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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第17章 魂の転移編―前編―
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第2話 英雄がいない世界

レイ「うん。背中側の見た目も触り心地も問題ないよ」


ルナ「ありがとう、レイさん」


 俺は目をつぶったまま二人の会話を聞いていた。どうやら、ベルの新しい体の最終調整が終わったらしい。


マオ「カイト。目を開けていいよ」


 俺の両目を覆っていたマオの手が離れる。


カイト「了解」


 目を開けると、制服姿のルナと、ベルの新しい体となる裸の人形が立っていた。


カイト「なあ、ずっと思ってたんだけど。ベルの新しい体に洋服を着せなくていいのか?」


ルナ「お洋服はね、魂の転移が無事に済んだあとで私が着替えさせてあげようと思ってるの」


ベル「私は自分で着られると言ったのですが……」


ルナ「だ~め。私が着せてあげるの。これは決定事項だよ」


 ルナとベルが仲むつまじく会話を続ける。……本当に、この二人の笑顔を守れて良かった。心の底からそう思った。

 まあ、俺が何かしたわけではないんだが……。


カイト(回想)『俺はカイト。ベルを助けにきた英雄ヒーローさ』


 自分が放ったあの言葉を思い出す。

 少しでもベルの心の支えになっていればいいな~……。

 な~んてね、さすがにうぬぼれすぎか。


ルナ「一緒にお着替え楽しみだな~。あっ、私も裸になった方がいいかな? 一緒にお着替えするの。どうかな?」


ベル「カイトたちもいるので、それはまたあとで。お風呂上がりでいいでしょう」


ルナ「うん。一緒にお風呂入ろうね。そのために防水加工もしっかりしたんだから!」


ベル「ええ、もちろんです。たとえ体が別々になっても、私たちはずっと一緒です」


 二人はなおも楽しそうに会話を続けていた。そう、ベルを救ったのは他でもないルナだ。

 きっと、ルナがいる限り、俺がベルと交わした『ベルの英雄になる』という約束が果たされることはないのだろう。


カイト「でも、それでいいんだ。そうだろ? お兄さん」


 英雄ヒーローが必要ない平和な世界。それが何より望ましい世界。

 俺にはそう思えた。

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