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第16話 記憶のフタ
ようやく、手伝いが終わった。
辺りはすっかり暗くなっていた。
カイト「ほんとに、ごめんな。
もう、寮の門限も過ぎちまっただろ」
ルナ「ううん。大丈夫だよ。
それくらいは、魔法で誤魔化せるから」
『ボッ』
ルナが指先から小さな炎を出した。
ルナ「ねぇ、カイトは……
魔法使いになりたいと思ったことはある?」
カイト「ん?
別に無いけど?」
俺が素直に答えた。
カイト「……いや、あったか?」
幼い頃の記憶は曖昧だった。
カイト「……」
思い出そうとすると……
あの日の惨劇を思い出してしまう。
だから、記憶にフタをする。
これじゃあ、レイのことを言えないな。
俺が自嘲気味に笑う。




