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「先輩、仕事辞めてどうするんすか?」  作者: シルヴィア・紫の夜明け


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それは彼氏さんが悪いっすね

 スライム。

 ゲームの序盤の雑魚モンスター。

 現実の攻略サイトには面倒くさいと書いてあった。

 面倒くさいって?


「物理、効くには効くんですけど、序盤ではみんな攻撃力がないからなのか、5発くらい叩かないと死なないんすよね。

 攻撃力が上がったら上がったで倒す意味がないですし」


 ドロップアイテム:ゼリー(スライム)、やくそう


 攻略サイトには確率が書いていなかった。

 どのくらいなのだろうか?


「やくそうは20匹にひとつくらいっすね。

 ゼリーはレアっすよ。

 多分500匹にひとつくらいなんじゃないかと」


 多分?


「みんなスライム倒しませんし、そもそも確率の検証なんてしませんし」


 気になるし行ってみようか。


「何があっても先輩のことは私が守るっすよ」


 今から行くのスライムなんだよね?



 入場料100円なんだ。


「ここはスライムしか出ないすからね。

 強い所だと500万とか掛かるっすよ」


 新宿御苑とエベレストみたいな感じかな。


「先輩、御苑が100円とか何十年前の話っすか。

 今500円っすよ。

 さては漫画とかで齧った口ですね」


 帰りに花見に行こうかな。


「いいっすね。

 桜70種類くらいあるんすよ、御苑」


 知らない花見だ……。


「というか先輩、初めて見ましたよ。

 ダンジョン前のコンビニで塩と酢を買う人。

 砂糖と醬油と味噌はいいんですか?」


 いやだって、スライムと言ったら酢か塩でしょ?


「いやいやスライムの弱点は攻撃魔法っすよ」


 小学生のころ、文化祭の理科の催しとかでやらなかった?

 スライムの実験。


「ないっすね」


 ジェネレーションギャップ……。


「歳離れていないんすけど」


 じゃあ、かけるね。


「それは彼氏さんが悪いっすね」


 おお、スライムがみるみると四角に。


「なんすかこれ!?」


 塩析とかなんじゃないかな。


「こんなの初めて見たっす……。

 あー、でもこれダメっすね」


 ダメとは。


「見ててください。

 こう」


 後輩ちゃんは横にいたスライムを殴り飛ばした。

 そして大気へ消えていったスライム。

 なるほど。


「倒したモンスターは消えるんすよ」


 じゃあその四角はまだ生きていると。


「多分だけどそうっすね」


 放置で。


「はい」


 じゃあ、お酢をかけるね。


「おす」


 おおおおおお。


「おおおおおお」


 ドロドロになった後消えていった。

 これは倒した判定でいいのかね。


「いいみたいっすね。

 やくそう落ちてますし」


 やくそう……。

 ドクダミにしか見えない。


「やくそう(ドクダミ)とか。

 ドクダミ(ダンジョン産)みたいに表すっすね」


 帰ったら攻略サイトの薬草ページ見てみよう。


「ああ、普通に製薬会社のサイト覗いた方が速いし、質もいいっすよ」


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