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ネコミミよ、この世界のしるべとなれ  作者: 金子ふみよ
第四章

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さすが元ネコミミ部隊長

「攻撃に多様性が出て来たな。けれども、脇が甘いな」

 ビクチャーは、巨大なワンハンドの斧を振り下ろしてきたデイザンの手首をつかんだ。

「くそ、力が」

「腕力に頼るのは悪い癖だ、デイザン」

 がら空きになったボディに蹴りを入れる。と同時に手首を放すと、デイザンの巨躯が発砲スチロール並みの軽さで吹っ飛んで行った。何本もの木々をぶっ壊しながらそれでも飛んでいくデイザンの身体。ようやく止まったのは、巨木に背中をぶつけた時だ。力なくずり落ちて、背もたれたままへたり込んでしまった。短い呻きの後で、変身が解けてしまった。

「デイザン!」

 武装解除してしまった隊員の元へ駈けつけようとするカトゥンとイングロードよりも速かったのは言うまでもなくビクチャーである。

「隊長、どうか改心を」

 傷だらけになった身体のデイザンは震える手を伸ばして、眼前のビクチャーに懇願をする。

「お前が俺に勝てたならな」

 デイザンの手を避けてビクチャーの手が伸びる。デイザンの頭のネコミミを掴むと一気に手元に引き寄せた。装甲が解け、身体を倒すデイザン。その体を掴みあげると、

「鍛錬を怠らないことはいいことだ。これからも精進しろよ、デイザン。ただし、生きていればな」

 言って放り投げた。デイザンの巨躯がカトゥンとイングロードの目前を横切って行く。

「デイザン!」

 湖に落ちていく。

「私が。カトゥンはビクチャー隊長に」

 イングロードは迅速に向きを変え湖に飛び込んでいった。

「頼んだぞ!」

 その声が聞こえているかどうかは知れないが、カトゥンは叫んだ。その耳に地を踏みつける音が近づいてくる。向き直して、睨みつける。

「ビクチャー、何をしているのか分かっているのか!」

 静かではない呼吸のままだった。震えさえしていた。

「だから、講義といっただろう。お前たちは聴講していればいい」

「ふざけるな。講義というなら私の疑問に答えてみろ!」

 言ってダッシュ。

「ああ、雄弁に答えてやるだろう。この拳がな」

 不敵にビクチャーもカトゥンめがけて走り出した。


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