押せばうまく行くもんじゃないから、あたしも基本ノータッチの予定。


「ブローン君って、初めてギルドに来たのいつかな?」

「昨日だぜ。相棒の白魔法使いと一緒に」

「……思ったより随分遅かったな。難しいクエストだったの?」


 首を振るダン。


「いや、畑仕事が忙しいからってことだったぜ」

「ボチボチ四の月だもんなー」


 ブローン君は移民だ。

 冒険者といっても農作業メインでいくらしいな。

 クエストが進むとどうかわからないけど、今のところはそれがいいだろう。

 食料は大事。


「レベルが上がれば筋力もつくだろ? 農作業でも楽できるから、クエストを優先しろって言ったんだけどな」

「冒険者の理屈はそーだよね」

「あんたもブローンに意見してくれよ」

「いやー、ダンは今の移民の様子を知らないからさ。皆さん水路に畑に必死なんだよ。抜けてきてクエストは後ろめたいんだと思う」


 今のままでいいよ。

 いろんなスタイルがあるんだから。


「ユーラシアは今から魔王島に行くんだろう?」

「そうそう。魔王君家に遊びに行くんだ。ソル君に聞いた?」

「おう。ソールはもう来てるぜ」

「行かないと。ダンにも用があったんだけどな」


 だから何なんだ、その怖いもの見たさ三〇%みたいな顔は。


「……用って何だ?」

「海の女王に『サナリーズキッチン』の寒天スイーツ食べさせてあげたいんだよね。でも魚人がレイノス行くって問題あるじゃん?」

「ああ、なるほどな。テイクアウトはやってねえが……」

「ありだよねえ」


 ニヤッと笑うダン。

 スイーツのテイクアウトはウリになると気付いたのだろう。

 大した手間になるわけじゃなし、すぐ始まると見た。

 女王にも買っていけるな。


「じゃーねー」

「おう。サンキューな」

「バイバイぬ!」


 食堂へ。


「お待たせー」

「待たせたぬ!」

「「「ユーラシアさん!」」」


 おお、ソル君もアンセリも気合いの入った顔してるじゃないか。


「行きましょうか」

「オーケー」


 フレンドで転移の玉を起動、ソル君のホームへ。


          ◇


 フイィィーンシュパパパッ。


「おー、ここが魔王島か」


 うむ、空気が重い。

 魔境に似た雰囲気だ。

 やはり魔力濃度が高いのだと思われる。


 地図上では、ドーラから見て西の洋上にポツンと浮かぶ孤島だ。

 ただし面積はかなり大きい。

 気温はドーラと同じくらいじゃないかな。


「オレが来る日は何故か曇ってるんですよ。何か起こりそうな雰囲気があるというか」

「本当だねえ。ワクワクするよ」

「ユーラシアさんはいつも楽しそうですねえ」


 ハハッ、セリカだって笑ってるじゃん。


「ヴィルは以前に魔王島に来たことあったの?」

「あることはあるぬ。でも魔王のナワバリなので、長居したことはないぬ」

「だよね」


 悪魔って他人の権利を侵さないみたいなところがある気がする。

 ナワバリも重視するようだ。

 契約や誓約を守る矜持の現れなのか、それとも単に他の悪魔がいるところにいたくないだけなのかはわからんけど。


「あれが幻影なんですよ」

「ふーん、いかにもな存在感だねえ」


 ソル君が指差す先に道があり、遥か先におどろおどろしい城が見える。

 雰囲気があって割と格好いいな。

 魔力で映し出してるんだろうか?

 アンとセリカが忌々しそうに言う。


「このクエストも最初の内は、幻影に向かう道を進んでいたのだ」

「行けども行けども魔物が出るので、どうしても消耗してしまうのです。幻影の城までは辿り着くことができず……」

「厳しいなー。ところで魔王島はどんな魔物が出るの?」

「えっ? 低級のデーモンが多いですかね。それ以外だと亜魔族とか草食魔獣、植物系、キメラですか」

「デーモンや亜魔族が出やすいのか。あたし今まで『悪魔の尻尾』を手に入れる機会があんまりなくてさ。魔境でたまーに出会うグレーターデーモンかレッサーデーモンくらいで。もし欲しければ魔王島に来ればいいんだな」


 ソル君が笑う。


「アハハ。キメラは面白いんですよ。いろんな生物系の素材が取れるんです」

「そーなの? いいこと聞いたよ。今度時間のある時にでも狩りに来ようかな」


 うまく倒せば一体だけでもいくつか素材が得られるってことか。

 実に素晴らしいなあ。

 ……キメラがたくさん住んでるエリアどこかにないかな?

 ヴィルが言う。


「御主人、どこかにキメラがたくさん住んでるエリアないかって考えてるぬか?」

「素材集めに効率いいかもって考えてるけど、そーゆーことは黙ってなさい」


 あんたら笑い過ぎだろ。

 生活にエンタメ成分が足りないんじゃないの?


「では、魔王の館へ行きましょうか」

「東の森と湖を越えた向こうにあるんだったっけ? バラバラに飛んでぶつかると危ないから、クララ運んでくれる?」

「はい、フライ!」


 びゅーんと飛んで魔王の館へ。

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