第1話 屋上での告白?
カイト「あっ、ユキノ!」
学校の廊下ですれ違ったカイトくんが私に声をかけた。
ユキノ「やあ、カイトくん。どうしかしたのかい?」
カイト「今日の放課後空いているか? お前に頼みたいことがあって……」
ユキノ「ああ、空いているよ」
カイト「良かった。じゃあ、放課後、屋上に来てくれ!」
そう言うと、カイトくんは廊下を走り去って行った。
*
――バンッ。
屋上の扉が勢いよく開いた。
カイト「悪い、ユキノ! 遅くなった」
息を切らしたカイトくんが屋上の扉を開けて言った。
ユキノ「遅いよ。これでどうでもいい用事だったら……分かってるよね?」
私がカイトくんを脅す。
カイト「ほ、ほんとにごめん! 何でもするから許して!」
カイトくんが両手を合わせて許しをこう。
ユキノ「ただの冗談だよ。カイトくんには返しきれないほどの恩があるからね」
ゾンビ騒動の際にカイトくんが悪魔に放ったあの発言が無ければ、ドラちゃんが人間として学校に通えることは無かっただろう。
カイト「それはドラにも話したけど、ルナとベルと……あの白馬の姿をした悪魔のおかげだよ。俺は何もしてない」
ユキノ「そうか。じゃあ、私は帰るね」
私が帰る素振りを見せる。
カイト「待って! 少しは恩を感じて、話を聞いて!」
カイトくんが慌てて私を呼び止めた。
ユキノ「あはは、これも冗談だよ。ほんと、カイトくんはからかいがいがあるね」
私が笑いながら言う。
カイト「そうか、冗談で良かった」
カイトくんが安堵した。
カイト「それで、ユキノへのお願いなんだけど……」
ユキノ「最後まで言わなくていい、カイトくんのお願いは分かっている」
私がカイトくんの言葉を制止する。
カイト「そうか、じゃあ早速……」
カイトくんはお願いを受けてもらえる前提で話そうとする。
大した自信だ。
まあ、彼がいい男なのは認めるが。
それでも、私の答えは決まっていた。
ユキノ「答えはノーだ。君のお願いは聞けない」
私がカイトくんのお願いを断る。
カイト「そんな……どうして……」
カイトくんがショックを受ける。
ユキノ「ごめんよ。カイトくん。君の気持は素直に嬉しい」
ユキノ「でも、今は学業やドラちゃんのことで忙しいんだ。それに卒業後は研究室に戻ってこれまでの遅れを取り戻さなきゃいけない」
私はこれからの自分のことを話す。
カイト「んん?」
ユキノ「だから、今は誰のものにもなれないんだ。……もちろん、カイトくんのことは友人として大好きさ。だから、これからも良き友人として良好な関係を……」
私はカイトくんが傷つかないように細心の注意を払う。
カイト「ちょっと、待ってくれ! 一体、何の話をしているんだ?」
カイトくんが戸惑いながら聞いた。
ユキノ「何って、カイトくんの告白を断った理由を話しているのさ」
カイト「告白してねーよ!?」
あれ? 違うの?
どうやら、私は大きな勘違いをしていたらしい。
てへっ☆




