ジャンヌダルク考少女期3
ここに来てフランスの傭兵が二ヶ月更新の短期派遣だったのか、合点がいった。
普通、兵士を雇うなら、安心できる人物を雇いたい単発の素性も知らない奴は嫌だ。と考える。
命をかけるなら尚更だ。
外国からの傭兵、二ヶ月更新なんて大丈夫だろうか?
私は疑問だった。
普通の仕事だって、危険を伴う業務は、短期バイトには頼まないが、これは戦場の話だ。
ついでに、彼らは略奪するのが慣例なのだ。
外国から強盗を金を出して呼びいける様なことを何故するのか?
なんだか、モヤモヤしたけれど、が、略奪について考えていて、なんだか理解できた気がする。
つまり、だ。
傭兵が山賊まがいなら、
フランス王は悪代官なんだ。
何が言いたいかと言うと、日本式に殿様に品位を求めると、話がこんがらかるのだ。
忘れていたけど、フランスの王さま、国の借金をチャラにするために、無実のテンプル騎士団に罪を擦り付けて処刑したりするのだから、
ただの外国の傭兵なんて、毛筋一本ほどの罪悪感もなく処刑できるに違いない(ーー;)
二ヶ月契約で戦争に勝利したら、
王は、襲った国の領主になる。
で、雇っていた傭兵は契約がきれれば、ただの外国人だ。
領主は、領民を守るのが仕事だ。
領民が、訴えてくれば、山賊退治の大義がたつ。
自分の傭兵を処罰は出来ないが、
期限が切れて山賊になれば話は別だ。
襲いかかって処刑し、財産没収してしまえば、戦費も少なくてすむ…。
ヨーロッパ…こわい(ーー;)
で、そうなるのは嫌だから、傭兵だって考える。
まずは、名前の通った大きな組織に属するようになるし、
そうなれば、それなりにルールも厳しくなる。
領民に必要以上に嫌われたくは無いだろうから、焼き討ちや、婦女暴行なんて、よほどでないかぎりしない。
勿論、例外はあるだろうが、大概の場合、軍規で勝手な略奪行為は処罰対象になるだろうから、他のやつらの罪を背負って殺されるに違いない。
そう考えると、二ヶ月更新の傭兵も、それなりに理由がある気がした。
100年戦争に考えなしに日本の戦国時代を持ち込むより、この設定の方がいい気がする。
で、二ヶ月更新なんて、待遇が良くない彼ら。
応募する人間がいたか?と、言うと、それなりにはあったと思う。
中世の戦争は、口べらしの意味もあると聞いたことがある。
フランスは度重なる戦争で少子化したとしても、外国では話は違う。
少なくとも、ハイランドの人達は、進んで兵士としてフランスに向かったようだし、商人は、そんな事情の人間を集めるのが得意だから。
では、みんな、嫌々傭兵をしたかと言うと、そうでも無いと思う。
二ヶ月更新の傭兵は、基本、お試し期間なのだと思う。
大きな傭兵部隊は、それなりに仕事があり、更新はされたろうから、あまり、二ヶ月にこだわらなかったかもしれない。
この辺りは、現在の派遣業と似ているのではないか?
二ヶ月たって更新切れしても、仕事のできる人間は、それなりに優遇があったのは、今も昔も変わらないだろう。
つまり、勝ち取った村や町で、王さまから戦賞品として家やら、畑を貰えたろうから。
敵方から見れば、それは略奪された、になるわけだが、小説や映画のように、いきなり恐ろしげな兵士が現れて、好き勝手に家を荒らしたりはしなかったと思う。
で、家をとられた、と、しても、未亡人、ジジババつき、つまり、入り婿のように傭兵が入ることがあったかもしれない。
確かに、嫌と言えば嫌だが、
戦争で男手は少なくなるだろうし、
農業は、人が必要だ。
男の方だって、いつまでも無鉄砲に傭兵はしてられない。
こうやって、静かに、略奪されていったと考える方が、なんだかしっくり来る。
で、入り婿が気に入らなければ、ここで魔女の出番が来る。
つまり、毒殺。
物静かに、殺伐とした世界観が出来上がり、
後のクラーメルの話も作りやすくなって来た。
え?武田信玄はどうなったか?
ああ、それは、次の回でお話しします。