間話7 補足編
「迷宮ってな、いつでも誰でも行けるって訳やないねん」
死神がスクリーンを操り、奇妙な宝石の様なものを映させた。
透き通った石で、色も様々。
赤に黄色に緑に青……
石には文字の様な、あるいは記号の様な線が掘られている。
「迷宮に挑むには、その名もまんま、“挑戦トークン”っちゅうアイテムが必要や」
これがそのトークンらしい……
トークン?
クーポンの仲間だろうか?
「探索者はこの挑戦トークンを手にいれ、それを迷宮の入り口で妖精に渡さんと挑戦できんようなっとるねん。さっきの映像では端折ったけど、ちゃんと渡してたんやで」
察するに入場券みたいなものか。
ますます“アトラクション”だね、本当に。
「この挑戦トークンがどこから来るかっちゅうとな。他ならん、迷宮が発行しとるねん。発行されたトークンをその迷宮の周辺にある会社が引き取って、探索者に販売するっちゅう形になっとる」
スクリーンには、迷宮のどこか人気のない一画で、例の妖精が袋に入ったトークンを人間に手渡している様子が映っていた。
「迷宮は、時々この挑戦トークンを作り出す。一定周期で作る迷宮もあれば、決まった周期のない迷宮もある。作られる数もそん時々で変わる」
つまり、入場制限があるってことか。
「稼げる迷宮ほど皆行きたがるさかいな、そういう所のトークンは当然高騰する。逆に誰も行きたがらん所のは二束三文で買えるっちゅうわけや」
並べば買えるってわけでもないんだな。
「で、この価格がエグいんよ。基本価格が、その迷宮で見込まれる平均収入の5分の1となっとんねん。例えば……あんさんに分かるように言えば、さっきの迷宮が平均で100万円ぐらい稼げる所やとするやろ。そうすると、あの探索者五人は20万円出してトークンを買ったっちゅうことになるわけやな」
高っ!
金持ちでもなければ、そうおいそれと出せる額じゃないね。
「これで、人気がある迷宮ならもっと値は上がる。当然、失敗したら収入0や。専任探索者なら、会社から色々サポートは受けられるけどな。トークンの割引とか。せやけどノルマもあるさかい、楽と言えるかは別問題や」
世知辛いなぁ……
さっきは楽しそうと思ったけど、やっぱり違うかも。
「ま、なんでも都合よくはいかんっちゅうこっちゃ」
……都合の良い世界に行きたい。




