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「先輩、仕事辞めてどうするんすか?」  作者: シルヴィア・紫の夜明け


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〈後輩ちゃんの先輩日記 1〉

 先輩が仕事を辞めると言い出した。

 私も追って仕事を辞めた。

 先輩はダンジョンに潜ると言った。

 何を今更と思った。

 ダンジョンはもう、ありとあらゆる財宝が掘りつくされて、もぬけの殻となっている。

 モンスターは湧いているが。

 先輩は攻略情報を見て潜ると言った。

 アホかと思った。

 ダンジョンをゲームの攻略サイト的に運営している人間なんて、ダンジョンへと一度も足を踏み入れた事のないアホしかいないだろう。

 そもそも、情報は独占される。

 大まかな、共有しないと探索者全員がダメージを受ける情報以外は、一般市民へと漏れはしない。

 当たり前だ。

 誰だって自分の食い扶持を減らしたくはないのだ。

 それはすべてのダンジョンが攻略されてる今でも変わることがなかった。

 まあ、組合員になって、書庫を漁るのが堅実な動きと言えるのではなかろうが。


 先輩の家に住めることになった。

 やった。

 同棲だ。

 元カノの残り香でも嗅いでやろうと思っていたが、ほぼ全て残っていなかった。

 唯一残っていたものがパスタ皿とかなんだそりゃ。

 先輩の作ったボロニア風のパスタうっま。

 同棲するということは、私も料理しなければならないのだろうか?

 物理には自信があるけれども、料理には全然。

 先輩は有言通りに、一番弱い所から始めてくれるようだ。

 スライム。

 でもスライムは初心者の物理攻撃が全くと言っていい程、効かないので長旅だろうかこれは。

 先輩はダンジョン前のコンビニで塩と酢を買った。

 先輩がスライムに塩をかけると、スライムが四角く変形した。

 えんせきと言われたがタンパク質から水分を奪う奴でしたっけ。

 多分スライムに塩をかけたの先輩くらいしかいなそうだし、この現象は国じゃなく民間の上へ報告したら1億くらいは貰えそうだ。

 そして酢。

 酢が掛かると触れた瞬間にスライムが消滅した。

 もうどうなっているんだと思ったし、どうにでもなれとも思った。

 ただ先輩の情報は絶対に外へと漏らして貯まるか。


 次の日。

 スライムに半分水道水酢をかけまくる先輩。

 ただ効率が悪かったので、レベリング用のアイテムを貸してあげた。

 大変なことになった。

 スライムだけでゲーム換算で20レベくらいまで上げたこの世のでただ一人の先輩は置いておいて。

 都市部にスライムキングが湧いているですけれど。

 スライムキングくらいなら大した被害にはならないだろうけれど。

 多分ではなく確実に私たちの所為だよね。

 1万匹倒すとその個体の同系統の中級個体がダンジョンの外に湧くのか。

 やっぱり人間、未知の事を知ることにドーパミンが出ますわ。

 1万の次は10万、いや100万か。

 100万体倒すと何が起きるのか。


 ピザうっま。


 何か中ネズミを倒すのに準備がいるみたいだ。

 今の先輩なら物理で余裕そうなんですけどね。

 でも10万匹狩りたそうな顔してる。

 いいっすよね。

 誰も通らなかった道を進むの。

 その代わり、1週間スライムを倒してくれるらしい。

 おお、おお、イケイケ先輩。

 目指せ100万匹。


 お、おう。

 東京湾にエンペラースライムが出現してる。

 もし先輩が最上級ダンジョンでエンペラースライムを100万匹倒したら何が現れるのだろうか。

 地球滅ぶ?

 でもまあ一種1週間という事は遠い未来だ。

 ところでエンペラースライムは酢で即死するのだろうか。


 先輩全然攻略サイト(笑)見ない……。

 アイテムレートはどっかのサイトと連動しているから、参考になるのだけれどな。

 すっぱくくっさいゼリーは満場一致で売却することに。

 スライム攻略方がバレてもまあ、いいか。

 先輩に足がついたら困るので私のカードで売却。

 とりあえず一個試しに、スライムゼリー(酸)で売ってみた。

 3000万で売れたアホかよ。

 アホには申し訳ないが、ちょくちょく売るのはめんどい。

 なので後で300万くらいでまとめて売ろう。

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