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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第16章 千年前の英雄編
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第18話 魔力譲渡

 私は人殺しです。こんな私はいつまでもルナたちと一緒にいるべきではありません。

 幸か不幸か。取り戻した記憶の中には私が『ルナ』の体に宿ってしまった原因となった魔法の記憶もありました。

 その魔法の名は……



   *



ベル「『魔力譲渡』――この魔法によって私はルナの体に宿ることになりました」


カイト「魔力譲渡で?」


 魔力譲渡の魔法なら知っている。十年前に旅人のお兄さんが俺に使ってくれた魔法だからだ。その魔法のおかげで俺は一時的とはいえ魔法を使うことができた。まあ、すぐに魔力切れになって使えなくなったんだけど。


ルナ「私ね。昔、死にかけたことがあって……ううん。違うね。私、死んじゃったの」


カイト「ルナが死んだ?」


 じゃあ、今目の前にいるルナは一体? まさか、ゾンビとか?


ベル「私は生まれたときから膨大な魔力を持ってまして、この膨大すぎる魔力は私に死を許さず、気付けば千年の時を生きていました」


 千年の時を生きられるほどの魔力を持ったベル。そしてそんなベルが使える魔力譲渡の魔法……


カイト「まさか、ベルはルナを救うために……」


ベル「あれは賭けでした。私の魔力を全て渡せば、その膨大な魔力がルナを生かすんじゃないかと。そしてその賭けに私は勝ちました。ルナは無事に一命を取り留めたのです」


 それが死んだはずのルナが生き返った理由。まさに、英雄と呼ばれた大魔導士ベルクにのみに許された奇跡の魔法。


ベル「いえ、無事でなかったですね。なにせ魔力譲渡をした際に、魔力だけでなく私の魂もルナの体に入ってしまったのですから。せめて、記憶が残っていればすぐに対処できたのですが、お互い死にかけていたせいか……記憶喪失になってしまって……」


 ベルが己の後悔を口にする。


ベル「……懺悔はここまでにしておきましょう。過ぎ去ってしまった過去はもう戻らないのだから」


人形の少女「…………」


 ベルが自身の新たな肉体となる人形の少女の元へと歩いていく。


ベル「『人の魂と魔力は結びつく』――それが今回の事故を通して私が出した仮説です」


 ベルが人形の少女に手を伸ばした。


ベル「私のような人殺しはいつまでも『ここ』にいるべきではありません。旅に出ましょう。あの頃のように」


 ベルの手が人形に触れた。


ベル「ルナ……あなたの人生を半分奪ってごめんなさい。そして、新しい体をありがとう。これでお別れです」


 ぽつり、とベルの目から涙が零れた。


ベル「『魔力譲渡』」


 千年前に世界を救った英雄――大魔導士ベルクが『ベル』としての……最後の魔法を唱えた。

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